とやま市議会だよりテキストデータ版は、写真や表など一部を省略して編集しています。 また、音声読み上げ機能によっては、正しく読み上げできないことがあります。 議会運営委員会と5つの常任委員会において、付託された議案などを審査し、11月30日、12月20日の本会議では、各委員会の審査の概要と結果が報告されました(各分科会の報告は11月30日、12月16日の予算決算委員会において行われました)。 その内容の一部を掲載します。 議会運営委員会  富山市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例制定の件については、原案のとおり「可決」した。  また、「富山市議会が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)及び関係団体と一切の関係を断つ決議」に対しての陳情については、採決の結果、「不さい択」すべきものと決した。 予算決算委員会  4年度富山市一般会計補正予算など15件については、いずれも原案のとおり「可決」した。 総務文教分科会  4年度富山市一般会計補正予算など4件について、審査した。 人件費補正                           議会事務局において、議員、職員、会計年度任用職員の人件費を補正するもの。 (議員については、人事院勧告に準拠して実施する期末手当12月支給分の0.05月分引き上げや議員の逝去、辞職によるもの) (反対意見の表明) 4年12月に支給される議員の期末手当の支給月数を0.05月分引き上げることは、議会として辞退すべきと考えている。  コロナかや物価高騰により、市民生活はますます大変になっている。今後も、電気料金の大幅な値上げなどが見込まれる中で、給料が上がらず、また、少ない年金で暮らしておられる市民の皆さんには、議員の期末手当の引き上げは理解されないと考える。 厚生分科会  4年度富山市一般会計補正予算など7件について、審査した。 医療てきケア児保育事業費                    (委員からの質疑) わたくしりつの保育施設における医療てきケア児の受け入れについては、市から施設に対してアプローチをかけたのか。それとも、公募に対して施設から申し出があったのか。 (市の答弁) 受け入れを開始した当初は、保育施設に対して個別にお願いすることもあったが、今年度については公募によるものであり、4年10月から新たに1人を受け入れていただいている。 (委員からの要望) 細心の注意を払って保育をしていかなければならないため、これからも受け入れ施設としっかりと連携を取り、要件を確認しながら、安全に保育ができるように進めてほしい。 経済環境分科会  4年度富山市一般会計補正予算など6件について、審査した。 中小企業育成事業費                      (委員からの質疑) 市内の貨物自動車運送事業者の負担を軽減するための支援金について、トラック協会等に所属している事業者には支援金の案内が届くと思うが、個人事業者にも確実に案内が届くのか。 (市の答弁) 事業者の約8割強が加入している富山県トラック協会からは、100%の申請を目指し、会員への案内や申請の中継ぎなどにご協力いただけると伺っている。  また、個人事業者は大手の運送会社の下請けをしている場合も多いため、営業所等へのパンフレットの配置や事業の周知など、大手の運送会社のご協力を得ながら進めていくこととしている。 (委員からの質疑) 市が個人事業者を把握しているのであれば、プッシュ型の案内などは考えられないのか。 (市の答弁) 個人事業者の情報は把握しているので、プッシュ型の案内を行いたいと考えている。 建設分科会  4年度富山市賃貸住宅・店舗事業特別会計補正予算など3件について、審査した。 団地管理費                          (委員からの質疑) 奥田賃貸店舗の立ち退きに伴う移転補償費として、2億5,000万円を補正しているが、各店舗の移転補償費を個別に算定して、既に各店舗に伝えているのか。 (市の答弁) おおむね17事業者に対し、算定業務の結果として、個別の算定額を伝えている。 (委員からの質疑) 奥田賃貸店舗の立ち退きに関する今後の進めかたについて、何か見通しはあるのか。 (市の答弁) 移転補償費の金額については内諾を得られた店舗もあるので、補正予算が議決された場合には、立ち退き期限のめどである5年3月に向けて、本格的な交渉にはいりたいと考えている。 部門別常任委員会 総務文教委員会  富山市公民館条例等の一部を改正する等の条例制定の件など6件については、いずれも原案のとおり「可決」した。  また、請願1件については、「採択」すべきものと決した。陳情2件については、いずれも「不さい択」すべきものと決した。 