定例記者会見 令和6年8月2日
- 日時 令和6年8月2日(金曜日)13時10分から13時35分まで
- 場所 市庁舎東館大会議室
発表項目
- 「富山市認知症高齢者見守りシール事業」について(福祉保健部長寿福祉課)
記者会見の内容
発表項目
「富山市認知症高齢者見守りシール事業」について
【市長】
全国的な高齢化を背景に、今後、認知症となる方の増加が見込まれる中、本市では、認知症は誰もがなり得るものとして、正しい知識の普及と理解の促進に努め、認知症になっても安心して暮らしていけるまちづくりを進めています。
この施策の一環として、認知症の高齢者の徘徊が発生した場合に、早期に発見し高齢者の心身の安全と、ご家族の安心につなげるための取組として、二次元コードを活用した「認知症高齢者見守りシール事業」を10月1日から開始します。
この事業は、徘徊の恐れがある高齢者やそのご家族に、二次元コードが記載されたシールを配布し、日ごろから身に着けるものや持ち歩くものに貼り付けていただきます。
実際に、徘徊が疑われる高齢者を見かけた場合、発見された方が、お持ちのスマートフォンでシールの二次元コードを読み取ると、事前に登録された高齢者の情報が表示されます。
その後、発見された方が、現在の居場所や高齢者の健康状態などを入力すると、家族にメッセージが届き、インターネット上の掲示板サイトで、発見者と家族が、お互いに匿名で、お迎えまでのやり取りを行うことができるというものです。
本事業を利用できるのは、認知症による徘徊のおそれのある高齢者で、「富山市認知症高齢者徘徊SOS緊急ダイヤル」に登録されている方です。
申し込みは8月1日から受け付けており、利用は無料です。申し込みをされた方には、二次元コードが記載されたシールを40枚配布します。
シールは、洗濯に強いアイロン圧着タイプの耐洗ラベルを30枚、暗いところでも光る蓄光シールを10枚配布します。
ご利用を希望される場合は、長寿福祉課又は、お住いの地区を担当する地域包括支援センターにご相談ください。
ご自宅で認知症の方を介護しておられるご家族の皆様には、徘徊はいつ起こるか予測がつかないため、万が一に備えて、早めのお申込みと登録をお願いします。
また、このシールは徘徊高齢者の早期発見につなげるための取組の一つではありますが、市民の皆様には、まず、外出先でお困りの高齢者を見かけた際は、やさしくお声がけいただくなど、社会全体で高齢者を温かく見守る地域づくりにご協力をお願いします。
質疑応答
【記者】
来年は終戦から80年という大きな節目を迎えます。今後、富山市として風化させないために取り組んでいくことはありますか。
また、富山大空襲や戦争に関する常設展示施設を設けるなどの予定はありますか。その理由もお聞かせください。
加えて、学校教育の面で戦争の悲惨さなどを語り継ぐため取り組んでいくことはありますか。
【市長】
本市では、これまでも、戦災、とりわけ富山大空襲によって焦土となった富山市の復興及び発展に努力された先人の功績をしのび感謝するとともに、今後の平和と発展を誓う目的のもと、毎年8月1日に開催している「富山市民感謝と誓いのつどい」において、本市が歩んできた幾多の困難や、それを克服してきた先人の歴史を学び、恒久平和について市民一人ひとりが考えていく風土づくりに努めてきたところです。
来年には戦後80年を迎えるわけですが、今後も実施主体となる「富山市民感謝と誓いのつどい」実行委員会の皆様方のご協力をいただきながら、戦争の悲惨さを後世に伝えるとともに、先人への感謝と平和の尊さについて思いを致す良い機会となるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
また、空襲や戦争に関する遺品や資料等については、令和2年度に開設したホームページ「富山大空襲の記憶」において、デジタルアーカイブ化したものを掲載しているところです。これに加え、「感謝と誓いのつどい」の会場においても、空襲当時の市内の様子や遺品等の写真パネルを展示し、ご来場いただいた皆様にご覧いただいています。
本市としましては、遺品等の資料は富山大空襲の惨禍を示す大変貴重な資料ですので、時間や場所を問わずご覧いただけることが重要であると考えています。
このことから、今後も市民の皆様から遺品等の資料提供を募り、ご提供いただいたものについては、引き続きホームページに掲載したいと考えています。現在のところ、常設展示施設の設置は考えていないところですが、戦後80年に向けどのようなことができるか、実行委員会の皆様の意見を伺いながら進めてまいりたいと考えています。
また、学校教育での取組については、小学校の社会科では、6年生の教科書の「長く続いた戦争と人々のくらし」という単元において、教育ボラ ンティアである地域の皆さんから富山大空襲等の体験談を聞くなどする機会を設けている学校もあり、戦争の悲惨さを実感し、平和について考える学習に取り組んでいると伺っています。
