定例記者会見 令和7年4月1日
- 日時 令和7年4月1日(火曜日)13時10分から13時55分まで
- 場所 市庁舎東館802会議室
発表項目
1.「富山市合併20周年」について(企画管理部 企画調整課)
2. 髙橋禎彦氏の富山ガラス工房館長委嘱について(企画管理部 文化国際課)
3. ガラス美術館 開館10周年記念事業等について(企画管理部 ガラス美術館)
4. 授乳室やおむつ交換スペース等の情報発信について(こども家庭部 こども支援課)
5. 紙類の分別品目変更について(環境部 廃棄物対策課)
記者会見の内容
発表項目
「富山市合併20周年」について
【市長】
平成17年4月1日に、1市4町2村が合併して富山市が誕生して、20年経ちました。
節目を迎えた今年度、市民の皆さんとこのことをお祝いするとともに、新たな飛躍と発展に向けた契機とするため、記念式典や記念の特別事業など、1年を通じて様々な行事を行っていきたいと考えております。
まずは、記念のロゴマークについてであります。
本日の記者会見から、私の後ろのバックボードを変更しておりますが、今回、合併20周年を記念するロゴマークを新たに制作いたしました。
デザイン職種で採用をいたしました市職員5名で構成いたしますタスクフォースが、「上質な富山市をシンプルにわかりやすく、若い世代の方にも伝わりやすいデザイン」をコンセプトとして、このロゴマークを作成したわけであります。
今年度、セントラムのラッピングやバナーフラッグなど、様々な媒体でこのロゴを使用し、合併20周年の周知と、市民の皆さんと合併20周年をお祝いする機運を高めてまいりたいと考えております。
なお、早々ですが、本日から大和百貨店南側の壁面に、「AMAZING TOYAMA」とコラボレーションした巨大バナーフラッグを掲出しております。
次に、合併20周年を記念して実施する4つの特別事業について申し上げます。
1つ目が、「スタンプ・アンド・クイズラリー」です。
本市には、市の歴史を紹介する施設がたくさんありますが、その施設を巡っていただくことで、本市の歴史を楽しく学んでいただきたいと考えております。
2つ目は、「フォトモザイクアート」です。
フォトモザイクアートとは、たくさんの写真を組み合わせて、一つの大きな作品にするものです。
今回は市民の皆さんから、本市の好きなモノ・コトなどの写真を募集し、それらを組み合わせて本市の代表的な風景の作品を作成し、記念式典などで展示いたします。
3つ目は、「体験型講座」です。
本市の未来を担う子ども達の成長を促すとともに、本市に愛着を持ってもらうことを目的とする事業です。
具体的には路面電車の運転手体験、あるいは、寿司職人体験など、本市ならではの本物に触れることができる体験講座の実施を予定しております。
この3つの事業につきましては、平成17年度の合併時に入庁した職員8名から成るタスクフォースにおいて、これまで20年の歩みを未来へつなぐことを目的として、「過去」「現在」「未来」をテーマに企画をしております。
最後の4つ目は、市民の皆さんから、「これまでの20年、これからの20年」をテーマに想いを募集いたしまして、それをステッカーにして、城址公園南側と富山駅南口広場にあるAMAZING TOYAMAのモニュメントを装飾するというものであります。
事業の詳細につきましては随時お知らせいたしますので、市民の皆さんにはぜひ参加をいただきたいと考えております。
なお、これらに加えて、「全日本チンドンコンクール」や「富山まつり」などの既存事業に、「合併20周年記念」の冠を付す、「冠事業」を、現時点で45事業を実施することとしております。
最後に記念式典でありますが、本年10月19日、日曜日に、オーバード・ホール/中ホールでの開催を予定しております。
式典では、市長と本市ゆかりの各分野の署名人の方々とのパネルディスカッションなどを予定しております。
開催時期が近づきましたら、改めて皆様にお知らせいたします。
今年度、様々な取組を通じて、市民の皆さんと共に合併20周年という節目を祝い、今後の富山市のさらなる発展の起点となる、そんな1年としてまいりたいと思いますので、皆様方のご協力をよろしくお願いいたします。
「富山市合併20周年」について
【市長】
このたび、日本を代表するガラス造形作家であります、髙橋禎彦(たかはしよしひこ)さんに、5月1日付けで富山ガラス工房の館長に就任いただくことになりましたので、お知らせいたします。
髙橋さんは、世界の現代ガラス界で、創造力と技術力において非常に高く評価をされている作家です。
