平成15年3月市議会定例会理由説明

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ページ番号1003113  更新日 2023年1月13日

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はじめに

平成14年は、経済情勢がますます厳しさを増し、企業倒産件数は戦後2番目、バブル崩壊後においては平成13年を上回る最悪の状況となっており、雇用情勢も失業率が高水準で推移するなど、市民生活にさまざまな影響を与えました。
国外では、イラク情勢がますます緊迫していく中にあって、北朝鮮は、核拡散防止条約からの脱退と国際原子力機関の核査察協定の拘束を受けないことを宣言したほか、ミサイル発射凍結の中止を発表しております。北朝鮮のこうした言動は、世界の平和と安定に対する脅威であり、平和都市を宣言する本市としても、強く撤回を求めるものであります。
また、昨年の「日朝平壌宣言」により、拉致被害者5人が帰国され、家族との再会を果たされましたが、北朝鮮に残された家族やいまだ消息が明らかになっていない被害者、あるいは日本人妻や脱北者の帰国問題など多くの課題が残されております。日本国民の安全と安心に関わる重大な問題として、政府の断固とした姿勢のもと、一日も早く解決することを願うとともに、世界の平和と安定を念願するものであります。

そうした中、昨年12月に、本市出身の田中耕一さんが、ノーベル化学賞を受賞されました。田中さんの受賞は、富山市民を始め次代を担う子どもたちに大きな夢と希望を与えるものであり、富山市民・県民の誇りであります。このため、田中さんの栄誉をたたえるため、富山市では「富山市名誉市民」の称号を、また、富山県では「富山県名誉県民」の称号を、それぞれ議会の同意を得て贈ることに決定し、昨日、富山国際会議場において名誉県民・名誉市民の贈呈式を富山県と合同で実施したところであります。

さて、私が市長に就任して1年余りが過ぎました。この間、私は、行政を担うにあたり、市民と行政が一体となって協働で施策を進めることが必要であるという考えから、現場主義を貫き、すべての小学校区においてタウンミーティングを開催し、現場の生の声をお聞きすることに努めてまいりました。このことは、行政を進めるうえで一定の成果があったものと思っております。
また、市のホームページで市長交際費などについて情報公開したほか、審議会を含め多くの協議・検討の場に、公募による市民が直接参加していただけるよう努めてまいりました。
昨今は、何分にも閉塞感が漂うご時世であります。物の考え方が小さく縮こまりがちなだけに、意識して物事を大きく見つめ、広く考える意味で、自戒を込めて「THINK BIG(シンク・ビッグ)」、そして、仕事を民間企業のようにスピード感をもって達成する意味で「スピード」、この2つを今年一年のキーワードに据え、職員に徹底して意識改革を訴えてまいります。また、市民の行政に対する多様なニーズを的確に受け止め、市政の推進に積極的に取り組んでまいる考えであります。

さて、地方分権が本格化する中、市町村は21世紀における「地方の時代」に応え、多様化・高度化する住民ニーズに的確に対応するため、その規模と能力の強化を図ることが求められており、市町村合併は自治体が主体的に取り組んでいかなければならない重要かつ喫緊の課題であると認識しております。
このため、県都として、また、環日本海地域における求心力ある中核的な圏域として、広範な地域が大同団結し、力のある魅力ある都市として成長していくことが必要と考え、昨年は富山地区広域圏を構成する市町村との協議を重ねてまいりました。
その結果、本年1月、合併協議会準備会の設立に賛同された上新川郡及び婦負郡の町村とともに、首長による「富山地域合併協議会設立準備会」を設置いたしました。また、去る2月19日には議会の代表者にも参加していただき、法定協議会の設置について合意いたしましたので、この度「富山地域合併協議会」の設置に関する議案を提出するものであります。
平成17年3月という合併特例法の適用期限が迫る中で、今後この法定協議会において、新市の目指す姿、また、具体的な市町村建設計画などについて、住民への積極的な情報提供に努めながら、新しい都市づくりに向け、鋭意議論を深めてまいりたいと考えております。

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1. 予算編成の基本方針

(1)予算編成方針

次に、平成15年度予算編成方針について申し上げます。
最近の我が国経済は、企業収益が改善し設備投資は下げ止まりつつあるものの、雇用情勢は厳しさを増しております。個人消費も横ばいで推移するなど、景気は一部に持ち直しの動きが見られるものの、このところ弱含みとなっております。
このため、国においては、平成14年度補正予算と平成15年度予算を一体として切れ目なく運用し、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指すこととしております。
本市の平成15年度予算編成にあたりましては、長引く景気の低迷等から市税の減収や地方交付税の総額が抑制されるなど一般財源の確保が一段と厳しく、近年にない厳しい財政環境にあります。
このため、国の補正予算を最大限に活用し、平成14年度3月補正予算と平成15年度予算を一体的に編成することにより、公共事業や福祉などの事業量を確保し、切れ目なく執行することにより、景気対策に努めてまいります。

また、国の予算や地方財政計画等を勘案するとともに、スクラップ・アンド・ビルドを徹底し、一層の経費の節減合理化を図り、限られた財源の重点的かつ効率的な配分に努め、メリハリのある予算となるよう編成したところであります。
特に、「富山市総合計画新世紀プラン」に掲げた各種施策を着実に進めることを基本に、本市の喫緊の課題である5分野にわたる重点テーマを定め、その諸施策を重点的かつ効率的に推進することとし、積極的で夢と希望が持てる予算となるよう最大限の努力を傾注したところであります。

