所得控除
所得控除は、納税者の方に配偶者や扶養親族があるかどうか、また、病気や災害などによる出費があるかどうかなど、個人的な事情を考慮して、その納税者の方の実情に応じた税負担を求めるために所得金額から差し引くこととなっています。
1.雑損控除
災害等により日常生活に必要な財産に損害を受けた場合
1.(損失の金額-保険等により補てんされた額)-(総所得金額等×10%)
2.(災害関連支出の金額-保険等により補てんされた額)-5万円
2.医療費控除
(1)本人や本人と生計を一にする親族の医療費を支払った場合
【限度額200万円】
令和5年度(令和4年分)以後
(2)次のいずれかの取り組みを行い、本人や本人と生計を一にする親族が特定の医薬品を購入した場合
- 定期健康診断
- 予防接種
- がん検診
- 特定健康診査
- 健康診査
【限度額8万8千円】
平成30年度(平成29年分)から令和4年度(令和3年分)まで
(2)次のいずれかの取り組みを行い、本人や本人と生計を一にする親族がスイッチOTC医薬品を購入した場合
- 定期健康診断
- 予防接種
- がん検診
- 特定健康診査
- 健康診査
【限度額8万8千円】
※(1)と(2)は選択適用です。
3.社会保険料控除
本人や本人と生計を一にする親族の社会保険料(国民健康保険、国民年金、介護保険等)を支払った場合
4.小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済制度に基づく掛金、確定拠出年金法に基づく企業型年金加入者掛金もしくは個人型年金加入者掛金(iDeCoの掛金など)または心身障害者扶養共済制度に基づく掛金を支払った場合
5.生命保険料控除
(1)平成24年1月1日以後に締結した保険契約等(新契約)の場合
支払保険料の金額 | 控除額 |
---|---|
12,000円以下 | 支払額の全額 |
12,000円超32,000円以下 | 支払額×1/2+6,000円 |
32,000円超56,000円以下 | 支払額×1/4+14,000円 |
56,000円超 | 28,000円 |
(2)平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(旧契約)の場合
支払保険料の金額 | 控除額 |
---|---|
15,000円以下 | 支払額の全額 |
15,000円超40,000円以下 | 支払額×1/2+7,500円 |
40,000円超70,000円以下 | 支払額×1/4+17,500円 |
70,000円超 | 35,000円 |
※新契約と旧契約の両方の契約をされている方は、「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」について、次のいずれかの計算方法があります。
(ア)新契約のみで申告:(1)の方法で計算(限度額28,000円)
(イ)旧契約のみで申告:(2)の方法で計算(限度額35,000円)
(ウ)新旧両方の契約で申告:(1)(2)のそれぞれの方法で計算(限度額28,000円)
6.地震保険料控除
(1)契約が地震保険の場合
(2)長期損害保険の経過措置に該当する場合(平成18年12月31日までに締結した契約であり、保険期間や共済期間が10年以上でかつ満期返戻金の特約のあるもの)
支払保険料の金額 | 控除額 |
---|---|
5,000円以下 | 支払額の全額 |
5,000円超 15,000円以下 | 支払額×1/2+2,500円 |
15,000円超 | 10,000円 |
(1)と(2)の両方がある場合
※一つの損害保険契約で、地震保険契約と長期損害保険契約のいずれにも該当する場合は、(1)または(2)のどちらか一方の控除しか受けられません。
7.障害者控除
本人及びその同一生計配偶者(※)又は扶養親族が障害者の場合
(社会福祉事務所長の認定を受けている方を含みます。)
※同一生計配偶者(平成30年度までは控除対象配偶者)とは、納税者の配偶者でその納税者と生計を一にするもの(事業専従者を除く。)のうち、前年の合計所得金額が48万円(令和2年度までは38万円)以下である者をいいます。
種類 | 控除額 |
---|---|
普通障害 | 1人につき26万円 |
特別障害 |
1人につき30万円 |
特別障害でかつ同居 |
1人につき53万円 |
8.寡婦・ひとり親控除
令和3年度(令和2年分)以後
寡婦控除
次の1から3のいずれにも当てはまり、下記「ひとり親控除」の対象とならない場合
1.合計所得金額が500万円以下であること
2.次のいずれかに該当すること
ア.夫と死別した後婚姻をしていない方または夫が生死不明などの方
イ.夫と離別した後婚姻をしていない方で、扶養親族を有する方
3.事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる方(住民票の続柄に「夫(未届)」、「妻(未届)」などの記載がある方)がいないこと
種類 | 控除額 |
---|---|
寡婦控除 | 26万円 |
ひとり親控除
現に婚姻していないまたは配偶者が生死不明などで、次の1から3のいずれにも当てはまる場合
- 合計所得金額が500万円以下であること
- 総所得金額等が48万円以下の生計を一にする子(他の所得者の同一生計配偶者や扶養親族とされている方を除く)がいること
- 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる方(住民票の続柄に「夫(未届)」、「妻(未届)」などの記載がある方)がいないこと
種類 | 控除額 |
---|---|
ひとり親控除 | 30万円 |
令和2年度(令和元年分)以前
寡婦控除
次のいずれかに該当する場合
- 夫と死別(離婚)した後婚姻していない人あるいは夫の生死が不明な人で、扶養親族又は生計を一にする子(前年中の総所得金額等の合計額が38万円以下)のある人
- 夫と死別後婚姻していない人あるいは夫の生死が不明な人で、前年中の合計所得金額が500万円以下の人
種類 | 控除額 |
---|---|
寡婦控除 |
26万円 |
特別寡婦控除
夫と死別(離婚)した後婚姻していない人あるいは夫の生死が不明な人で、扶養親族である子を有し、かつ前年中の合計所得金額が500万円以下の場合
種類 | 控除額 |
---|---|
特別寡婦控除 | 30万円 |
寡夫控除
妻と死別(離婚)した後婚姻していない人あるいは妻の生死が不明な人で、生計を一にする子(前年中の総所得金額等が38万円以下)のある人で、かつ前年中の合計所得金額が500万円以下の場合
種類 | 控除額 |
---|---|
寡夫控除 | 26万円 |
9.勤労学生控除
前年中、自己の勤労に基づく給与所得等があり、前年中の合計所得金額が75万円以下(令和2年度までは65万円)で、そのうち給与所得等以外の所得金額が10万円以下の学生の場合
種類 | 控除額 |
---|---|
勤労学生控除 |
26万円 |
10.配偶者控除
