定例記者会見 令和5年7月14日

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ページ番号1013275  更新日 2023年8月3日

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  • 日時 令和5年7月14日(金曜日)13時10分から14時まで
  • 場所 市庁舎東館802会議室

発表項目

  1. 令和6年度富山市の重点事業について(企画管理部 企画調整課)
  2. 公共交通利用促進月間の実施について(活力都市創造部 交通政策課)
  3. .富山駅北地区におけるグリーンスローモビリティの本格運行について(活力都市創造部 交通政策課)
  4. 上条コミュニティバスの運行社会実験について(活力都市創造部 交通政策課)
  5. 特別展「大集合!富山の鳥たち」の開催について(教育委員会事務局科学博物館)

写真:定例記者会見 令和5年7月14日

記者会見の内容

発表項目

【市長】
皆さんこんにちは。お忙しい中、定例記者会見にお集まりいただき、ありがとうございます。
まず、先日の大雨について報告いたします。
本市では、梅雨前線の停滞に伴って発生した線状降水帯の影響で、一昨日(7月12日)の夕方から昨日(13日)の未明にかけて、平野部では時間雨量最大45ミリ、山間部では62ミリという、大変激しい雨になりました。
これを受けて本市では、土砂災害や水害から市民の命を守るための対応として、五福、水橋、大沢野、大山、八尾、婦中、山田、細入の全域という広範囲にわたり、約5万世帯、約11万6千人に対し、避難指示を発令しました。その上で26か所の避難所を開設したところ、最大で約40世帯、約100名の方が避難所を利用されました。
近年経験したことのない雨ではありましたが、幸いにも人命にかかわるような事故はありませんでした。その他の被害状況といたしましては、本日12時時点において、住居被害として床上浸水が18件、床下浸水が402件、土砂崩れ2件という状況であり、昨日の対策本部員会議で報告した件数から増加していますが、これはそれ(対策本部員会議)以降も被害の報告が随時上がってきていることによるものであります。今後も徐々に被害が判明し、件数が増えるものと思われますが、市として必要となる応急対応にしっかりと取り組むとともに、引き続き、災害に強く回復力のある、しなやかなレジリエンスのある富山市をつくってまいりたいと思っています。
最後になりますが、今般の大雨でありますが、特に九州地方は大きな被害が出ております。全国各地で同様の被害が起きております。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の方にはお悔やみを申し上げます。また、災害の復旧に向けて取り組んでいらっしゃる地域の方々にもお見舞いを申し上げます。一刻も早い復旧、復興を願っております。

令和6年度富山市の重点事業について

【市長】
このたび、令和6年度予算編成に向けて、富山市の重点事業に関する国及び県への要望をとりまとめましたので、ご報告します。先日、知事と県議会議長へお伺いして説明してまいりました。今回は全体で52事業となっており、新規事業が6件、継続事業が46件です。本日は、新規事業の6件についてご説明します。

まず一つ目は、保育士の配置に対する財政支援の拡充等についてです。
国では、こども・子育て政策を抜本的に強化するため、先月閣議決定された「こども未来戦略方針」や「骨太の方針2023」に、次元の異なる少子化対策の実現に向けた支援策等を盛り込まれたところであります。
これまでも、国では保育士の処遇改善等の保育士確保のための制度を創設されております。本市においても、国のメニューを活用し、独自の保育士確保策に取り組んでいるところであります。
一方、保育現場では、多様な保育ニーズへの対応が求められています。保育士の心身の負担は大きくなり、保育士の早期離職や将来の担い手の確保を困難なものにする要因となっております。
このため「保育の質の向上」に向け、自治体が独自に行っている保育士の加配に対する財政支援とあわせ、将来的な保育士の配置基準の見直しの検討を国にお願いするものです。

二つ目は、自治体情報システムの標準化移行への対応についてです。
国では令和3年9月に施行した「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」に基づき、住民基本台帳、税等の20の基幹業務について、令和7年度末までに全国共通の標準仕様に準拠した情報システムに移行し、国のガバメントクラウド上での運用を目指すこととされています。
このため、円滑な移行に向け、システムの詳細な仕様などを早期に確定し、迅速に情報提供すること、及びシステムの標準化に要する一切の経費を全額国費により支援することを国にお願いするものです。