また、中学校の社会科において、副読本「郷土とやま」にある、「太平洋戦争時の富山は、どのような様子だったのだろうか」を授業において活用し、富山市街地の空爆の悲惨さを、「沖縄戦」や「広島・長崎の原爆投下」と関連づけながら学ぶことで、平和について考える学習を行っているとのことです。
さらに、国語科においても、小学校3年生から中学校3年生までの間に、戦争の悲惨さと不条理さを扱った教材を通して、平和の大切さについて考え、平和の尊さを実感できるように指導されているとのことです。
来年は戦後80年という節目となりますが、わが国の郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に貢献する態度を養うことは極めて重要であることから、市教育委員会では、引き続き、授業や学校行事等を通して、戦争の悲惨さや平和の意義について指導していく予定と伺っています。
【記者】
富山市認知症高齢者見守りシール事業について伺います。
この事業は他の自治体でも実施されていると思いますが、県内の取組状況はわかりますか。
【市長】
詳しくは担当課に聞いていただければいいのですが、私が知る限りでは、県内12の自治体で、既に行っていると(いうことです。)。富山市が今年から開始し、残りの自治体も(今年度中に)始めるということですので、県内すべての基礎自治体でこの取組が行われる、要は富山県全域で行われるということになると思っています。
【記者】
(富山県)全域で行われるということは自治体間での連携もできるということでしょうか
【市長】
もちろんそのような側面もあると思います。ただし、これは二次元コードの読み取りで(事前に登録された高齢者の情報が表示され)、ネット上の掲示板で(発見者と家族がやり取りできるので)、場所や時間は関係ありません。二次元コードを読み取れば、どこからでもやり取りができるということです。
ただ、意識の醸成としては、県内すべての基礎自治体が一緒の方向を向いて、一緒のツールを使って、徘徊高齢者対策、認知症対策に取り組むということに間違いないので、非常に良いことだと思っています。
【記者】
いじめの件に関して伺います。
先日、以前も意見書を出した保護者の方が2回目の意見書を教育委員会に出したという報道がありましたが、現時点で報告書は市長のところに届いていますか。
【市長】
(本日)午前中に、教育委員会から報告を受けました。
【記者】
今後の対応はどのようになりますか。
【市長】
文部科学省が定める市長による再調査の要件がありますので、そのようなものに照らし合わせて、報告書の内容、添えられている意見書の内容を十分に精査し、今後考えてまいりたいと思っています。
(本日)午前中にいただき、報告を受けたばかりですので、しっかりと読み込んで、私の方でも考えたいと思っています。
【記者】
パリオリンピックに関連して伺います。
現在開催中ですが、スケートボードの中山選手が7位となり、今日もバスケットボール(1次リーグ最終戦)があります。開催期間中ではありますが、富山市出身の選手の頑張りについて、市長の所見をお願いします。
【市長】
水球なども含めて、(富山市出身の選手の活躍は)大変うれしいことであり、村上英士朗選手はこれからですが、中山楓奈選手、八村塁選手、馬場雄大選手等も頑張っていただき、大きな感動をいただいているところです。元気もいただいています。
中山楓奈選手は、今回のオリンピックに至るまで、鎖骨を骨折するような大けがをされ、十分に練習できない時期もあったわけですが、持ち前の根性と周りのサポートなどもあり、しっかりと(期待に)応えていただいて、7位入賞、決勝まで進んで素晴らしい結果を残していただいたと(思います。)。途中のけがで本当に苦しんでいた時期を知っているだけに、非常に感動しました。残りの選手もこれから出場されますので、しっかり応援したいと思います。今日の18時からキャニオンストリートで、パブリックビューイングでバスケを応援しようという企画がありますので、そこには顔を出して、しっかり応援したいと思っています。
【記者】
今日、バスケットボール(1次リーグ最終戦)の応援があるタイミングで八村選手がけがをして(チームを離脱して)しまいましたが、何か受け止めはありますか。
【市長】
まず率直に残念ですが、けがですのでしっかりと治してもらいたいと思っています。誰もが知る、心技体の整ったスーパースターであり、富山にとっても宝物だと思っていますので、まずはしっかり治していただきたいと思います。朝乃山も一緒です。
【記者】
以前の会見で、能登半島地震の公費解体を7月中に着手したいという意向を示していらっしゃいましたが、現時点ではまだ富山市内では着手されていません。所有者の家財道具の運び出しなどに時間を要しているといった話も伺っていますが、まだ(解体が)始まっていない現状をどう受け止めていらっしゃいますか。
また、今後について、できるだけ早く進めていきたいのか、若しくはどのように進めていきたいのか、いつごろ着手したいのか、見通しをお聞かせください。