本市が進める「ガラスの街とやま」の確固たる実現に向けて、そのカリスマ性を大いに発揮していただきまして、国内外へのさらなる情報発信を牽引していただきたいと考えております。
また、ガラス造形研究所、ガラス工房、ガラス美術館の連携を一層強化いたしまして、「グローバルな発展」や「産業化の推進」といった取り組みを進める上で、その柔軟な視点や専門的なノウハウを活かし、「ガラスの街とやま」の新たなステージに貢献していただくため、このたび新館長にご就任いただくということでございます。
髙橋さんには、ガラス造形における実力はもちろん、ガラスにおける深い知識や技術力、そして、求心力の強いキャラクターを活用し、昨年、創立30周年を迎えたガラス工房におきまして、富山ガラスの活性化や、新商品の開発、販路の開拓にもご尽力をいただきたいと考えております。
また、世界最大規模のガラス美術館であります、アメリカ・ニューヨーク州のコーニング・ガラス美術館のスタジオや、スクールとの人的・ビジネス交流等に関しましても、その国際的な人脈を生かし、新たな展開を促進していただきたいと考えております。
加えて、工房の若手作家や、造形研究所の学生の技術向上や独立におきましても、ご自身の経験からご助言をいただき、富山ガラスの深化、ガラス作家の本市における継続的な活動に関するご支援を総合的にいただきたいと思っております。
髙橋さんは、東京都ご出身で、現在、ご自宅のある神奈川県相模原市で工房を構えられ、ガラス造形作家としてご活躍をされております。
ご自身の工房での制作活動に併せ、さまざまな教育機関で指導された後、平成21年から令和4年度まで、多摩美術大学で教鞭をとられ、ガラス制作に関わる人材育成に注力してこられました。
平成23年、存命作家では唯一、東京国立近代美術館工芸館で個展を開催されたほか、本市では、令和3年にガラス美術館において「髙橋禎彦playtime」として個展を開催されました。
令和5年には、同美術館で開催された「ガラスの街とやま連携」展において、工房が開発いたしましたオリジナル色ガラス富山曼荼羅彩を使いまして、髙橋さんも工房作家とともに協働で制作した作品を発表されました。
また、髙橋禎彦さんの作品は、富山市ガラス美術館に所蔵されている他、国内外の多くの著名な美術館にも所蔵されております。
5月2日、金曜日に委嘱状を交付し、その後、工房作家とともに協働制作に取り組んでいただく予定としており、詳細については改めてご案内を申し上げます。
髙橋さんには、大局的な視点で、市民の皆さんに富山ガラスの「美しさ」と「豊かさ」を伝えるとともに、「2025年に行くべき52か所」に選ばれた、この追い風を生かし、「ガラスの街とやま」として国内外への発信を強く推進していただきたいと考えております。
ガラス美術館 開館10周年記念事業等について
【市長】
富山市ガラス美術館は、本年8月22日に、開館10周年を迎えます。
開館以来、ガラス美術館を訪れた方は約180万人、そして、これまでに42本の企画展が開催されました。
本日は、令和7年度に実施予定の10周年記念事業などについて、皆様にご紹介いたします。
初めに、開館10周年を契機に制作いたしました。ガラス美術館の新しいロゴマークを紹介いたします。
これまで、ガラス美術館が入居する、再開発ビルの愛称であります「TOYAMAキラリ」を表したロゴマークを使用しておりましたが、このたび、美術館単体のロゴマークを制作することといたしました。
新しいロゴマークは、ガラスが持つ「透明性」という特徴を表現しており、また、美術館の特徴でもあります、印象的な建築意匠を想起させるデザインとなっております。
また、このロゴマークは、これまで親しまれてきた「TOYAMAキラリ」のロゴマークと調和するデザインであり、今後は、この二つのロゴマークを使い分けながら、効果的な広報につとめ、美術館の魅力や活動を、より強力に国内外に発信し、認知度のさらなる向上を目指してまいりたいと考えております。
次に、開館10周年記念事業をご紹介いたします。
令和7年度は、開館10周年記念として、ご覧の3本の企画展を皆様にお届けする予定としております。
展覧会の詳細につきましては、開催時期が近づいてまいりましたら、改めてご案内いたします。
続きまして、開館10周年記念イベントをご紹介いたします。
8月22日の開館記念日には、来館されました皆様に、記念品としてガラスの小物を配布させていただきます。このほか、学芸員によるギャラリートークなどのイベントを開催いたします。