三つ目は、並行在来線の経営安定化に向けた支援についてです。
平成27年3月に開業した、あいの風とやま鉄道は、市民の日常生活と地域経済を支える重要な役割を果たす地域鉄道であります。本市は、県や県内市町村とともに負担金を拠出し、同社の設備投資等を支援しております。今後も、人口減少等による利用者減や、老朽設備の更新等が見込まれることから、沿線自治体等の継続的支援は必要不可欠であると認識しています。
このため、設備投資に対する市拠出金に、交付税措置がある有利な地方債の充当を可能とするなど、並行在来線の経営安定化に向けた財政措置を国にお願いするものです。

四つ目は、児童生徒一人あたり1台の端末の更新費用に対する支援についてです。
本市では、国の「GIGAスクール構想」に基づき、令和2年度に全小中学校に児童生徒一人1台端末を配備し、デジタル教材による学習、コロナ禍のオンライン授業等に幅広く活用されており、今後は端末で収集した学習データを利活用することで、これまで以上に個別最適化された学びの実現が期待されます。
先の、G7教育大臣会合では、この端末を使った授業の様子を各国大臣が視察されました。大変高い評価をいただきましたが、現在の端末は、国の財政支援を受け、導入したものであり、リース期間が終了する令和7年度には全ての端末の更新が必要となります。
国の「骨太の方針2023」においては、「公教育の必須ツールとして、更新を着実に進める」とされておりますが、教育現場に不可欠となった、児童生徒一人1台端末の更新に対する財政支援を国にお願いするものです。

五つ目は、自動運転バスの運行に向けた実証事業についてです。
本市では、コンパクトシティ政策とスマートシティ政策の融合を推し進めています。市内のどこに住んでいても不便さを感じることなく、誰もが豊かさや暮らしやすさを実感できる、また、安心安全な暮らしを提供できるまちづくりを目指しております。
少子・超高齢化が進行する中、郊外や中山間地域の移動手段の確保や、運転手不足の解消などは喫緊の課題となっており、この課題解決の一助とするため、婦中地域で自動運転バスの運行に向けた実証事業を行うこととしています。
実証事業は、今年度から2年間に渡り継続して行いたいと考えております。今年度に活用を予定しております国の補助金を、来年度以降も継続して活用できるよう国にお願いするものです。

六つ目は、統合校の通学路の安全対策についてです。
本市では、昨年2月に策定した「市立小・中学校再編計画」に基づき、質の高い教育環境を提供するため、学校再編による学校規模の適正化に取り組んでいます。再編の目的は「子どもたちへ質の高い教育を提供し、その質を維持していくこと」であり、教育委員会が、地域の方々と真摯(しんし)に向き合い、丁寧な議論を進めているところでありますが、通学距離が延びることに伴い、保護者や地域の皆様からは、安全・安心に通学できる歩道、交差点及び自転車走行環境の整備等を強く求められています。
このため、県道における統合校の通学路の安全対策を県に要望するものです。
一つ目は、旧八尾中学校と杉原中学校が統合し、昨年度に開校した八尾中学校区における、県道立山山田線の高善寺橋の1日も早い整備完了をお願いするものです。
二つ目は、水橋地区の小学校5校と中学校2校が統合し、本市初となる義務教育学校として令和8年度の開校に向けて準備を進める水橋学園校区の県道の歩道整備や交差点の安全対策についてお願いするものです。

以上が、令和6年度富山市重点事業のうち、新規事業の6件になります。

今後、国会議員や市選出県議会議員の先生方、並びに国の省庁等の関係機関に対し、市議会とも連携して要望活動を展開してまいる予定です。

公共交通利用促進月間の実施について

【市長】
本市では、ビヨンドコロナにおける公共交通の利用を促進するため、8月を重点的に公共交通の利用促進を図る「公共交通利用促進月間」として設定するとともに、新たなモビリティサービスの開始や、イベントの開催、メディアの活用などによる公共交通の普及啓発等に努めてまいります。主な取り組みについてご紹介いたします。