(2)重点テーマ

平成15年度予算編成における重点テーマの第1は、人口増加に寄与する施策であります。

人口は都市活力のバロメータであり、人口の減少がもたらす経済的、社会的影響を考えるならば、人口増加対策は重要な課題であります。「住みたい」、「住んで良かった」、「行ってみたい」、「行ってみて良かった」と言われるようなまちづくり事業を進め、富山の魅力を掘り起こし、高め、発信するなど、いわゆる定住人口と交流人口の増加に努めてまいります。

第2は、創業支援と雇用の創出など地域経済の活性化に寄与する施策であります。

長引く景気の低迷と雇用情勢が悪化する中、活力ある経済社会の実現のためには、民間の活力を顕在化させなければなりません。このため、新産業の育成などの創業支援や企業誘致など雇用創出を図り地域経済の活性化に努めてまいります。

第3は、中心市街地の活性化と駅周辺南北一体的なまちづくりに寄与する施策であります。

北陸新幹線開業による都市間競争の激化が予想される中、本市が環日本海地域における求心力ある中核都市として飛躍発展していくためには、交通や情報通信関連などの高次都市機能の集積を図るとともに、多様な人々で賑わう個性的で魅力ある交流空間の形成がぜひとも必要であります。このため、中心市街地の活性化や駅周辺南北一体的なまちづくりの推進に鋭意取り組むとともに、地域公共交通の活性化にも努めてまいります。

第4は、美しいとやまの創造と保存に寄与する施策であります。

富山の水と緑の景観を保存し、市民ぐるみによる環境美化活動を推進し、美しいとやまの創造と保存に努めることが重要であります。このことから、市民意識の啓発と市民と行政の協働による景観づくりに努めてまいります。

第5は、地域社会で支える高齢者・障害者の福祉施策であります。

本市は、住みよい都市としてすでに高い評価を受けておりますが、高齢社会が一層進展していく中にあり、住みたくなる都市としてより一層発展していくためには、高齢者、障害者の社会参加を進めるとともに、誰もが住みなれた地域で安心して生きがいをもって生活できることが大切であります。このことから、市民との協働により高齢者も障害者も地域の連帯で支え合う豊かな福祉社会の実現に努めてまいります。

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2. 予算規模

以上のことに努めた結果、平成15年度の予算規模は、

  • 一般会計 1,161億6,900万余円
    (対前年度当初予算比 102.1パーセント)
  • 特別会計 1,011億7,100万余円
    (対前年度当初予算比 100.7パーセント)
  • 企業会計 414億2,700万余円
    (対前年度当初予算比 99.0パーセント)
  • 総額 2,587億6,700万余円
    (対前年度当初予算比 101.0パーセント)

となっております。

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3. 歳出予算の概要

次に、総合計画新世紀プランの5つのまちづくりの目標にしたがって、歳出予算の主な内容をご説明申し上げます。

(1)「健康と福祉の充実したまち」をめざして

第1は、「健康と福祉の充実したまち」についてであります。

1. 安心して子どもを生み育てられる環境づくり

まず、安心して子どもを生み育てられる環境づくりについて申し上げます。
こども福祉については、延長保育の拡充など仕事と子育ての両立支援の充実を図るとともに、一時保育事業や親子サークルの拡充など、地域の子育て支援に努めてまいります。また、4月からスタートする公立保育所の民営化については、多様化する保育ニーズに対応した、利用しやすい保育所となるよう支援するとともに、さらに公立保育所の民営化を進めてまいります。
地域児童健全育成事業については、引き続き事業内容などの充実を図るとともに、新たに民間の社会福祉法人等を活用した放課後児童健全育成事業を実施し、留守家庭児童の保護・育成の強化に努めてまいります。

2. 福祉サービスと社会保険制度の充実

次に、福祉サービスと社会保険制度の充実について申し上げます。
高齢者福祉については、本格的な高齢社会を迎える中で、「富山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、ケアハウスや特別養護老人ホームなどの施設整備を進めていくとともに、高齢者が住みなれた地域で、できる限り自立した生活を送ることができるよう地域での支え合いを総合的に推進してまいります。
このため、介護サービスの質の向上と在宅重視の観点から、介護相談員を増員するとともに、地域型在宅介護支援センターにコーディネーターを配置し、住民同士が支え合うネットワークづくりを行います。さらに、地域の老人クラブ等が、地域型在宅介護支援センターと協働して取り組む、高齢者が相互に支え合う地域づくりを支援するなど、地域ケア支援体制の推進を図ります。
高齢者の生活支援型施設としては、民家等の改修によるデイサービスセンターなどの小規模ケア施設の整備に支援するなど、介護サービス基盤の充実を図ります。
また、高齢者が気軽に休憩・団欒ができるサロン的な場づくりとして公衆浴場が整備する交流施設整備費用や、援護を必要とする高齢者の外出を支援するための介護仕様自動車改造費用に対し助成制度を創設いたします。

障害者福祉については、ノーマライゼーション社会の実現を目指して、「富山市障害者計画」に基づき、障害者施策を総合的・計画的に推進してまいります。
新たに、障害者福祉サービスの一部が「措置制度」から「支援費制度」に変わることから、制度の円滑な移行を図るとともに、利用者が自らサービス提供事業者を選択し、必要なサービスが利用できるよう相談やサービス提供体制の充実に努めてまいります。
在宅福祉の施策として、ふれあいマップ点字版の作成、精神障害者の共同作業所等への通所交通費の助成のほか、障害児(者)を対象とした地域療育等支援事業や心身障害児ショートステイ事業を実施いたします。
障害者施設の整備として、知的障害者通所更生施設「第2あすなろ」を建設するとともに、身体障害者通所授産施設及び身体障害者療護施設通所型の建設に助成し、基盤整備に努めてまいります。

