下水熱を利用した庁舎空調システム導入事業
1 事業の目的
脱炭素社会の実現に向けて
下水道事業は、地方公共団体の事務事業から排出される温室効果ガスにおいて大きな割合を占めることから、国土交通省では、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指し、下水道分野における温室効果ガスの排出削減や下水道の有するポテンシャルの活用に戦略的に取り組むこととしております。また、本市では、富山市環境基本計画においてエネルギーの地産地消を推進しており、これまで使われてこなかった下水道が持つエネルギーを有効活用することで、環境負荷の低減に取り組んでいます。
未利用エネルギーである下水熱の活用
下水熱は、脱炭素社会の実現に向けて有効活用が期待されている未利用エネルギーの一つで、牛島本町二丁目地内の上下水道局庁舎では、空調設備の老朽化(約30年経過)による更新時に、下水熱を利用した空調システム(下水熱空調システム)を導入しました。
2 事業の概要
下水熱空調システムの導入にあたり、平成28年に下水熱量の把握と費用対効果の検証を行い有効性を確認し、平成30年から施設の設計に着手、令和2年から工事を進め、令和4年12月から供用を開始しました。
下水の水温は、年間を通して安定しており、外気に比べて夏は冷たく、冬は暖かい特性があります。この下水の水温と外気との温度差(熱エネルギー)を利用し、空調設備の熱源として活用しています。



3 導入効果
令和5年度に下水熱空調システムの導入効果の検証を行い、下水熱空調システムの運転データ(R5)と導入前の空調システム(ガス吸収式冷温水機)の実績値(H29)との比較を行いました。
その結果、二酸化炭素排出量、ランニングコストともに導入前に比べ減少しており、下水熱空調システムの導入による効果が得られています。

4 下水熱の活用
下水熱は、空調、融雪などさまざまな用途への活用が見込まれることから、富山市では、市内全域の下水熱ポテンシャルの量と場所を示す「富山市下水道熱広域ポテンシャルマップ」を作成し、公開しています。
下水熱の活用は温室効果ガスやランニングコストの削減に寄与することから、施設の空調や給湯設備の新設および更新の際には、「下水熱を利用したシステム」もぜひ選択肢としていただくようお願いいたします。
関連情報
国土交通省HP 下水熱利用の推進に向けて(外部リンク)
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000458.html
ご意見をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
上下水道局 下水道課
〒930-0859 富山市牛島本町二丁目1番20号
電話番号:076-432-8792
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。