まず、「新たなモビリティの運行」としましては、富山駅北地区におけるグリーンスローモビリティの本格運行や上条地区におけるコミュニティバスの運行社会実験を実施いたします。こちらにつきましては、後ほど、詳細を説明いたします。

次に、「新サービスの開始」としましては、デジタルサイネージを、富山駅南口駅前広場にあるバス乗り場6か所に設置します。リアルタイムに発車情報などを提供することで、バス利用者に利用しやすい環境を整えるものであります。こちらは、8月1日(火曜日)、11時から富山駅南口駅前広場にてオープニングセレモニーを実施いたします。

また、ポートラム・セントラム優先席等の設置につきましては、8月から随時、市が所有するポートラム及びセントラムの計11編成に優先席ステッカーや床面に車いすマーク等の表示を行い、高齢者や障害者、妊婦等が市内電車を利用しやすい環境を整えるものであります。

次に、「公共交通利用促進啓発事業」としましては、8月6日に、公共交通事業者と協力し、公共交通の魅力発信や利用への意識醸成を図るために、富山駅及び越中八尾駅を会場とした「とやまレールライフフェスタ」を開催いたします。今年は新たに、駅相互の往来による公共交通の活性化や(にぎ)わい創出などを図るため、越中八尾駅前広場をサブ会場として、公共交通のPRをはじめ、おわらの披露など多彩な企画のブースを出店することとしております。
また、夏休み期間中に、対象の交通機関を親子などで利用する場合、こどもの運賃が無料となるきっぷを市内の小学校、特別支援学校をとおして配布し、公共交通を利用した親子でのおでかけ機会の創出を図ります。先ほど説明したとやまレールライフフェスタの会場に来られる際などにご活用いただければと思っております。

さらに、公共交通の利用促進や普及啓発を広く行うため、富山市の広報番組「とやま情報局」やケーブルテレビ、富山シティFMでの公共交通に関する市の施策の情報発信を行うとともに、市ホームページや公式ツイッター、庁内放送を活用した普及啓発も随時実施することとしております。
これ以外にも、多くの普及促進事業を行うこととしており、期間中は、ぜひ多くの方々に公共交通の利用をはじめ、関連する様々(さまざま)なイベントにご参加いただき、日常生活における公共交通の積極的な活用について考えていただけるきっかけになればと思っております。

富山駅北地区におけるグリーンスローモビリティの本格運行について

【市長】
本市は、バスタイプのグリーンスローモビリティについて、これまで富山駅北地区や岩瀬地区などにおいて、地区の(にぎ)わい創出や、市民の生活の足となる新たな移動手段としての活用を検証する社会実験を実施してまいりました。
その結果、富山駅北地区においては、社会実験を行った過去3年間の土日、祝日の107日間で延べ8,309人と多くの利用がありました。このことから、(にぎ)わい創出や新たな移動手段として一定の効果が期待できること、また、富山駅北周辺エリアで活動する「ブールバールエリアマネジメント富山」が事業主体となり、運行を担っていただくことで調整がついたことから、このたび、8月6日(日曜日)から本格運行を開始することにしております。当日は、富山駅北口駅前広場で11時より出発式を行います。

今年の運行は、8月6日(日曜日)から11月26日(日曜日)までの土曜日、日曜日、祝日の運行となります。
運行時間は、10時から16時まで、運賃は、高校生以上1乗車当たり100円で、現金もしくはPayPayによるQRコード決済となります。
運行ルートは、富山駅北口広場から富岩運河環水公園を経由して、富山県美術館までとなっており、県とも連携しながら運行いたします。

市としましては、富山駅北地区の新たなシンボルとして多くの方々にご乗車いただくことで、さらなる(にぎ)わいや、魅力が創出されることを期待しております。

また、運行に協賛していただける企業・個人などを募集しております。1口5万円となっており、2口以上協賛していただいた場合には、車体や車内にロゴなどの掲載が行えますので、ぜひご検討いただき、事業主体のブールバールエリアマネジメント富山、若しくは交通政策課までお問い合わせいただきますようお願いいたします。