ガラス美術館の作品展示方法を見直す陳情            (市の見解) 本市では、これまで30年以上にわたりガラスの街づくりを進めてきたところであり、街全体をガラスの美術館に見たてたストリートミュージアムなどを通して、ガラス文化の普及促進に努めてきたところである。そのような中、平成27年8月に、富山市ガラス美術館がオープンしたことから、市民プラザに設置していた、トヤマグラスアートギャラリーの機能をガラス美術館に移行させるとともに、屋外ショーケースについては、老朽化の進行により、その維持管理やガラス作品の保存管理等にも課題が生じていることから、順次撤去することとしたものである。  今後は、原則として、屋外ショーケースの更新や増設は行わず、不特定多数のかたが訪れる公共施設のほか、金融機関やホテルのロビーなど、協力いただける民間施設の屋内空間などを活用したガラス作品の展示等を検討していきたい。また、シクロシティ株式会社の広告パネルは、グランドプラザ前など、通行量の多い通り沿いにあり、デザイン性に優れた広告塔を通じて、市民や市外から訪れた方々に「ガラスの街とやま」をPRできる非常に有効なツールであると考えている。  なお、現在、ガラス美術館所管の屋外ショーケースの清掃業務を障害者就労施設へ委託しているところであるが、本市では、障害者優先調達推進法に基づき、全庁を挙げて、障害者就労施設等からの物品や役務の優先的な調達に努めており、引き続き、市全体として、積極的な活用を図っていきたいと考えている。 (賛成討論) 屋外ショーケースは平成16年に設置され、18年間にわたって、市民や来がい者、観光客の目につく場所にガラス作品が展示されてきた。四季折々の風景・背景にガラス作品があることは、素晴らしいことだと思っている。   撤去方針とのことだが、新規の設置費用が1基あたり500万円程であれば、シクロシティ株式会社への毎年1,000万円の支払いをやめれば、2基くらいは設置できる。全部撤去するとガラス美術館に行かない限り、市民がガラス作品を目にする機会がなくなってしまう。  一方、シクロシティ株式会社へ年間1,000万円以上を支払っている4カ所での展示については、なかに入るガラス作品も限られ、ずっと入れ替えもしていない。効果も疑問であり、1,000万円以上という金額の根拠も不明である。  市民のかたが疑問を持ち、そして、ガラス作品を通し、地元企業や障害者団体の力を借りて、人との結びつきを広める大切さを全国に広げることが富山市民の未来につながるとの陳情であり、採択すべきである。 (反対討論) ストリートミュージアムは、富山ガラス美術館がオープンするまでの間、「ガラスの街とやま」をPRするために大変重要な施策の一つであり、また、屋外ショーケースについては、長い年月がたち、老朽化も進んでおり、維持管理についても課題があると市当局から説明があった。したがって、このストリートミュージアムや屋外ショーケースの役割は十分果たされたと考える。今後は、新しく屋外にショーケースを設置するのではなく、魅力ある施設や企画等によって、ガラス芸術のダイナミックさや多様性を、ガラス美術館に来て、味わってもらうことが、「ガラスの街とやま」を推進することにつながると考える。また、広告パネルについても、「ガラスの街とやま」を多くの市民や来訪者にPRできる一つの大きなツールであると考えている。 (反対討論) この30年間にわたる「ガラスの街とやま」の取り組みや経過についての説明を受け、この屋外ショーケースについては、役割を果たしたと思う。ガラス作品は、もっと丁寧に扱わなければならず、また、屋外での展示は費用面からも難しいところもあり、市当局の考えは理解できる。 (結果) 不さい択すべきものと決した。 【所管部局からの報告事項】 企画管理部 ・Gセブン富山・金沢教育大臣会合の開催 ・第2期富山広域連携中枢都市圏ビジョン(案) ・富山市民芸術創造センターの耐震診断の結果 ・富山市スマートシティー推進ビジョンの策定 教育委員会 ・富山市立やつ尾中学校における成績に関する個人情報の漏洩 ・富山市立北部中学校3年生死亡事案の概要 ・富山市立北部中学校3年生死亡事案に関する調査組織の設置 厚生委員会  富山市大沢野会館条例制定の件など4件については、いずれも原案のとおり「可決」した。  また、請願1件については、「採択」すべきものと決した。 富山市内の保育所・幼稚園等並びに小・中学校における国の新型コロナウイルス感染対策の周知徹底に関する請願(令和4年分請願第4号の1)  (市の見解) 保育所等でのマスクの着用について、2歳児未満は、マスクを自分で外すことが困難であることから、窒息や熱中症のリスクが高まるため、マスクの着用は勧めていない。また、2歳児以上の就学前の子どもについても発達の状況や体調等を踏まえる必要があることから、他者との距離にかかわらずマスクの着用を一律に求めていない。