財政状況が厳しい中にあって、急速に増加する高齢者・障害者に対する持続可能な福祉社会を築いていくためには、福祉施策のあり方を常に見直し、新たな福祉ニーズに対応していかねばなりません。このため、敬老福祉金の見直しや、重度心身障害者等に対する介護手当、おむつ支給事業に所得制限を導入するとともに、金婚を祝うつどい事業を廃止いたします。また、平成15年度において、福祉給付事業等のあり方について検討するため、福祉給付事業等検討委員会を設置することとしております。

介護保険事業については、サービス利用が伸びてきていることから、平成15年度は赤字分やサービス量の伸びを見込んで介護保険料を引き上げるとともに、低所得者に配慮するため、所得段階別保険料を5段階制から6段階制へ移行することや、市独自の保険料及び利用者負担の減免制度を導入します。
国民健康保険事業については、長期計画での赤字解消を目指し、一般会計からの法定以外の繰入れを行うとともに、保険料の均等割額、平等割額、所得割額及び賦課限度額を改定し、さらに、低所得者に配慮した軽減措置の見直しを行います。また、保健事業として、新たに健康優良家庭に対する健康増進保健事業を創設するとともに、葬祭費の増額や収納率向上対策として新たに短期被保険者証の交付事務に取り組んでまいります。

3. コミュニティづくり

次に、コミュニティづくりについて申し上げます。
地域の特徴を生かした個性的なまちづくりを進めていくうえで、市民のまちづくりに対する積極的な参画意識を育み、コミュニティ意識の高揚を図るとともに、さまざまな分野におけるボランティア・NPO活動を促進することは、重要なことと考えております。
このため、市民の自発的なまちづくり活動に対し助成する「市民提案型まちづくり事業」の実施や、新たに、活発な活動に取り組むボランティア団体などの施設改修に要する経費に対して助成をする「元気とやま推進事業」を実施し、市民主体のまちづくりを推進してまいります。
さらに、平成14年度に策定した「富山市災害ボランティア活動指針」を踏まえ、「富山市災害ボランティアネットワーク会議」を設置し、災害時における円滑なボランティア活動の体制づくりを推進してまいります。

4. 生涯にわたる健康づくり

次に、生涯にわたる健康づくりについて申し上げます。
高齢化の進展とともに、生活習慣病の増加が社会問題となっており、健康づくり対策の推進が重要な課題となっております。
このため、「健康は自分で守り、つくる」という疾病を予防する一次予防と自己管理に重点をおき、平成14年度に策定した「富山市健康プラン21」の推進に努めてまいります。
感染症予防対策については、高齢者施設入所者の結核健康診断や高齢者のインフルエンザ予防接種を推進し、その早期発見及び発生防止に努めてまいります。
精神保健福祉事業につきましては、近年、社会問題化している「ひきこもり」について、家族などの支援に取り組んでまいります。
市民病院については、地域の中核病院として、多様化する医療ニーズに応えるため、感染症病棟・血液浄化療法科などの施設整備、計画的な医療機器の導入、院内総合情報システムの推進を図り、患者の皆様から選ばれる病院、信頼される医療を目指してまいります。

(2)「生活と環境に配慮したまち」をめざして

第2は、「生活と環境に配慮したまち」についてであります。

1. 災害に強いまちづくり

最初に、災害に強いまちづくりについて申し上げます。
災害から市民の生命、財産を守ることは、極めて重要な課題であり、積極的に推進していく必要があります。
防災対策については、飲料水兼用耐震性貯水槽など防災施設の充実を図るとともに、市民一人ひとりの防災意識の高揚と自主防災組織の育成を促進してまいります。
浸水対策については、平成14年度に策定した「富山市浸水対策基本計画」に基づき、浸水被害発生地区の解消を図るため、関係機関との連携を図りながら効率的かつ効果的な浸水対策に取り組んでまいります。
また、河川水路については、引き続き基幹河川の治水機能の充実を図るため、馬渡川、宮路川、中川の整備促進に努めてまいります。
雪対策の推進については、的確な降雪情報の収集に努め、国、県の道路管理者との連携を密にして、除雪体制の充実を図ってまいります。特に、歩行者の安全に配慮した歩道除雪の強化に努めてまいります。

2. 安心・安全なまちづくり

次に安心・安全なまちづくりについて申し上げます。
交通安全対策については、引き続き高齢者や子どもの保護に重点を置いた啓発事業や交通安全施設の充実に努めてまいります。
富山駅周辺の市営自転車駐車場については、無料で24時間利用可能とし、利用者の利便を図ることとしておりますが、今後とも放置自転車対策や違法駐車防止の街頭活動に取り組み、事故のない円滑な交通環境の確保に努めてまいります。
消防については、救急救命士の養成と新たに救急救命士の処置範囲拡大に備えたメディカルコントロール体制を構築し、救急業務の高度化に努めてまいります。また、消防総合指令情報システムを構築するとともに、富山消防署東部出張所の移転改築の実施設計に取り組み、消防防災体制の整備充実を図ってまいります。