上条コミュニティバスの運行社会実験について

【市長】
水橋地域上条地区における、公共交通空白地域を解消するため、8月1日から上条コミュニティバスの運行社会実験を行います。

上条地区は現在、バスや鉄道の公共交通がなく、地区の生活の足として、「地区内を巡回するバスが運行できないか」という声が自治振興会であがっており、令和元年から自治振興会で検討を行ってこられました。
このたび、運営組織として「上条コミュニティバス運行協議会」が設立され、世帯負担金や、運行ルート、利用料金など、各町内会で調整が図られたことから、本市では、この社会実験を支援することといたしました。

運行につきましては、朝夕2便と日中4便で、朝夕の便は、旧上条小学校から出発し、越中舟橋駅と水橋駅を結ぶ路線となっております。日中の便は、旧上条小学校から出発し、越中舟橋駅、各自治公民館、水橋駅、商業施設を結ぶ路線となっております。
運行日時は、月曜日から金曜日までの6時台から17時台です。土曜日、日曜日、祝日、お盆、年末年始は除く(運休)となっております。
なお、料金は、大人200円、小中学生100円で、通学時の利用は無料となります。

市としましては、上条地区の生活の足として暮らしに密着した、欠くことのできない公共交通として、多くの住民の皆さんにご利用いただきたいと考えております。

特別展「大集合!富山の鳥たち」の開催について

【市長】
富山市科学博物館では、特別展「大集合!富山の鳥たち」を、7月15日(土曜日)から9月3日(日曜日)まで開催します。
この特別展では、富山に暮らす鳥を中心に、博物館で収蔵する鳥の標本を一挙に展示します。たくさんの標本と鮮明な生態写真をとおして、鳥の体のつくりや生態などを紹介します。
主な展示として、鳥類のはく製約200点、骨格や羽根、卵などの標本約80点があります。見どころは、富山を代表する鳥「ライチョウ」と「イヌワシ」のはく製です。これらは、今回の特別展に合わせて製作したものです。どちらも富山産の数少ない貴重なものです。また、博物館職員が撮影した富山に暮らす野鳥の鮮明な生態写真も展示します。

特別展に合わせた関連イベントも行います。7月30日(日曜日)には、講演会「ライチョウの暮らす立山」を開催します。ライチョウを中心に立山周辺の野鳥を長年、調査されている富山雷鳥研究会の松田(まつだ)(つとむ)氏にご講演いただきます。先着80名で現在、申込受付中です。
また、7月22日(土曜日)、23日(日曜日)と9月2日(土曜日)、3日(日曜日)には博物館の担当学芸員による特別展の展示解説をします。

これだけの鳥類標本が(そろ)うのは県内初の貴重な機会です。様々(さまざま)な環境に暮らす鳥たちがいることをとおして、富山の豊かな自然を感じていただければと思います。鳥好きの方も、まだそうでない方もこの特別展をきっかけに、ぜひ、富山の野鳥に興味を持っていただければ幸いです。富山市科学博物館は小学校の夏休み期間、休まず開館しておりますので、ぜひ、親子でお出かけいただきたいと思います。

質疑応答

【記者】
全国でマイナンバーを巡るトラブルが相次いで発生し、カードを自主返納する動きが一部で見られます。このような動きについての市長の所見と、カードを返納しようという人へメッセージがあればお願いします。
また、政府は来年秋にも紙の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する方針を示しています。一方この方針に対して、県保険医協会などは反対していますが、市長の所見をお聞かせください。

