定例記者会見 令和7年1月21日
- 日時 令和7年1月21日(火曜日)13時10分から13時35分まで
- 場所 市庁舎東館大会議室
発表項目
- 写真展「写真と言葉の“往復書簡”」の開催について(企画管理部広報課)
- 「令和6年度富山市防災講演会」の開催について(防災危機管理部防災危機管理課)
記者会見の内容
発表項目
写真展「写真と言葉の“往復書簡”」の開催について
【市長】
本市では、写真を通して本市の魅力を市民自らが発見し、市への愛着や誇りを抱くことによりシビックプライドを醸成すること目的とした「アメイジングトヤマ・フォトプロジェクト」を実施しています。
このプロジェクトは市出身の写真家で市政策参与であるテラウチマサト氏が監修しており、今年度はプロジェクトの一環として、新たに「写真と言葉の往復書簡プロジェクト」を実施しています。この往復書簡プロジェクトでは、公募した高校生や中学生と、現在「アメイジングトヤマ写真部」として活躍している社会人がペアとなり、昨年7月から12月に開催した4回の講座に合わせて、毎回写真とメッセージを交換し、それぞれの世代が考える富山の日常の魅力を共有しました。
また、講座ではテラウチマサト氏から参加した学生と社会人へ意欲の高まるような温かいアドバイスを頂いたと聞いています。
このたび、往復書簡プロジェクトの成果を写真展として展示しましたのでお知らせします。期間は令和7年1月11日(土曜日)から3月17日(月曜日)まで、場所はオーバード・ホール中ホール2階ギャラリーです。ホール開館中は、どなたでも無料でご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りいただきたいと思います。
展示作品は、「富山市の好きな場所」や「日常の風景」、「友人のスナップ」などの写真に、参加者の豊かな感性あふれる温かいメッセージが添えられており、学生と社会人との世代を超えた心温まる交流を感じていただけると思います。
また、2月28日(金曜日)には、参加者の学生と社会人を招いた、テラウチマサト氏によるギャラリートークを予定しています。一般参加も可能となっていますので、ぜひご来場いただきたいと思います。
「令和6年度富山市防災講演会」の開催について
【市長】
本市では災害に対する知識と理解を深め、日頃からの備えに役立てることを目的として、毎年、市民等を対象とした防災講演会を開催しています。今年度は、2月17日(月曜日)14時から、オーバード・ホール中ホールにおいて開催します。
今回は、富山大学都市デザイン学部と連携し、「能登半島地震から1年 何をまなび、何をいかすか」と題しまして、富山市でも大きな混乱と被害が発生した、能登半島地震の経験を振り返り、次の災害へどう備えるか、様々な立場・視点から共に考えていくものです。
講演会では、富山大学から、能登半島地震における市民の避難行動の人流データに基づく「津波からの避難行動」や、「能登半島地震と富山湾の海底地すべり」について話題提供をいただきます。そのほか「次の災害に活かすこと」をテーマにパネルディスカッションを行います。
講演会への参加は無料で申込みは不要となっていますので、防災への意識を高めるきっかけとして、ぜひ多くの市民の皆様にお誘いあわせの上、参加していただけると非常にうれしく思います。
なお、詳しいことについては、担当の防災危機管理課までお尋ねください。
質疑応答
【記者】
「こどもまんなか社会」について、今年度は当初予算で「子育て日本一とやま特別枠」を設定され、ほぼ1年経ちました。「こどもまんなか」の実現や少子化対策、人口減少対策の観点で、どのような成果があったと考えていますか。
また、現状の課題や今後必要だと感じている取組はありますか。
【市長】
まず我々の社会の大きな問題の一つである少子化、これに歯止めをかけるためには、社会全体を子どもや子育てに優しい「こどもまんなか社会」に変えていく必要があると考えています。このため、令和6年度当初予算では、「子育て日本一とやま特別枠」として、出産・子育て環境の充実、切れ目ない子育て支援などに重点的に予算を配分し、41事業、3億円余りを計上しています。