3. 環境にやさしい循環型まちづくり

次に環境にやさしい循環型のまちづくりについて申し上げます。
地球温暖化など地球環境問題が顕在化する中、経済活動や生活面における環境への配慮から、環境負荷の少ない持続的な発展が可能な「資源循環型社会」を築くことが重要であります。

エコタウン事業については、北部地区において、廃プラスチック等のリサイクル工場が今春の操業を予定しておりますが、今後、第2期の事業化に向けた可能性調査を実施してまいります。
また、太陽光、水力等の自然エネルギーや、廃棄物エネルギー等の未利用エネルギーの導入可能性を検討する「地域新エネルギービジョン」を策定します。
家庭ごみの収集については、プラスチック製容器包装廃棄物の収集業務を民間委託に移行するとともに、収集回数を月2回から4回に増やし、一層のごみ減量化・資源化に取り組んでまいります。

まちの環境美化の推進については、新たに「富山市まちの環境美化条例」を制定し、市民、行政、事業者等が相互に協力して、公共の場所での吸い殻、空き缶等のごみのポイ捨て防止や青少年の健全育成を阻害する恐れのある違法立看板等を撤去するなど、環境美化の推進に努めてまいります。
また、富山駅周辺や中心商店街などにおいて、来街された人々誰もが安心して、楽しく、快適に買い物などができるように、まちの案内、挨拶、介助、清掃・整理などのさわやか活動を行うスタッフを配置して、富山市のイメージアップと街の環境美化意識の高揚を図ってまいります。

4. 水と緑の保全と創造

次に、水と緑の保全と創造について申し上げます。
身近な緑の環境をより豊かにするため、街並みを花と緑で彩る施策を一層推進してまいります。
公園整備事業については、市民による緑化推進の拠点となる呉羽山公園都市緑化植物園や、水と緑のネットワ-クを形成する城址公園、松川公園、また、身近な公園として城川原公園や水橋東公園などを計画的に整備してまいります。
また、ファミリーパークにおいて、体験的環境学習の拠点となる「自然体験センター」を建設します。

5. 都市景観の形成と市街地の整備

次に都市景観の形成と市街地の整備について申し上げます。
美しいまちの景観は、市民共有のかけがえのない財産であり、それを守り育てることは重要なことであると考えております。
このため、中心市街地の幹線における街路緑化景観の向上を図るとともに、総合的な景観施策の指針として、都市景観形成に関する条例の制定について検討してまいります。
土地区画整理事業については、山室第2地区や下新町地区において、幹線道路や区画道路を計画的に築造し、良好な市街地の創出に努めるとともに、組合施行として整備を進めている「西荒屋土地区画整理事業」に対する事業費の補助や、「藤木東地区」、「打出地区」等に対する事業化の支援に努めてまいります。
また、岩瀬地区において、地域の提案による旧家の風情や歴史・文化性を生かした公共施設整備を行い、市民との協働によるまちづくりに努めてまいります。

6. 住環境の整備

次に住環境の整備について申し上げます。
市民の住宅需要は多様化してきており、より良質で良好な住環境の整備が必要と考えております。
このため、総合的に住宅政策を推進する組織を設け、その基本的指針となる「住宅マスタープラン」を見直し、併せて「公営住宅ストック総合活用計画」や「高齢者住宅整備計画」も策定してまいります。
また、高齢者向け優良賃貸住宅制度に基づき、民間が建設する優良な賃貸住宅の建設費や家賃に対し支援してまいります。
さらに、公営住宅については、引き続き布目団地や上赤江団地の整備を進めるほか、新たに水橋中村団地の建替えの基本設計に着手します。また、高齢入居者に対応するため、バリアフリー化した「高齢者向け改善住宅」の整備や既設市営住宅でのエレベーター設置を図るとともに、リフォームなどの改修を行い、公営住宅の住環境の改善に努めてまいります。

7. 上・下水道の整備

次に、上・下水道の整備について申し上げます。
水道事業については、今後とも安全でおいしい水を安定供給できるよう、主要配水幹線の布設替えや新保水源配水池の築造などを進めてまいります。
また、基幹施設である流杉浄水場の改築に向けて、基本設計を行うこととしております。
下水道事業については、浜黒崎浄化センターの最終系列の増設と設備更新や幹線管渠の整備を計画的に進めるとともに、合流区域の排水能力向上と水質保全のため「下水道合流改善計画」の策定に取り組んでまいります。
さらに、新たに浜黒崎浄化センターにおいて「包括的民間委託」を導入するなど、簡素で効率的な企業経営に努めてまいります。
農業集落排水事業については、三郷地区・新保西地区で引き続き整備を進め、普及促進に取り組んでまいります。
この結果、本市の農業集落排水事業などを含めた汚水処理施設整備率は、平成15年度末には、おおむね90%に達する見込みであります。

(3)「個性と創造性を育むまち」をめざして

第3は、「個性と創造性を育むまち」についてであります。

1. ゆとりある学校教育の充実

まず、ゆとりある学校教育の充実について申し上げます。
小学校・中学校においては、子どもたちがゆとりある環境の中で、基礎・基本を身に付けるとともに、自ら問題を解決していく力など「確かな学力」の向上と、豊かな心を育てる「心の教育」の充実に努めてまいります。 特に、子どもたちの主体的・積極的な学習活動と読書活動が展開できるよう、学校図書の充実に努めます。
いじめ・不登校の問題や非行事件など子どもたちを取り巻く環境は、依然として憂慮すべき状況にあります。このため、スクールカウンセラーの増員や心の教室相談員などを配置し、きめ細かな相談体制を充実してまいります。また、教育センターでは、児童生徒並びに保護者の多様化する教育相談に、より適切に対応するため、臨床心理士の配置を充実し、その専門的な助言を得て、相談業務や指導体制の充実に努めてまいります。
また、国際化の進展に伴い、小学生・中学生の国際理解を高める必要があることから、外国語指導助手を全中学校に配置するとともに、小学校への配置を一層進めるため、その増員を図ります。