【市長】
現在、一部で、マイナンバーカードを自主返納する動きがあることは、報道等を通じて承知しております。カードの取得はあくまで任意とされていますが、自主返納される方が一定程度いらっしゃることについては、やむを得ないものと考えております。
しかしながら、カードを返納されても、その方のマイナンバーの利用が停止されるわけではありませんし、制度をよく理解されずにカードを返納されますと、今後、各種の手続きにマイナンバーの利用が拡大されていく中で、カードを持たない方は手続きの度にマイナンバー入りの住民票を提出する必要が生じたり、便利なオンラインでの手続ができなかったりと、いろいろと暮らしの中でご不便が生じることが予想されます。
また、今後、カードの再発行を希望される場合は有料となります。本市では本年5月から、住民票の写しなどのコンビニ交付の手数料をお得に設定するなどしており、今後も、マイナンバーカードを利用してのサービス向上ということも考えられます。
市民の皆さんにおかれましては、あくまでご自身の判断ではありますが、情報をしっかり捉えて、冷静な判断をしていただきたいと考えております。
報道機関の皆様からも、ぜひ、カードを返納した場合に生じる生活等への影響の面についても、アナウンスしていただければ幸いです。
いずれにしましても、現在、国ではマイナンバー制度への信頼確保に向けて、政府全体で総点検に取り組んでおられます。本市としましても、国から要請等があれば、しっかりと対応してまいりたいと考えておりますし、随時、市民の皆さんの不安な点や疑問点があれば、市役所窓口に問い合わせていただければ、職員が丁寧にお答えするという姿勢で、皆さんの不安を取り除いていけたらと考えております。

次に、マイナンバーカードと健康保険証の一体化についてお答えします。
マイナンバーカードにつきましては、既に、健康保険証として利用することが可能となっておりますが、マイナンバーカードを健康保険証として利用していただくことで、これはメリットでありますが、被保険者の方においては、マイナポータルにおいて、処方された薬の情報や特定健診の情報など、ご自身の身体にかかわる情報をいつでも確認していただくことができます。また、医療機関においては、投薬情報や特定健診の情報を、患者の同意に基づき、医師がオンラインでデータを確認することができ、正確なデータに基づいた、より適切な医療が提供できるというメリットがあります。また、保険者においては、健康保険証の発行、発送業務がなくなり、事務負担の軽減や経費の削減が図られるというメリットが考えられます。(今ほど申し上げたこと)など、市民の皆さんや医療機関、そして、本市を含めた医療保険の保険者それぞれにメリットがあります。

私は、今回のマイナンバーカードと健康保険証が一体化されて、健康保険証が廃止される取り組みは、医療保険制度におけるDXが推進されることであると捉えており、今ほど申しましたような多くのメリットがあるものと考えております。こうした、デジタルの力により、市民の皆さんの利便性を向上させ、安全、安心で誰もが豊かさを感じられる社会の実現は、私が進めている富山市版スマートシティ政策の基本理念に沿うものであると考えており、私はこの施策は推進されるべき施策であると考えています。
ただ、現在、健康保険証のひも付けにあたって、様々(さまざま)な問題が顕在化しています。そして国民の皆さん、県民の皆さん、市民の皆さんも不安な思いを持っていらっしゃるということも十分に認識しておりますので、この問題点につきましては、まずは国が第一義的に解決策を示されて、それに対して我々も一致団結して協力して市民の皆さんの不安を無くしていくということに努めてまいりたいと思います。

【記者】
教育委員会の管轄になると思いますが、富山市の天体観測施設の整備計画の見直しという方針が打ち出され、今まさに検討委員会で協議が進んでいると思いますが、観測施設のあり方や施設整備の方針について、所感があればお聞かせください。

【市長】
まず大前提として、こどもや青少年の皆さんが、天体観測をとおして自然科学や宇宙、ひいては地球環境を改善するといったことに興味を持っていただくことが非常に大切だと(思います)。そのような意味からすると、天文観測をするということは非常に大事だと思っています。
その手法につきましては、様々(さまざま)な手法があると認識しておりますので、今ほどおっしゃったように、教育委員会で富山市にとってベストな方法を、現在、検討しているところでありますので、そこに口を挟むことは差し控えますが、富山市のこどもたちが、天体観測ができるように、そして自然科学に興味が持てるようなものになっていけば良いと考えております。

【記者】
大雨の被害について伺います。昨日、県の会議では、農地への被害も出てきているということで、今後被害が拡大していくのではないかと思われます。災害救助法の適用や、先ほどお話にあった応急復興の取り組みも進められていくということですが、農地を含め、どのように対応されていくのかお聞かせください。

