逼迫した財政見込み

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ページ番号1003077  更新日 2023年1月6日

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1.財政調整基金、減債基金の残高の推移

表:財政調整基金、減債基金の残高の推移


  1. 財政調整基金と減債基金の平成15年度末の合計残高は、平成15年度中の補正予算に充てるための取崩しを考慮しない場合であっても、平成12年度末残高の35.4%に減少する見込みである。
  2. 基金全体でも、平成15年度末の残高は、平成12年度末残高の55.3%になる見込みである。

2.一般会計の決算剰余金の推移

表:一般会計の決算剰余金の推移


  1. 平成10年度決算は、基金からの繰入金がなかったが、23億余円の黒字決算となっていた。
  2. 平成14年度決算の実質収支は、平成13年度とほぼ同額の3億円余りとなる見込みであるが、基金からの繰入金が、平成13年度は13億余円であるのに対して、平成14年度は28億余円である。
    この基金からの繰入金を除いた場合の実質収支は、平成13年度は10億余円の赤字であるのに対し、平成14年度はその倍以上の24億余円の赤字である。

3.市税等の推移

表:市税等の推移


  1. 平成10年度の市税等合計の決算額は650億余円であったが、平成15年度当初予算では、この平成10年度決算額に対して、率で約10%減、金額で63億余円減の587億余円を見積もっているところである。
  2. しかし、平成15年度の賦課額決定後の最新の税収見積りでは、本年度の税収は、固定資産税及び都市計画税では、当初予算額に対して1億1千万余円の増収になるものの、賞与を中心とした給与所得額の落ち込みが主な原因で、個人市民税では、当初予算額に対して4億8千万余円の減収になるものと見込まれる。
    また、これまで市町村分とされていた地方道路譲与税の一部が、税制改革の一環として都道府県分に移行されたため、当初予算額に対して9千万余円の減収になるものと見込まれる。
    これらの影響により、平成15年度の市税等合計の収入見込みは、当初予算額を4億5千万余円下回る582億余円になるものと見込まれる。
    (この金額は、平成14年度決算と比較しても25億余円の減収になる。)

4.財政状況が逼迫した原因

  1. まず歳入の面においては、
    1. 長引く景気の低迷や、最近のデフレ経済の進行、少子化・高齢化による生産年齢人口の減少、さらには地価の下落等の影響により、歳入の太宗を占める市税が大幅な減収となっていること
    2. 国税収入の一定率を主な原資としている地方交付税も、この原資である国税収入の減収を背景として抑制されてきたこと
    3. ギャンブル離れの影響により、競輪事業収入が大きく落ち込んでいることなどが原因となっている。
  2. また、歳出の面においては、
    1. 短期間で下水道整備を進めたことに伴い、一般会計から下水道会計への繰出金が急増したこと
    2. 少子高齢化の進行や、長引く景気低迷の影響などに伴い、各種福祉施策の対象者が増加したことにより、扶助費の伸びが大きいこと
    3. 数次の国の経済対策に呼応した公共事業の追加や、国体関連施設整備に伴い、公債費が増加したこと
    4. 新たな市民ニーズに対応した新規事業を実施してきたことなどが原因となっている。

5.平成16年度当初予算編成における収支見込

  1. 歳入では、市税においては、法人市民税は、企業業績の回復により増収が見込まれるものの、個人市民税は、給与所得の回復が遅くなるものと予測されることから減収になるものと見込まれる。また、固定資産税は、土地の下落傾向が続くと予測されることなどから減収になるものと見込まれる。
    また、地方交付税、国庫補助金については、税源移譲を含む「三位一体の改革」において、地方交付税総額を抑制するとともに、平成18年度までの3年間で補助金4兆円を削減し、この削減した補助金の8割のみ(義務的経費の補助金分を除く)を税源移譲する方向性が出されたことから、平成15年度の相当額と比べると、それぞれ減額になるものと見込まれる。
  2. 歳出では、引き続く景気低迷や少子高齢化の影響により、扶助費が大きく伸びる見込みであるほか、「総曲輪通り南地区市街地再開発事業」や「西町・総曲輪地区市街地再開発事業」が本格化するとともに、「北陸新幹線整備事業」や富山港線の路面電車化を含む「富山駅周辺地区南北一体的なまちづくり事業」を推進する必要があることから、これらの事業費が大きく伸びることが見込まれる。
  3. これらのことを前提とし、現在の事業をそのまま継続して実施すると仮定した場合、平成16年度当初予算においては、相当額の一般財源が不足するものと見込まれる。

6.今後の対応等

  1. 以上のように、本市の現在の財政状況は、大変逼迫した状況にあり、このことを広く市民に理解していただき、市民と行政が一体となって歳出・歳入全般の抜本的な見直しに取り組む必要がある。
  2. 見直しの方向性としては、まず、歳入においては、
    1. 市税等の課税客体の的確な把握と収納率の向上、
    2. 受益者負担の適正化の観点から、使用料・手数料等の見直し、参加者負担金の導入
    3. 国・県の動向に留意のうえ、補助金の確保
    4. などに努める必要がある。
  3. また、歳出においては、
    1. 一層の経費の節減合理化
    2. 民間委託の推進
    3. 事業実施時期の見直し
    4. 市民から真に必要とされる行政サービスの選択と、事務事業の見直しによるスクラップ・アンド・ビルドの実施
    5. 外郭団体とその事業内容の見直し
      などに取り組み、限られた財源の重点的かつ効率的な配分に取り組む必要がある。

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