小学校・中学校の施設整備については、2か年継続で工事を進めております岩瀬小学校校舎の改築を行います。また、学校プールの改築やグラウンド改修をはじめ施設の維持修繕に努めるなど、安全で快適な教育環境づくりを計画的に推進してまいります。
また、新学校給食センターについては、調理・洗浄等業務を民間に委託して本年4月から開所いたします。
都心地区の小学校の統合については、よりよい教育環境の確保や教育効果の向上のため、地域の皆さんと話し合いながら、統合の具体化の検討を進めてまいります。

2. 生涯学習の推進とスポーツ・レクリエーションの普及

次に、生涯学習の推進とスポーツ・レクリエーションの普及について申し上げます。
物の豊かさから心の豊かさが求められる今日、充実した人生を送るためには、生涯にわたって学び続けることができる環境づくりや地域に根ざした学習の推進に努めることが必要であります。
このため、公民館のふるさとづくり推進事業を見直し、テーマ性をもった柔軟な講座を開設できるようにします。

図書館については、生涯学習時代における市民のニーズに広く応えていくために、蔵書の充実やインターネットによる貸出予約の受付、電子図書等による情報提供の充実を図るとともに、子どもの読書活動の推進にも努めてまいります。
郷土博物館については、耐震改修計画に基づき2か年継続で建物の整備を行ってまいります。
科学文化センターでは、今までの自然史、理工の枠にとらわれない個性的で特色ある展示室の更新に向けて基本設計を行います。また、ノーベル化学賞を受賞された田中耕一氏の功績を紹介するコーナーを設置し、市民や子供たちの夢と希望を育むとともに、「ジュニア科学賞・とやま」を設け、子供たちの創造性の育成に努め、粘り強く努力を積み重ねていくことを奨励してまいります。
スポーツ・レクリエーションの普及については、生涯スポーツ社会の実現に向け、「健康スポーツ」、「競技スポーツ」を両輪とした生涯スポーツの推進に取り組むとともに、その基本的な活動基盤となる総合型スポーツクラブの創設に向け、啓発・育成に努めてまいります。

3. 明日を担う青少年の育成

次に、明日を担う青少年の育成について申し上げます。
核家族化、少子化が進行する中で、家庭や地域における教育機能の低下が指摘されるなど、青少年を取り巻く環境は大きく変化してきております。このような中で、次代を担う青少年が豊かな人間性と個性を発揮し、心身ともに健やかに成長するための環境を整えることが大切であります。
このため、家庭、地域、学校と関係行政機関が一体となって、地域ぐるみによる健全育成を推進してまいります。
また、青年相互の交流と社会参画を促進するため、これまでの「若人の祭典」を見直し、新たに「青年男女の出会い創出事業」を実施し、青年の活力を地域社会に活かす環境づくりに努めてまいります。

4. 男女共同参画社会の推進

次に、男女共同参画社会の推進について申し上げます。
男女が、個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けた取り組みが必要であります。
このため、「富山市男女共同参画推進条例」を制定し、「富山市男女共同参画プラン」に基づく地域リーダーの活動推進や市民フェスティバル開催等の施策を、より一層積極的に推進してまいります。
また、女性交流センターを拠点施設として位置付け、名称を「富山市男女共同参画推進センター」に改め、講座や相談事業等の充実に努めてまいります。

5. とやまの文化の創造

次に、とやまの文化の創造について申し上げます。
市民生活に潤いや安らぎをもたらし、心の豊かさを実感できるまちづくりを進めるためには、地域文化を育てるとともに、常に新しい文化が生まれ育つ環境の整備が必要であります。
このため、市民芸術創造センターでは、増築棟も含めて活用の促進を図り、地域に根ざした芸術創造活動の積極的な支援に努めてまいります。
また、桐朋学園富山キャンパスでは、より充実した定期演奏会を開催するほか、引き続き小学校や保育所等への出向演奏会や学内演奏会を行うなど、市民との交流がより一層深まるよう支援してまいります。
さらに、オーバード・ホールでは、市民参加によるミュージカル「海底ホスピタル」や、キーロフ・バレエ「シンデレラ」など、大人から子どもまで幅広く親しめる作品を上演し、優れた舞台芸術に触れる機会の提供に努めてまいります。
ガラス芸術の分野については、ガラス美術館・ストリートエリアの計画に着手するとともに、「北陸のガラス作家たちグラスワークス2003」を開催し「ガラスの街とやま」を広くアピールしてまいります。また、市民が気軽にガラス造形を体験できるガラス工房の拡充整備に取り組みます。

6. 国際交流の推進

次に国際交流の推進について申し上げます。
国際化が一層進む中、姉妹友好都市をはじめ、諸外国の人々との交流機会の拡大を図ることにより、市民一人ひとりが国際社会の一員であるという自覚を深め、世界の多様な文化を理解することがますます重要となってきております。
こうした中で、国際感覚豊かな人材育成と世界に開かれた国際都市とやまのイメージアップを図るため、財団法人とやま国際センターが運営する日本語学校の支援等を行ってまいります。
また、姉妹友好都市との交流事業につきましては、秦皇島市から中学生友好訪問団や農業研修生等を受け入れし、ダーラム市へは、中学生親善訪問団を派遣します。さらに、昨年のワールドカップサッカーを契機として関心の高まった、クロアチアへ「市民の翼」を派遣します。