さらに、11月には、TOYAMAキラリの設計を手掛けた隈研吾氏や、世界最大のガラス美術館であります、アメリカのコーニング・ガラス美術館の館長等をお招きいたしまして、「開館10周年記念シンポジウム」を開催することとしております。
このように、年間を通して様々な事業を展開し、一人でも多くの市民の皆様に、ガラス美術館を楽しんでいただけるようにしていきたいと考えております。
授乳室やおむつ交換スペース等の情報発信について
【市長】
本市では、子育て世帯が外出しやすい環境づくりに向けた取組として、外出先でスマート・フォンからいつでも授乳室やおむつ交換スペース等を検索・確認できるよう、本市の子育てサイト「育さぽとやま」の「子育て施設マップ」に、新たに情報を掲載いたしました。
令和6年度に調査を実施した、市の施設83か所、市中心部の民間施設28か所を掲載しております。
「子育て施設マップ」の画面で検索いただきますと、「リスト表示」と「地図表示」のどちらでも施設を確認することができます。
施設を個別に見たい場合は、施設を選んでいただきますと、このような画面が表示されます。住所・電話番号、地図情報のほか、各施設にある授乳室やおむつ交換スペース等の情報について、詳しく掲載しております。
子育て世帯の外出の一助として、この「子育て施設マップ」を広くご利用いただきたいと考えております。
なお、授乳室やおむつ交換スペース等のある施設につきましては、今年度も引き続き調査を実施し、充実を図っていくこととしております。
市担当課にご連絡いただければ、随時、情報掲載をさせていただきますので、市内の民間商業施設等の皆様には、是非とも、情報提供いただきたいと考えております。
紙類の分別品目変更について
【市長】
本日4月1日から、紙類の分別品目のうち、菓子箱や包装紙などの「紙製容器包装」を、「雑誌・雑誌(ざつがみ)」に含めて出せるように、変更いたしました。
ご覧のとおり、これまでそれぞれで分別していたものが、雑誌の間に挟んだり、紙袋に入れてまとめて出せるようになりますので、分別時の皆様の負担の軽減や紙類全体の回収量の増加につながることを期待しております。市民の皆様には、今回の変更を機に、資源集団回収や紙類地区回収において、より一層の分別とリサイクルの推進にご協力をいただきますようお願いいたします。
新任の地域づくりマネージャーについて
【市長】
平成26年3月にANAグループと締結した「富山市シティプロモーション推進事業に関する協定」に基づきまして、同年4月から、ANAグループから社員の方が、「地域づくりマネージャー」として常駐派遣されておりまして、グループのブランド力やネットワークを生かした本市の認知度向上、シビックプライドの醸成につながる様々な事業を実施していただいております。
この度、4月1日、今日から6代目の「地域づくりマネージャー」として、新たに就任されることになりました、久野 明美(くの あけみ)さんをご紹介いたします。
これまでの地域づくりマネージャーは客室乗務員でありましたが、久野さんは旅行造成・販売部門のスペシャリストであり、アメリカ・ヨーロッパをはじめとした海外旅行におけるツアーコンダクターとしての経験が豊富であります。
それでは、挨拶をお願いいたします。
地域づくりマネージャー久野さんの挨拶
久野さんには、これまでの豊富な経験を活かし、ちょうど(本市は)ニューヨーク・タイムズ「2025年に行くべき52か所」に選ばれ、世界から注目されておりますので、ぜひあらゆる方面に本市の魅力を発信していただければ幸いであります。
令和6年度「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」の選定について
【市長】
スポーツ庁及び経済産業省では、まちづくりや地域活性化の核となるスタジアム・アリーナの実現のため「スタジアム・アリーナ改革」に取り組んでおられます。
この改革のモデルとなる「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」として、これまで19拠点が選定されてきましたが、この度、富山市総合体育館が選定されました。
評価されたポイントといたしましては、市の総合体育館では、現在、Rコンセッション事業を進めているところでありますが、まずは、国内のスタジアム・アリーナでは初めてとなるRコンセッション(Rehabilitate+公共施設運営権)方式を導入していることが1つのポイントであります。