このことから、保育施設ではマスクを着用していないことでの偏見や差別、いじめにつながることはないと考えているが、マスクを着用できない児童もいることを認識しながら、今後も新型コロナウイルス感染症対策の周知徹底をこれまで以上に図っていきたいと考えている。  次に、保育現場での給食の時間については、会話を控えて食べることや、パーティションを設置するなどの感染対策を取りながら食事を進めてきた。新型コロナウイルス感染症への対応が少しずつ変わっていく中で、引き続き十分な換気を行いながらパーティションの設置や、間隔を取った食事環境を整えること、大声での会話を控えることなど適切な感染対策をおこなった上で、給食が楽しい機会となるよう検討し、一律に黙食を子どもたちに強いることのないよう、周知徹底していきたいと考えている。 (結果) 採択すべきものと決した。 【所管部局からの報告事項】 こども家庭部 ・富山市立保育所等における医療てきケア児の受入れ等に関するガイドラインの策定 経済環境委員会  富山国際会議じょう条例の一部を改正する条例制定の件など4件については、いずれも原案のとおり「可決」、「承認」した。  また、陳情1件については、「不さい択」すべきものと決した。 シクロシティ株式会社への赤字補填見直しを求める陳情      (市の見解) 本市では、地球温暖化対策推進事業において、全国初の自転車シェアリングシステムとして「アヴィレ」という公共性の高い社会インフラを整備したものであり、本システムは、市が整備費用を負担し、民間事業者が運営を担う、いわゆる上下分離方式に近い官民連携の事業であると考えている。当初の整備費用1億5,000万円は、100%充当可能な国の補助金等を活用したものであり、4回の増設を経て、現在、ステーション23基、自転車255台で運用している。  「アヴィレ」導入前の事業者との協議において、システムの利用料収入だけでは経営が困難であることが課題であった。そこで、事業者の収入増と経営基盤の安定を図り、事業の継続性の一助とするため、年間1,500万円の業務を市から発注するという覚書を締結し、そのご、施設の増設に伴う維持管理費用の増加を勘案して、平成29年に年間2,100万円に増額している。こうしたことから、これまでに、ステーションごとの利用状況等の調査や、主要事業等を効果的に周知するための広告の掲出などを業務委託してきたものである。このような業務を委託することは、単に運営補助を行うよりも、本市としても十分なメリットが生じるとともに、採算性の低い公共インフラの安定経営に資するものであり、その支出は赤字補填を目的としたものではない。  「アヴィレ」は、公共交通の利用を促進する二次交通の役割を果たすだけではなく、中心市街地の回遊性を高め、まちの魅力、都市の総合りょくの向上に寄与してきたものである。これらを維持していくためにも事業の継続が必要であると考えていることから、引き続き、事業者と連携を図りながら、現行システムでの運用を考えている。 (委員からの質疑) 陳情には、環境政策課の窓口で曖昧な回答しか得られなかったとあるが、実際にそのような窓口対応があったのか。 (市の答弁) 窓口では、「アヴィレ」はもともと採算性が見込める社会インフラではないというところから事業が始まっているという説明をした。なぜ決算書が開示できないのかという質問に対して、親会社がフランスの企業であることから、フランスの法律上の問題で経営状況を明らかにできないことはお話ししたが、その根拠となる条文についてはその場ですぐに回答できなかったことに加え、応対した時間が短かったということもあって、十分に説明しきれなかったと思っている。 (委員からの意見) 本事業を市の施策の一環として継続していくためにも、今後、丁寧な対応に努めてほしい。 (結果) 不さい択すべきものと決した。 【所管部局からの報告事項】 環境部 ・富山市ねい斎場の休止 商工労働部 ・キャッシュレス決済ポイント還元事業(第3弾)の実施結果 ・コンパクトデリトヤマのスペースの撤去・改修 農林水産部 ・富山市公民館条例の一部改正に伴う農林水産部所管条例の一部改正等 建設委員会  土地取得の件(呉羽丘陵フットパス連絡きょう整備事業用地)など2件については、いずれも原案のとおり「可決」した。 【所管部局からの報告事項】 上下水道局 ・第2次富山市上下水道事業ちゅう長期ビジョン(後期計画)の見直し ・契約金額1億5,000万円以上の工事請負契約 建設部 ・親水広場の再整備 ・令和4年度道路除雪実施計画の概要 活力都市創造部 ・スマートシティーの実現に向けた都市的指標調査 ・富山高岡広域都市計画区域の区域区分(線引き)の見直し 正副議長および各委員会委員の構成につきましては、富山市議会ホームページ(議員、委員名簿)からご覧いただけます。また、富山市議会だよりの紙面に記載のコードからもアクセスできます。 決算関連議案ぶん 9月定例会終了後の閉会期間中に開催された予算決算委員会(全体会および各分科会)において、決算案件(3年度富山市一般会計歳入歳出決算など)を審査し、11月30日の本会議では、審査の経過と結果、審査の過程における要望等が報告されました。