(4)「人びとが集い賑わうまち」をめざして

第4は、「人々が集い賑わうまち」についてであります。

1. 交流拠点都市の形成

最初に、交流拠点都市の形成について申し上げます。
北陸新幹線については、今後、地元との設計協議が行われることから、日本鉄道建設公団や県とともに早期建設に向け、沿線住民の理解が得られるよう努力してまいります。また、大阪までの一日も早いフル規格による全線整備の実現に向け、引き続き県や関係機関と密接な連携を図りながら国へ強く要望してまいります。
富山駅周辺地区南北一体的なまちづくりについては、平成15年度政府予算案に富山駅周辺連続立体交差事業調査費が盛り込まれたことから、鉄道の高架化とそれに伴う周辺整備についての調査・検討を進め、先日設立された「富山駅周辺連続立体交差事業促進期成同盟会」と一体となって、その早期実現に努力してまいります。
市街地再開発事業については、総曲輪通り南地区及び西町・総曲輪地区の再開発事業は、中心市街地の活性化をリードする重要な事業であることから、引き続き事業の促進に努めてまいります。
また、中央通り地区において、地元協議会が行う調査・啓発活動や計画作成調査などのコーディネート業務を支援してまいります。

このほか、都心の定住人口減少や高齢化などの社会情勢の変化に対応するため、中心市街地のまちづくりの整備指針である市街地総合再生基本計画の見直しや、都心居住の推進方策について調査検討するなど、中心市街地活性化策を検討することとしております。
さらに、本市における、これからの「まちづくり」の方向として、市街地中心部などへの人口回帰を図ることが重要となってきております。
このため、これまでの市街地整備というハード施策に加えて、ソフト事業を含めた施策の総合的な展開を図り、様々な都市機能が集積した「コンパクトなまちづくり」を進めることが必要と考えており、その基本的な考え方をまとめるための調査・研究を行ってまいります。

2. 行政情報ネットワークの整備

次に、行政情報ネットワークの整備について申し上げます。
質の高い市民サービスの提供と事務の効率化を図るため、様々な事務事業に積極的に情報通信技術を取り入れ、IT化を着実に進展させなければなりません。
このため、本市ホームページの内容充実、テレビ電話による地区センター窓口サービス支援事業の実施、全庁型地図情報システムの本格運用をはじめ、国や地方公共団体を相互に接続する総合行政ネットワークの整備や電子入札導入に向けた基本計画の策定など、各種情報化施策を推進してまいります。
住民基本台帳ネットワークシステムについては、平成14年8月に第1次サービスがスタートし順調に推移しており、さらに全国市区町村の住民票写しの交付や、転入転出の手続きの一部が簡略に行える特例処理、住民基本台帳カードの発行など、8月の第2次サービス開始に向けた準備を進めてまいります。
また、11月から、県内市町村の行政区域の枠を越えた戸籍などの証明書発行を行う、広域窓口サービスを開始いたします。
一方、情報化の進展とともに課題となるのが個人情報などの保護であります。本市が持つ情報資産を様々な脅威から守る必要があり、情報セキュリティ対策における基本方針や対策基準など、いわゆるセキュリティポリシーを策定し実施に努めてまいります。

3. 公共交通網の充実

次に、公共交通網の充実について申し上げます。
公共交通機関は、市民生活の様々な分野で人々の移動を担う重要な役割を果たしております。このため、市民に最も身近な公共交通機関である路線バスの維持存続や鉄道施設の近代化を図るため、交通事業者に対し、引き続き国、県とともに支援してまいります。
また、中心市街地への来街者の利便性を高めるため、既存の路線バスを有効活用し、高齢者を対象に利用促進を図るための事業を試験的に実施するとともに、中心地区での高齢者移動支援システムの導入に関する調査やJR呉羽駅におけるパークアンドライドの導入試行実験に取り組んでまいります。
さらに、第3回パーソントリップ調査等を踏まえ、本市の都市交通の課題を整理し、公共交通を中心とした都市交通のあり方や、都市交通施設整備の基本計画を作成してまいります。

4. 道路網の整備

次に、道路網の整備について申し上げます。
広域的な連携と交流を図る基幹道路の整備については、平成12年度に着工された西インターチェンジが、今月29日に開通することとなりますが、さらに地域高規格道路「富山高山連絡道路」、「富山外郭環状道路」、一般国道415号富山東バイパスなどの整備促進について、今後とも国・県に対し要望してまいります。
都市の骨格を形成する幹線市道の整備については、金屋線の一部と杉谷平岡線を供用開始するとともに、引き続き牛島城川原線、寺町線などの整備を進めてまいります。
さらに、市民生活に最も身近な生活道路については、舗装や側溝の補修・改良、変則交差点の改良を進めるとともに、障害者や高齢者の方々が安心して通行できる快適なバリアフリー歩道の整備に努めます。
富山外港の整備については、外港整備関連に関する各種調査を実施するとともに、船舶の大型化や国際化に対応できる高度な港湾機能を備えた整備に向けて、国・県に対し強く働きかけてまいります。