もう1つのポイントは、改修完了後は、富山グラウジーズのホームアリーナとしてBプレミアの興行が開催される一方、平常時には、これまで通り、市民スポーツの場として大いに利用していただくということから、「みる」スポーツと「する」スポーツの共用型アリーナとして、日本全国のロールモデルになるという点でございます。
本事業により、ネーミングライツパートナーが決定し、総合体育館は先般発表させていただきました通り「YKK AP ARENA」として生まれ変わります。
VIPルームの設置や、座席数の増席といったBプレミア基準に対応した改修によりまして、より質の高いエンターテイメントが提供できるようになるということに加え、天井の改修や空調・水回りなどの設備の更新を行いまして、引き続き市民スポーツの中核施設として、皆様に、より安全に、かつ、快適に利用していただけるよう取り組んでまいります。今回の選定は、こうした本市の方針が評価されたものと嬉しく思っております。
なお、本件につきましては、スポーツ庁及び経済産業省のホームページに公表されておりますので、ご覧いただければ幸いであります。
質疑応答
【記者】
富山市は4月1日で合併20周年を迎えました。直近では「高齢者ふれあい入浴券事業」が市全域で統一されるなど地域差が解消された事例がある一方で、旧町村の山間部では人口減少により、学校運営など様々な課題に直面していると感じます。
今後のまちづくりの課題と、解決に向けた市の方向性をお聞かせください。
【市長】
令和4年度に、「富山市市町村合併検証委員会」において、一橋大学の辻先生に座長になっていただき、市町村合併の検証をいただきました。
この答申の中で、「少子・超高齢社会に対応できる持続可能な地域づくり」や、「急速な人口減少を鈍化させ一定程度の人口規模を維持する取組」といった課題が挙げられており、私も人口減少対策及び少子化対策が喫緊かつ本当に大きな課題であると考えております。
私は、市長就任以降、都市経営の視点に立ちまして、本市が約20年にわたって進めてまいりました「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」を深化させ、郊外や中山間地域、沿岸部にもその効果を波及させるため、市全体を俯瞰し、バランスのよい市政運営を行うように努めてまいりました。
つまり、市全域の均衡ある発展を心がけてきたということであります。
中でも、特に力を入れて取り組んできたのは、スマートシティ政策であります。
人口減少が進む中にありましても、市内のどこに住んでいても全ての世代がデジタル化による恩恵を享受でき、不安や不便さを感じることなく安心して、かつ、便利さを感じながら暮らせるよう、デジタル格差の是正や、中山間地域や郊外部における地域公共交通のAIオンデマンド化などに取り組んできたところであり、引き続き、「富山市版スマートシティ」の実現に向けた取組を進めてまいります。
なお、今年度から2か年をかけて、次期総合計画を策定することとしておりまして、庁内での部局横断による推進体制の構築を図り、人口減少や少子化対策の具体的な施策を検討するとともに、改めて、地域が抱える課題を整理した上で、その対応策についても計画に盛り込んでまいりたいと考えております。
本日で合併から20年が経ちましたが、市域の広い富山市の中でも、やはりまだ地域格差は一定程度あり、ますます過疎化が進んだり、不便さを感じるようになった地域がある一方、ますます便利さを感じる、公共交通が便利になった地域があるなど、様々な地域によって濃淡があると感じております。
それを解消するために、これまで実施してきた「コンパクトシティ政策」を私は引き継いでおりますが、現段階で、そのお団子と串の都市構造における団子の部分において、人口流入が進む一方で、新たに空き家や空き地が増えるといった新たな課題が散見されております。
これらのことから、関係人口の増大や移住などを含め、ありとあらゆる政策を導入し、人口減少対策に取り組んでまいりたいと思っております。
基本的な政策はぶれずに、今まで通り行っていくことだと思っております。
【記者】
公共交通に関して伺います。
富山地方鉄道の議論が進んでいます。新年度分科会で具体的な議論が始まると思いますが、改めて富山地方鉄道の議論について、どのように今後やっていきたいのか、現段階での方向性についての考えがあればお聞かせください。
【市長】