その内容の一部を掲載します。  3年度富山市一般会計歳入歳出決算など23件については、いずれも原案のとおり「可決」、「認定」した。 総務文教分科会  3年度富山市一般会計歳入歳出決算など3件について、審査した。 富山市人材育成アクションプラン策定           (委員からの要望) 本アクションプランについては、ワーク・ライフ・バランスの一層の推進を観点として、富山市特定事業主行動計画の内容と共通していることから、職員研修じょと職員課が今以上に連携を強化し、取組別実施計画を年度ごとに全ての取組項目の進捗を分析し、じ年度に向けて改善・実施に努められたい。 スクールサポーター配置事業等              (委員からの要望) いじめや不登校対応などにより、学校現場からスクールサポーターおよびスクールカウンセラーの増員、また、校内適応指導教室指導員の配置等を望む声が上がっていることから、定年延長の人材活用を含めて、適正な配置人数となるよう、計画的な体制強化を図られたい。 シティースケープへの広告掲出費用(企画管理部所管分)   (反対意見の表明) シクロシティ株式会社のシティースケープに対し、企画管理部所管分で約2,000万円、市民文化事業団から約1,268万円の掲出費用が支出されている。  これは、シクロシティ株式会社が平成21年10月に富山市と交わした契約書の中に、年間基本金額1,500万円を業務の対価として富山市が支払うという取り決めがあったものであり、3年に情報公開請求をして初めて分かった。このことは、議会には一切説明がされてこなかった。広報やガラス作品展示に関して、もっと効果的でいい方法があると考える。  シクロシティ株式会社は東京都内に所在し、その本体はフランスの大手広告企業である。市民の税金を海外大手企業に流出させるのではなく、地域で経済循環する事業の方法を検討すべきと考えている。  したがって、こうした契約に基づく支出を続けてきたことについては、認定できない。 (賛成意見の表明) シティースケープ等を活用した広告について、統一的な規格やデザイン、景観などを考慮し、厳正にデザインを審査することでデザイン性を高めることができる。また、LED照明により夜間における視認性も良く、広告効果は高い。  このシティープロモーションの効果は、市民にも伝わっているものと考えている。  これらを踏まえながら、個々の案件に各部局の担当課がしっかりと必要性や効果を精査した上で委託していることから、この広告料等の支出については適正であると考える。 厚生分科会  3年度富山市一般会計歳入歳出決算など7件について、審査した。 ひとり親家庭学習支援事業                (委員からの要望) 当事業の目的は、「児童の学習習慣と基礎学力の定着を図り、貧困の連鎖を断ち切ること」である。  少しずつ効果が出ているとのことだが、子どもたちが向上しんを持って、さらに高みを目指していけるような思いの持てる事業となるよう、努められたい。 非行防止推進事業                    (委員からの要望) 市の補導委員と県警の補導員の活動は、街頭補導を実施している点において活動が共通しているとのことだが、事業の内容がちょう複しているのであれば、市の方から積極的に県警に対して事業の整理を提案するよう図られたい。 経済環境分科会  3年度富山市一般会計歳入歳出決算など7件について、審査した。 エゴマ6次産業化推進事業                (委員からの要望) 環境未来都市とエゴマの6次産業化のかんけい性が分かりづらいため、本事業を継続する場合には、このまま環境施策として続けていくことが妥当なのかどうかも含めて、抜本的な見直しを検討されたい。 商工業振興資金等貸付事業                (委員からの要望) 高度化事業資金等は、市が使いやすい制度を設けることで、富山市の企業のさらなる優位性につながると考えており、3年間利用実績がない一部の融資制度については、要件等の見直しを検討されたい。 建設分科会  3年度富山市一般会計歳入歳出決算など9件について、審査した。 道路維持補修事業                    (委員からの要望) 区画線は経年劣化などがあるため、補修および新設がどの程度の規模になるかという計画が立てにくい事業とのことだが、ある程度計画を立てて、みえる形で予算を計上して取り組まれたい。 高山本線活性化事業                   (委員からの要望) 新型コロナウイルス感染症の影響により、JR高山本線の乗車人数がいったん落ち込んでは いるが、徐々に利用者は増えているとのことである。  本事業はぜひ継続させ、公共交通沿線のまちづくりと併せて住民の方々と一緒によりよいものにしてほしい。