(5)「活力ある産業振興のまち」をめざして

第5は、「活力ある産業振興のまち」についてであります。

1. 商業・サービス産業の振興

まず、商業・サービス産業の振興について申し上げます。
空洞化が憂慮される中心市街地の活性化については、株式会社まちづくりとやまによるインキュベータ・ショップ運営事業や中心市街地活性化コミュニティバス運行事業に対して支援してまいります。また、同株式会社が開設する「まちづくり公房」において、市民からの企画・提案事業を実施するための調査など、市民参加によるまちづくり推進事業を支援し、市民、商業者、行政が一体となったまちづくりに取り組みます。
富山駅周辺地区のにぎわいと活性化を図るため、商業ビルCiCの空きフロアをコミュニティ活動や生涯学習、国際交流施設として整備し、商業・サービス産業の振興と行政サービスの一層の向上に取り組んでまいります。
中小企業者の事業経営の安定と資金調達の円滑化を図るため、引き続き、中小企業経営相談員を配置するほか、商工業振興資金融資制度について融資枠の拡大を行うとともに、信用保証料の全額助成を継続し、中小企業者の資金需要に応えてまいります。
デザインの振興については、「ポスターの街・とやま」の事業や富山市デザイン協議会の活動を支援するとともに、「富山デザインフェア」を開催し、本市の商業デザイン産業の育成を図ってまいります。
工芸の振興については、ガラス工芸の振興に努めるとともに、本市の貴重な伝統工芸である木象嵌の技術伝授を引き続き支援してまいります。

2. 工業の振興

次に、工業の振興について申し上げます。
企業を取り巻く経済環境は依然として厳しい状況ではありますが、産業の活性化と雇用機会の拡大を図るためには、企業誘致は大変重要であります。
このため、分譲成功報酬制度の新設やJR特急電車内の広告掲載などにより、金屋企業団地などへの企業誘致をより強力に推進するとともに、呉羽南部地区開発の事業化に向け、多様な企業ニーズに対応した供給方式の調査・検討をしてまいります。
また、医薬・バイオやITなど新しい成長産業の育成により、産業・経済の発展と活性化を図るための「ハイテク都市基本構想」を平成14年度に策定いたしましたが、その中核となる新たな産業支援基盤の実施計画策定に取り組みます。
薬業の振興については、県内外で「富山くすりフェア」を開催し、配置薬の販路拡大を図るとともに、県内外の配置販売業者と県内医薬品製造業者の交流を支援してまいります。

3. 農業の振興

次に、農業の振興について申し上げます。
農業の担い手不足や農畜産物の輸入増大、さらには農産物価格の低迷など厳しい環境の中で、生産性の高い農業の確立を図ることが必要であります。
このため、水田農業については、集落営農や大規模経営の育成を推進し、生産の低コスト化と規模拡大を進めてまいります。また、米の計画的生産と大豆などの作付けを推進するため、引き続き農業者などの取り組みを支援してまいります。
さらに、高品質で安全な農産物の需要の高まりと産地間競争の激化に対応するため、ラック式全自動低温倉庫の整備を支援してまいります。
農漁業に対する消費者の理解増進と地産地消の推進を図るため、農漁業体験など都市と農漁村の交流(グリーンツーリズム)を促進してまいります。また、力強い農業と住みよく活力ある農村づくりを目指し、生産基盤整備を進めるとともに、農村環境の整備に努め、さらに農業用水のミニ水力発電の可能性についても研究してまいります。

4. 水産業の振興

次に、水産業の振興について申し上げます。
水産業の振興については、水橋漁港では東突堤の整備などのほか、漁港利用調整事業(フィッシャリーナ)として西防波堤を整備いたします。四方漁港では沖防波堤の築造など、漁港の総合的な整備を進めてまいります。
また、漁業協同組合の合併に伴う基盤強化を引き続き支援するとともに、水産物の鮮度保持を図るための製氷貯氷施設を整備するなど、漁業の近代化や経営安定化を支援してまいります。

5. 観光の振興

次に観光の振興について申し上げます。
観光の振興については、通年・滞在型の観光を目指すとともに、人・もの・情報等の広域的で活発な交流が行われる、賑わいのあるまちづくりを推進していくことが必要であります。
このため、富山市内からの立山連峰などのライブ映像をホームページで紹介するほか、コンベンションなどで活用するため立山と富山市をPRするハイビジョンビデオを制作するとともに、コンベンション開催補助制度の充実を図るなど、観光客などの誘致促進に努めてまいります。加えて、松川、いたち川の新たな観光資源の発掘に努めてまいります。
観光行事については、「全日本チンドンコンクール」、「富山まつり」などの内容の充実に努めるほか、「とやまスノーピアード」への支援など、四季に応じた魅力あるイベントとして県内外に情報を発信してまいります。
また、富山観光物産センターの拡充整備に取り組むなど、観光情報発信機能の強化と観光客へのサービス向上に努めます。

6. 創業の支援と雇用の創出

次に、創業支援と雇用の創出について申し上げます。
昨年、開設いたしました「とやまインキュベータ・オフィス」において、情報関連分野等の創業者を支援してまいります。また、ベンチャー企業に対しても、創業の支援を拡大してまいります。
さらに、本市への企業立地を促進し、産業の活性化と新規雇用の創出を図るため「雇用創出企業立地助成金制度」を創設し、一層の雇用の拡大を図ります。
大変厳しい雇用情勢が続いていることから、多くの方に利用されている高年齢者職業相談室の充実を図るとともに、昨年に引き続き、雇用開発推進員による企業訪問を行い、新規求人の掘り起こしに努めます。また、雇用のミスマッチの解消を図るため、求職者を対象とした「IT能力開発講習」について、訓練コース及び定員を拡大するほか、IT学習支援推進員の配置による自学自習の場の提供などの施策を実施してまいります。
勤労者福祉の向上対策については、勤労者の生活の安定を図るため、勤労者小口資金融資制度を継続するとともに、富山市勤労者福祉サービスセンターの運営を支援してまいります。また、「呉羽ハイツ」と「とやま自遊館」については、現在管理運営する財団法人富山勤労総合福祉センターが雇用・能力開発機構から建物を取得することとしており、その経費について県とともに支援してまいります。