平成31年度(平成30年分)以後 ※令和3年度以後は配偶者所得要件が改正
控除を受ける納税者本人の前年中の合計所得金額が1,000万円以下で、生計を一にする配偶者の前年中の合計所得金額が48万円(令和2年度までは38万円)以下の場合
※老人の場合は70歳以上(前年の12月31日現在)
※事業専従者を除く
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 |
||||
---|---|---|---|---|
900万円以下 |
900万円超 |
950万円超 |
1,000万円超 |
|
一般 |
33万円 | 22万円 | 11万円 | 控除なし |
老人 |
38万円 | 26万円 | 13万円 | 控除なし |
※なお、平成31年度(平成30年分)以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除の適用は受けられません。
平成30年度(平成29年分)まで
生計を一にする配偶者で、前年中の合計所得金額が38万円以下の場合
※老人の場合が70歳以上(前年の12月31日現在)
※事業専従者を除く
種類 | 控除額 |
---|---|
一般 | 33万円 |
老人 | 38万円 |
国外居住親族の配偶者控除についての必要書類は、以下リンクをご確認ください。
11.配偶者特別控除
令和3年度(令和2年分)以後
控除を受ける納税者本人の前年中の合計所得金額が1,000万円以下で、生計を一にする配偶者の前年中の合計所得金額が48万円超で133万円以下の場合
※事業専従者及び他の扶養親族でない配偶者
配偶者の合計所得金額 |
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 |
|||
---|---|---|---|---|
900万円以下 |
900万円超 |
950万円超 |
1,000万円超 |
|
48万円超~100万円以下 | 33万円 | 22万円 | 11万円 |
|
100万円超~105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | |
105万円超~110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | |
110万円超~115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | |
115万円超~120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | |
120万円超~125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | |
125万円超~130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | |
130万円超~133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | |
133万円超 |
控除なし |
平成31年度から令和2年度まで(平成30年分から令和元年分まで)
控除を受ける納税者本人の前年中の合計所得金額が1,000万円以下で、生計を一にする配偶者の前年中の合計所得金額が38万円超で123万円以下の場合
※事業専従者及び他の扶養親族でない配偶者
配偶者の合計所得金額 |
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 |
|||
---|---|---|---|---|
900万円以下 |
900万円超 |
950万円超 |
1,000万円超 |
|
38万円超~90万円以下 | 33万円 | 22万円 | 11万円 |
控除なし |
90万円超~95万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | |
95万円超~100万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | |
100万円超~105万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | |
105万円超~110万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | |
110万円超~115万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | |
115万円超~120万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | |
120万円超~123万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | |
123万円超 |
控除なし |
平成30年度(平成29年分)まで
控除を受ける納税者本人の前年中の合計所得金額が1,000万円以下で、生計を一にする配偶者の前年中の合計所得金額が38万円超で76万円未満の場合
※事業専従者及び他の扶養親族でない配偶者
配偶者の合計所得金額 | 配偶者特別控除額 |
---|---|
38万円超45万円未満 | 33万円 |
45万円以上50万円未満 | 31万円 |
50万円以上55万円未満 | 26万円 |
55万円以上60万円未満 | 21万円 |
60万円以上65万円未満 | 16万円 |
65万円以上70万円未満 | 11万円 |
70万円以上75万円未満 | 6万円 |
75万円以上76万円未満 | 3万円 |
76万円以上 | 控除なし |
国外居住親族の配偶者特別控除についての必要書類は、以下リンクをご確認ください。
12.扶養控除
生計を一にする親族で、前年中の合計所得金額が48万円(令和2年度までは38万円)以下の場合
※年齢は前年の12月31日現在で判定
※事業専従者を除く
扶養控除の対象額 |
控除額 |
---|---|
19歳以上23歳未満 | 1人につき45万円 |
70歳以上 | 1人につき38万円 |
70歳以上でかつ同居 | 1人につき45万円 |
16歳以上19歳未満 23歳以上70歳未満 | 1人につき33万円 |
国外居住親族の扶養控除についての必要書類は、以下リンクをご確認ください。
13.基礎控除
控除を受ける納税者本人の前年中の合計所得金額により、下表のとおり基礎控除が適用されます。
合計所得金額 | 令和3年度以後 | 令和2年度以前 |
---|---|---|
2,400万円以下 | 43万円 |
33万円 |
2,400万円超 2,450万円以下 | 29万円 | |
2,450万円超 2,500万円以下 | 15万円 | |
2,500万円超 | 適用なし |
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