コンパクトなまちづくり
富山型コンパクトなまちづくり
1 背景と課題認識
(1) 人口減少と超高齢化
富山市では、総人口が2010年をピークに減少しており、さらには年少人口(0~14歳)及び生産年齢人口(15~64歳)が減少する一方で、老年人口(65歳以上)は増加することが見込まれています。
このため、生産年齢人口の減少による経済の縮小化や高齢化による医療費等の社会保障費の増加などが懸念され、持続可能な都市経営に向けた課題を抱えていました。
(2) 市街地の低密度化
富山市の市街地は富山平野の平野部に位置し、地形が平坦で、道路整備率も高く、戸建て志向の強さや自動車分担率の高さなどから、人口と世帯数の増加に伴い、市街地が郊外へと急速に拡大していきました。
このため、県庁所在地で最も低密度な市街地(人口集中地区内の人口密度)となったことで、道路の維持などに要する都市管理コストの増加や民間事業者によるサービス低下(拡大した市街地によるトラベルコストの増加など)が懸念されていました。
2 富山市が目指すコンパクトなまちづくり
人口減少と超高齢化の進行は、拡大した市街地を維持管理していくための税収減少を招くことにつながります。また、拡大した市街地の中で過度に自動車に依存した生活を送ることは、車を自由に使えない人にとって暮らしづらいまちが形成され、さらにはCO2排出量の増大などの環境への影響、歩く機会の減少による健康への影響などの様々な課題を招き、今後の高齢化の進展に伴って深刻化していくことが予想されます。
このことから、富山市では、地方都市としては恵まれた公共交通網が、富山駅を中心に放射状に各地域の拠点とネットワーク化されている環境を活かし、鉄軌道と運行頻度の高いバス路線を「串」、串で結ばれた駅やバス停などからの徒歩圏を「お団子」に見立て、「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」(お団子と串の都市構造)を目指しています。
3 コンパクトなまちづくりを実現するための3つの柱
コンパクトなまちづくりを実現するための都市整備事業の柱として、次の3つを掲げています。
(1) 公共交通の活性化
公共交通は、通勤や通学、買い物などの生活の足としてはもちろん、高齢者の外出機械の創出やCO2排出の削減など、今後のまちづくりに必要な「まちの装置」として大変重要なものです。富山市では、早くから公共交通を「公共財」であるという考え方から、交通事業者等との協働により、活性化に取り組んでいます。
(2) 公共交通沿線への居住誘導
公共交通沿線への居住誘導を図ることは、商業や医療などの都市機能を維持することや適切なインフラマネジメントを実現する上で重要なものです。一方で、人口減少下においては、従来型の規制的手法によって居住誘導を図ることは馴染まないため、市民が公共交通沿線か郊外かを選択できるようにしながら、沿線の魅力や価値を高め、中長期的に公共交通沿線を選択していただけるよう、誘導的手法を基本姿勢として取り組んでいます。
(3) 中心市街地の活性化
中心市街地は、富山市が進めるコンパクトなまちづくりの「お団子の核」となります。各地域での拠点づくりを進める上で、最も都市機能が集積した中心市街地から取り組むことで、公共投資を呼び水とした民間投資を促すとともに、そこで生まれた大きな税収を市全体の行政サービスや拠点づくりに活かし、持続的な都市経営の実現や市全体の活力向上を目指しています。
4 コンパクトなまちづくりの実現に向けた取組み
これまでの背景や課題認識、それを踏まえたコンパクトなまちづくりの考え方、実現に向けた具体的な取組みについては「富山市都市整備事業の概要」という冊子でご紹介しています。
富山ライトレールの整備や南北接続事業をはじめとする公共交通の活性化や、居住誘導の実現に向けた支援事業、中心市街地の活性化を図るためのグランドプラザやトランジットモールなどの取組みなどを、各事業の概要から効果に至るまでとりまとめています。多岐にわたる「富山型コンパクトなまちづくり」の入り口として、ぜひご覧ください。
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活力都市創造部 都市計画課
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