(6)「開かれた行政」の推進

次に、「開かれた行政」の推進について申し上げます。

1. 開かれた行政の推進

公正かつ透明で開かれた市政を推進するためには、市政への参画機会の拡大を図るとともに、市民と行政が常に情報を共有し、政策についてオープンに議論する市民と行政の協働によるまちづくりが重要であります。
このため、市内7箇所において、昨年に引き続き市民対話集会(タウンミーティング)を開催するほか、市政における重要施策をテーマとした市民との対話を行います。また、審議会等の委員公募を促進し、パブリックコメント制度を創設いたします。
さらに、市政情報の適時・適切な提供が不可欠であることから、審議会等の会議の公開や、市役所出前講座を始め、「広報とやま」や各種メディアによる広報等の充実により、常に新鮮で分かりやすい市政情報の提供に努めてまいります。また、ホームページの「広報とやま」を、音声変換ソフトにも対応可能なものとし、高齢者や視覚障害者に配慮した市政情報の提供に取り組んでまいります。
このほか、開かれた市政の推進と市政に対する市民の信頼向上を目的に創設した「富山市行政苦情オンブズマン制度」により、市民からの苦情に対し中立・公正な解決に努めてまいります。

2. 行政改革の推進

地方分権の大きな潮流の中で、地方自治体は、自己決定と自己責任の原則のもと、社会経済情勢の変化に的確に対応し、自主性と自立性に富んだ施策を実行するための行政体制を確立することが必要であります。
本市では、これまでも平成10年度に策定した「新富山市行政改革大綱」に基づき、事務事業の見直しや民間委託、適正な組織・人事管理などの推進を図り、簡素で効率的な行財政運営に努めているところであります。
今後さらに、新たな時代の要請に対し、迅速かつ柔軟に対応できるよう、行政評価システムの構築を行うとともに、組織体制の見直しや、市が50パーセント以上を出資する法人の見直しを進めるほか、引き続き、職員の意識改革を推進し、成果重視の行政運営に取り組んでまいります。

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4. 歳入予算の規模

次に、歳入予算の概要について申し上げます。
一般・特別・企業の各会計を通じて、歳入予算の計上にあたりましては、政府経済見通し、地方財政計画などを参考にしながら積算しております。
特に、市税については、国の経済動向、地方税制改正等による影響額、さらに平成14年度決算見込み額などを総合的に勘案し、計上したところであります。
地方交付税については、国の地方交付税総額や本市の基準財政収入額及び需要額の動向などを勘案し、見込み得る額を、国及び県支出金については、それぞれ事業に見合った額を計上しております。
市債については、地方債計画をもとに地方交付税措置のある有利な起債事業を厳選するとともに、できる限り市債の発行を抑制し、将来の財政の健全性に努めたところであります。
使用料・手数料については、過去の実績を勘案し、見込み得る額を計上しております。
また、繰入金としては、歳入不足を補うため、財政調整基金や減債基金などの一部を取り崩し、計上しております。

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5. その他の案件

次に、予算以外の案件について申し上げます。
条例案件は、「富山市介護保険条例の一部を改正する条例制定の件」ほか15件であります。
その他条例以外の案件では、「富山地域合併協議会の設置の件」について、議会の議決を求めるものなど4件であります。
以上が提出いたしました案件の概要であります。

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平成14年度補正予算等の概要

次に、平成14年度各会計予算の最終補正を行うものなどについて、ご説明申し上げます。
予算案件については、一般会計では、国の経済対策に伴うものとして、ケアハウスや特別養護老人ホーム建設に要する経費をはじめ、山室第2及び下新町土地区画整理事業に要する経費、北陸新幹線建設に伴う負担金、小学校の校内LAN整備に要する経費、小学校の屋内運動場改築や中学校の大規模改造に要する経費、40m級直進はしご消防車に要する経費などを計上しております。
また、富山駅周辺地区の賑わいと活性化を図るとともに、行政サービス拠点として整備するため、商業ビルCiCの空きフロアの取得に要する経費を計上しております。
その他の事業の主なものは、県施行の街路事業等の負担金や呉羽山公園、城址公園などの用地取得に要する経費などを計上しております。
精算補正については、補助認証の確定に伴うものや、国・県支出金、市債の増減などについて、財源の振替措置を行うものであります。
繰越明許費については、国の経済対策に伴う最終補正による事業や年度内に完了が困難な漁港管理費、市道整備事業費などについて繰越措置を行うものなど22件であります。

特別会計の主なものは、国民健康保険事業では保険給付に要する経費、交通災害事業では交通災害共済見舞金に要する経費、介護保険事業では保険給付費に要する経費などを計上しております。
病院事業会計においては、医薬材料費に要する経費などを計上しております。
専決処分については、除雪に要する経費の専決処分について承認を求めるもの、及び車両破損事故等の損害賠償請求にかかる和解の専決処分について報告するものなどであります。
なにとぞ、慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申し上げます。

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