【市長】
今ほどおっしゃられたように、農地や農業施設、水路や農道なども含めて、大変多くの被害状況が、現在、市に報告が上がってきているところです。もちろん富山県もそうでありますが、(災害)救助法の適用も(にら)んで、必要なものは県、国に要望する、あるいは協力し合っていくものもありますし、農業施設においては関係団体、例えば土地改良区やJA、営農組合、農業者(の方)もそうですし、しっかりと関係者と打ち合わせしながら、農業関係者、特に耕作していただく方々の心が折れないように、早急な復興を目指して取り組んでまいりたいと思っています。
被害の状況については、現在、取りまとめたところまでは農林水産部で資料は持っていますが、もう少しまとめてから私に報告があるということですので、近々、状況を取りまとめたものをお示しできると思います。
その他の斜面や法面(のりめん)のいわゆる土砂崩れ、がけ崩れ等も含めて、道路が一時通行止めになったり、現在も通行止めになっているという報告も徐々に上がってきておりますので、これについては、一刻も早い復旧を目指して、県や周辺市町村と協力しながら対応していきたいと考えています。
加えて、床上浸水、床下浸水、車の水没等も含めて、個人の所有物等にも相当の被害が出ているという報告も入ってきておりますので、このようなものに対する支援、去年の8月のゲリラ豪雨の時もありましたが、どのようなことができるのか、地域の方々の被害状況をしっかりと細かく把握するようにという指示も出していますので、このようなもの(被害状況)を見ながら、できることを考えてまいりたいと思っています。

【記者】
今回の大雨について伺います。ダムの緊急放流を行う際に、今回(白岩川が氾濫(はんらん)した)立山町であったように住民への伝達が課題になってくると思いますが、富山市としても今後(ダムの緊急放流の)可能性があるということで、住民への伝達という点で考えていることはありますか。

【市長】
これはすでに実施している部分でありますが、一級河川の井田川が(富山市)(ひよどり)(じま)のところで神通川と合流していますが、(上流にある)利賀や八尾で雨がたくさん降ると、すぐに増水します。そうすると室牧ダムが八尾にありますが、そこで放流すると一気に井田川の下流部が増水し、神通川が増水するという現象が起きます。その増水したことによる逆流を止めるために樋門(ひもん)というものが井田川の支流についています。それは、その樋門を閉じることによって、その流域にある人家へ逆流して溢水(いっすい)することを防ごうとするものでありますが、おっしゃるように、ダムを放流するタイミングを下流に住む人達が知らない(ことで)水害に遭ったりするということが、井田川の下流では、ごく稀でありますが何回か起きています。このようなことを経験して、国土交通省、富山県、富山市、地元自治会が協力して、豪雨で室牧ダムが放流するときに、しっかりと住民まで、自治会長、町内会長も入れて伝達がいくようにしています。これは旧婦中町時代からそのエリアの課題であったのですが、そのようにソフト面で、ある程度カバーできるということがわかってきましたので、今後も富山県とも協力して、例えば、今回の白岩川の場合はどのような形が一番良いのかわかりませんが、ダムの貯水容量にもよるわけですが、事前の計画放流なども含めてどのような対策があるのか、今回の白岩川(の氾濫)を教訓に、県とも意見交換をしたいと思っています。住民への情報伝達ということは経験上できますし、まさに大事なことですので、そのようなことも含めて連絡、相談していきたいと思います。

【記者】
現在、大雨による被害状況をまとめているということですが、9月議会を待たずに予算的に措置ができるものがあれば迅速に対応するということで、8月に臨時会を開催する、補正予算を組むなど予定をお聞かせください。

【市長】
スピード感を持って進めるためには、中には9月議会を待たずに執行しなければならないところもあると思いますので、臨時議会を開催するかどうかは別として、流用も含めて、可能な限り早めに決定して、復旧させていくということに努めてまいりたいと思います。

【記者】
今回の大雨で、富山市公設卸売市場も施設内に水が浸入して、夜遅くまで関係者の方が水をかき出す作業に追われたということですが、施設は市の食に関する重要な拠点ですので、この件に関して、対応策をお聞かせください。

【市長】
今回の件につきましては、第一報は入っておりますが、被害状況等はまだ(報告が)上がってきておりませんので詳しいことは言えませんが、外からの流入によって水浸しになったのか、市場内の雨水によって水浸しになったのかということも含めて、早急に報告を受け、対応策をとりたいと思います。おっしゃるように、富山市民の台所でもありますので、雨水の流入などがないように努めてまいりたいと思っています。対策はこれからです。