これまでの前提として、富山地方鉄道も相当の経営努力をされていると思います。また、収支だけを考えますと、走らせなくてもいい路線(赤字だとわかっている路線)も、公共交通事業者の使命として維持していただいていると評価させていただいています。
ただ、今般、やはりそれでは立ち行かなくなられたということに加え、運転士や運転手の確保が非常に困難になってきたということが大きな課題としてあると思っています。
(令和7年)3月議会においても、主に鉄道線のあり方についての議論が活発に行われました。
富山地方鉄道には、ぜひ地域の公共交通として残っていただき、鉄道線を維持していただきたいと常々思っています。その上で、立山線や本線、不二越上滝線を個別に見て、まちづくりの観点とミックスして活性化していけば、収支が合うような区間もありますし、生活路線としては完全に成り立たないが、観光路線として維持していただきたい区間ももちろん出てきます。
加えて、本線の並行区間をどうするのかといったことも含め、これからはまちづくりの観点と投資の観点を大事にしながら、富山地方鉄道の既存の鉄道線の存続やバス路線の存続に、協力していきたいと考えています。
【記者】
3月定例会の中で、不二越上滝線については、再構築も視野にというお話をされたと思うのですが、このことについて今後、具体的にどのようにお考えでしょうか。
【市長】
富山市としましては、これまで富山地方鉄道とは、富山港線を富山ライトレールとして成功した事例もありますし、環状線の活性化などについても共に取り組んできましたので、不二越上滝線につきましても、まちづくりや投資の観点から、周辺人口もある程度ありますので、どのように維持していけるかということを、再構築も含め早急に議論していきたいと思っています。
【記者】
今週末開催されるチンドンコンクールの撮影場所についてです。
昨年、平和通りで行われたパレードの際、市民とメディアの撮影場所が同じであったため、若干混乱がありました。このことから、今年は市民とメディアの撮影場所を分けたらどうでしょうか。
【市長】
担当課にそのようなご意見があったことをお伝えします。
【記者】
昨日、国が南海トラフ地震の新たな被害想定を更新し、最悪の想定ですと30万人近くの方が亡くなるというような想定が出たかと思います。
富山県は比較的被害が少なところに分類されるかと思いますが、この想定を受け、今後、防災力の強化などについてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。
【市長】
南海トラフ地震や首都直下の地震については、他人事ではないと思っています。
昨日の国の想定では、おそらく富山県も震度5程度であったと思いますが、大変多くの方々が北陸の方に避難してこられるということも想定できます。初期については、自衛隊などが援助に入っていただけるでしょうが、例えば、水道の復旧や電気・ガスの復旧、避難所開設のための人員配置、また、消防援助隊やDMATの派遣なども含め、かなり多くの援助体制の構築を我々がすぐに行わなければなりません。加えて、長期間に渡る避難者の方々の受け入れなどもあると思います。
そのようなことから考えますと、まず一つは、能登半島地震で経験したことを活かし、避難された方の受け入れ体制をしっかりと整えていきたいと思っています。
もう1点、本市は東京都調布市と「災害時相互応援協定」を締結しております。この協定に基づき、これまで双方の災害訓練に職員同士が参加しあったり、もし大規模な地震が起こった場合、どのように対応するかということについても話をしております。このことも含め、基礎自治体同士の直接の支援を、今後一層進めてまいりたいと思っています。
【記者】
地震関連でもう1点、今回の国の想定で、リスク分散の観点から、日本海側に防災拠点を置くことの重要性が改めて判明したかと思います。
新田知事が年末に防災庁などの政府機関の地方移転を要望されていますが、この動きについて、市長はどのように見られているかお聞かせください。
【市長】
防災庁の移転について、北陸富山が受け入れることについては、非常に賛成しております。能登半島地震がそうであったように、富山県も断層地震を受ける可能性はありますが、比較的自然災害の少ない県でありますし、富山市はアジア方面に面していることなども踏まえますと、防災庁はこの北陸富山にあった方が、安定的に自然災害のリスクも少なく、交通の便も良いことから、比較的良いのではないかと考えています。
【記者】
公設地方卸売市場に平和堂が進出する方向で協議が進んでいるとの報道がありましたが、事実関係についてお聞かせください。