【市長】
当初は7月には着手したいと言っていましたが、今ほどご指摘のあったとおり、家財道具などを運び出す、あるいは次の住居を探す、引っ越しをするといったことに住民の皆さんは少し時間がかかっていらっしゃいます。そのようなところをしっかり整理できれば、8月には着手したいと考えています。
(6月28日までであった)当初の申込み(申請期限)を9月末までに延長しましたが、これについては申請の様子も見ながら、フレキシブルに考えていきたいと(考えています。)。
ただ、年度内を目途に解体を終えたいという目標はあります。今のところ13件の申請があり、そのうち受理したものは11件だと聞いています。申請者の方との調整が整えば、すぐに着手するということだと思います。
【記者】
市長としては、なるべく早く解体を進めていきたいという思いを持っているということですか。
【市長】
いつ崩れるかわからない、傾いて危険な状態のところにいらっしゃるよりは、出ていただいて、解体した方が、安全上良いのではないかと考えています。
【記者】
富山大空襲に関する展示について伺います。
オンライン上でデジタルアーカイブ化されたものを見られるということですが、実際に物を見たり、触れる場所は既にありますか。
また、そのようなものをつくる意味、資料提供されたものを実際に目で見るのと、インターネット上で見るのとでは少し違いもあるかと思います。その辺りの見解を教えてください。
【市長】
まさに実物を見るというのは「百聞は一見にしかず」で、画面で見るのとは違います。おっしゃられたとおり、実物を見ることは私も非常に大事だと思っています。これは大前提にあります。先の大戦の記憶をしっかりと後世に伝えていくことが我々の使命だと(思っています。)。これは報道もそうですが、我々役所の人間もそのような使命を帯びていると思います。特に富山大空襲においては、市街地の99.5%が焦土となり、しかも、地方都市としては、人口当たりの死者数や負傷者数が最大だったということもあります。このような事実が79年前にあったということを、現存したその時の被災した物を通して、現物を見て考えていくということは非常に大事だと考えています。
私の戦争体験というのは、私の父親が中心市街地に住んでいました。西四十物町です。父親は、私の藤井という家に養子に来ていて、その実家が西四十物町にあり、そこはやはり(空襲で)焼けたんですね。おじいちゃんとおばあちゃんは無事だったわけですが、西田地方小学校の同級生の家や知り合いのおじちゃん、おばちゃんの家なども含め、周りは焼け野原になったわけです。現在、私の住んでいるところは農家でしたので、(大空襲から)数日後、私の父親は、リュックサックにいっぱいのおにぎりを作ってもらい、実家に向かったわけです。そうするとそのような状況であったと(いうことでした。)。家にたどり着く前に知り合いや友達がいて、おにぎりを1個1個配りながら行ったら、実家に着くとリュックの中が空っぽになっていたと、父親はそのような話をよくしてくれました。
このようなことは、自分にとっては生の戦争体験なんだと(思います。)。このようなことを語り継いでいくことは非常に大事だと思っています。それは物に対しても一緒です。ですから、機会があれば、現在、インターネット上で公開していますが、実物を展示するということに関してその意味は十分に認識していますので、しっかりといろいろな方の意見を聞きながら、議論をしていきたいと考えています。
【記者】
先ほど、どのような取組ができるか実行委員会の意見も踏まえながら考えていきたいという発言もありました。以前、富山大空襲を考える会の方からも要望が出ていると思いますが、現物を見られるような場所については、意見も踏まえながら、前向きにという形でよろしいでしょうか。
【市長】
現物の展示も踏まえて、今後いろいろな人の意見を聞いて議論してまいりたいということです。ですから、戦火を通り抜けてきたそのもの、その語り継ぎなども含めて、そのようなものは、インターネット上で発信する場合とは違うものを後世に伝えられると思いますので、私は大切なものであると考えています。
【記者】
今の質問に関連して伺います。
これまで、富山大空襲の常設展示についてはどのような市民からの要望があったんでしょうか。
【市長】
(富山大空襲を)語り継ぐ会といった団体の方々や、その他にもいくつか個人的な要望もあります。富山市民の中には、ご実家が空襲に遭われた、ご親族などを空襲で亡くされたという方が非常に多いわけです。そのときのことをしっかりと後の子どもたちにも伝えていきたいという思いは非常に強いわけです。団体のみならず、いろいろな市民の方々から、役所に対しても、私個人に対してもですが、そういった要望は寄せられています。
※発言内容を一部整理して掲載しています。・・・富山市広報課
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