【記者】
大雨の関係で伺います。今回広い範囲に避難指示を出されて、結果的に避難した方は約100人でした。夜間だったということもありますし、自宅の高いところに避難するといった(避難)方法もあったかと思いますが、避難者の数なども含めて、どのように受け止めていますか。また、避難指示や避難場所などの情報が市民に届いていたのかどうかといった分析を行うことなどは考えていますか。

【市長】
まず避難指示のタイミングや範囲などは適切だったと思います。これは今まで経験したことのないような雨が実際に降ったわけでありますし、(本格的に)降る前に、そのような指示を出して避難所を開設したことは非常に適切だったと思っています。
その人数をベースとして、富山市といたしましては、避難所に避難していただくという選択肢を作るというのは非常に大事(なこと)であります。もちろん自宅で垂直避難した方が安全な場合もたくさんありますし、かといって、今回の南砺市の事例のように、斜面の下に住宅があったりした場合はやはり土砂崩れの(心配が)ない避難所に避難された方が安全であると思いますし、そこ(に関して)は、市としてできることをしっかり提供していくということであります。
基本はやはり住民一人一人が自分の身は自分で守るということをしっかりと認識して、今回のような豪雨の場合はどこに逃げる、垂直避難する、誰と連絡を取る、といったことをしっかりと決めておき、そのように行動できるようにしておくということが非常に大事ではないかと思っています。
情報伝達そのものにつきましては、自治会や町内会を通じてきちんと伝達されていたと思いますが、完璧ということはないと思いますので、できる限りは、情報発信をしていたところであります。

【記者】
大雨に関して、土砂崩れの件数を冒頭に2件とおっしゃいましたが、少し少ないという印象もあります。規模は違うかもしれませんが、民家の近くでも土砂崩れが起きたと聞いています。その辺りの土砂崩れの被害状況についてお聞かせください。

【市長】
今おっしゃったように、私も少ないと受け止めておりますし、土砂崩れ、地すべり、いくつか区分がありますので、そのどこに入れるかという、その区分(分け)と、それとまだ被害を取りまとめているところです。(ですので、)これから数が増えてくると認識しておりますので、一つひとつ丁寧に対応していきたいと思っています。

【記者】
南砺市で土砂崩れがあり議員の方が亡くなりました。山間部の法面近くの家に注意喚起する、土砂崩れの情報提供をすることはすごく難しいと思いますが、対処法など考えがあればお聞かせください。

【市長】
今おっしゃったとおり、特に山間部の斜面の近く、あるいは斜面に建っている家等は特に土砂崩れや地すべりの影響を受けやすいわけであります。一つは早めに安全に土砂崩れや地すべりの影響を受けない場所に避難していただくということが最良の方法であると思っていますし、富山市では、旧町村時代から、法面の地すべり対策の工事をかなり大々的に行ってきており、それで住宅を守っているという側面がありますが、それも完璧ではないわけです。それでも土砂崩れや地すべりが起きるということですので、まず避難をしていただくということのソフト対策、これが一番大事になってくるのではないかと思っています。

【記者】
(被害に遭われた南砺市の赤池市議は)避難を呼びかけに回っていたということで、その行為は素晴らしいという反面、とても危険であるとも思います。その呼びかけについてはどのようにお考えですか。

【市長】
自治体からの情報提供は早めにして、例えば、明るいうちに所定の場所に避難していただくだとか、とにかくスピードを早くして情報提供していくということ(が大事)です。
(南砺市の)赤池市議は大変残念な結果になって、本当に申し上げる言葉もないくらいでありますが、(自身の)危険を顧みず、あのような危険な状況の中でも一軒一軒(避難を促す)声かけをされていたところ、事故に巻き込まれてしまったということでありますので、そのような危険な状況になる前に、どちらかというと明るいうちに情報をしっかり提供して所定の避難所に避難していただくというソフト対策、そこをしっかりと確認して行っていくしかないのではないかと思っています。

 

※発言内容を一部整理して掲載しています。・・・富山市広報課

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