【市長】
公設地方卸売市場については、大和ハウスに出店者の選定をお任せしているところであり、現時点ではまだ大和ハウスから報告を受けていません。5月頃には出店者の報告ができるのではないかということを、大和ハウスからお聞きしています。
本市からリクエストしていますのは、にぎわいの拠点となるような施設や市場との親和性の高い施設などが出店したら非常に良い、という話をしています。
【記者】
旧統一教会に解散命令が出たということについて、市長の受けとめをお聞かせください。
【市長】
解散命令が出たということで、裁判所の判断ではありますが、元信者の方々に対する寄付が甚だ大きかったり、被害を受けた人数、被害額ともに例のない膨大な規模の被害が生じたことなどから、解散命令に至ったと承知をしております。
この判断そのものについて、私自身、コメントする立場にはないと思っていますが、以前に申しました通り、旧統一教会及びその関連団体とは一切の関係を断つ、その考え方は今も変わっていませんので、しっかりとまた、その行く末を見ていきたいとは思います。
【記者】
先ほどの質問のお答えでありました、防災庁の話です。例えば今後、具体的に誘致に向けての動きや、県と一緒に誘致に取り組むなどの考えをお聞かせください。
【市長】
今は新田知事が旗を振って(誘致を)進めておられると思いますし、県議会が(誘致について)それは良いという形で表明されておりますが、我々も協力要請があれば、しっかりと協力してまいりたいと思います。なお、今のところまだ協力要請はありません。
【記者】
今回が1期目最後の会見になりますが、4年間市政に取り組んでこられた思いについてお聞かせください。
【市長】
コロナのときに私は市長に就任させていただいたのですが、集団接種をどのように実施するかというようなフェーズのときでありました。
ワクチンがいつ頃どれぐらい要るかということもわからない状況の中、報道関係の方々が市民の皆様にワクチンの安全性についての正しい報道をたくさんしていただいたことにより、ワクチン接種の推進に大きな役割を果たしていただいたと思います。このようなことも含め、感謝申し上げたいと思います。
また、一昨年は線状降水帯の影響により水害を被ったこともありましたし、その後、(令和6年)1月1日に(能登半島)地震が発生したということで、災害やパンデミックに対応しながら来たこの4年間だと思います。
そのこともあり、就任2年目には防災危機管理部を作り、防災や危機管理事象などへの対応を一元管理していくこととしました。
おかげさまで、市の(組織)全体に横串を刺すことができたといいますか、防災危機についてはこの課に任せればいいというものではなく、自分の部局としてもやるべきことがあるということを、職員が皆共通認識として持つようになってきたと思っています。
ですから、市民の皆さんも含め、市役所内の防災対応能力は確実に上がってきていると感じています。
また、「コンパクトシティ政策」の次のステージを進めていくことが、私の大きな役目であります。
今は人口減少社会に入っているものの、コロナ禍の2年間を除けば、この10年ほどで流入超過になっていますので、しっかりと選ばれるまちをつくっていく必要があるということです。
コンパクトシティ政策の効果については、これまで皆さんに見ていただいたとおり、地価が上がり、税収が右肩上がりで増えることで、市域全体に政策的な経費として還流できる仕組み、いわゆる税の還流ができています。このようなことをこれからもしっかりと取り組んでいき、例えば公共交通や中心市街地を活性化させ、にぎわいの創出にも取り組みながら、郊外の拠点についても、先ほどありました過疎化というご指摘の通りなのですが、郊外では疲弊しているところが何ヶ所かありますので、例えば沿岸部でもしっかりとした拠点、それは駅やバス停が拠点となるかもしれませんし、地区センターが拠点となるかもしれませんが、地域によって郊外部の拠点をしっかり作っていく。
その手始めとして、再選することができれば、南富山などの郊外の大きな拠点にまず着手していくということになると思っています。
いずれにしましても、市の各般の政策、SDGsや環境未来都市、環境モデル都市などを含め、しっかりと取り組んでいかなければならないと感じ、またそうしてきたような4年間でした。
※発言内容を一部整理して掲載しています。・・・富山市広報課
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