主なものとしては、「こどもまんなか社会」の実現に向けた機運の醸成、妊婦歯科健診の自己負担の廃止、第3子以降の保育料無償化、市の産後ケア応援室に加え、民間の産科医療機関での産後ケアの提供(などです。)。これ(民間の産科医療機関での産後ケア)は、最長1年ということも実現しました。
なお、広い意味で言うと富山市民病院で今まで地道に行ってきた無痛分娩なども妊婦さんにやさしい取組の一つであったと考えています。
これらの成果は、すぐに少子化の反転などにつながるものではないと思いますが、全庁的に「こどもまんなか」な視点から施策に取り組んだことや、「こどもまんなか推進ロゴマーク」による路面電車のラッピングやバナーフラッグの掲出などを通じ、市民の皆さんが、子どもや子育てを応援する意識を持つきっかけになり、少しずつ広がってきたと実感しています。
今後も、今年度中に策定する「(仮称)富山市こども計画」に基づき、子どもや若者のニーズを的確に捉え、実効性のある施策を、全市一丸となり取り組んでまいりたいと思っています。
このような取組により「こどもまんなか社会」の実現を目指していますが、この間も、若年女性の転出超過や婚姻数、出生数の減少は続いています。このことは、富山市にとっては大きな課題と捉えています。
今後は、若者や女性に選ばれるまちを目指し、魅力的な雇用や住環境の創出、若者の実質所得の向上、男女の出会いの機会の創出など(により)、本市での就労、結婚、子育て(の希望を叶えることが必要と考えます。)。また、若い女性に聞いてみると、楽しい場所がないという答えもかなりありますので、わくわくするような楽しい場所の創出を皆さんと一緒に図っていくなど、総合的に努力していく必要があるのではないかと思っています。
このためには、市民や企業・団体の皆さんの協力も不可欠であり、結婚や子育ての喜びを伝えながら、未来の子どもたちのために、今を生きる私たちが責任を持って、活力ある地域社会を引き継ぐ意識を社会全体で共有し、「こどもまんなか社会」を実現させていきたいと考えています。
【記者】
ニューヨーク・タイムズの「2025年に行くべき52か所」に、富山市が選ばれました。改めて、インバウンドの誘致促進や訪れた人の満足度向上のためにどのように取り組みたいと考えますか。
【市長】
今回の選定は、戦災による焦土からの復興など、先人のたゆまぬ努力により、本市の食や文化、自然、伝統芸能が、戦火を超えて脈々と受け継がれてきたということだと思います。これに加え、本市が全国に先駆けて取り組んできたコンパクトシティ政策の成果として、産業やまちづくり、公共交通が総合的に評価されたものと考えています。このことから、これまで郷土の発展にご尽力された先人の皆さんに心から感謝するとともに、今を生きる市民としては、素直に市民の皆様と喜びを分かち合いたいと思います。
本市が選定されたことについて、今回記事を書かれたクレイグ・モドさんのインタビューなどから拝察しますと、日本の大都市圏やインバウンド需要が高い地域ではなく、中核都市に非常に関心をお持ちのようです。記事の中でも、本市は「混雑を回避しながら文化的な感動とグルメを味わえる」と評価されています。非常にわかりやすい評価だと思っています。
このことから、「コンパクトシティ政策」の成果である中心市街地の回遊性の良さを活かし、ガラス美術館などの文化施設を周遊したり、新鮮な食材、地物野菜や海産物を使った美味しい料理を味わうことのできる地元ならではの飲食店で、ゆったりとした時間を過ごしていただければと考えています。
また、日本の主だった観光地では、オーバーツーリズムが問題となっています。今回の選定をきっかけに、これまで以上に富山市、富山県へのインバウンド需要が高まることが想定されることから、しっかりとそれに備えていく必要があると考えています。
記事で紹介されたガラス美術館や越中八尾おわら風の盆、飲食店はもとより、魅力的な施設やイベント、食文化がありますので、今回紹介されなかった、いわゆる日頃から我々が楽しんでいるようなスポットにも光が当たるよう、情報発信を強化していきたいと思います。
また、施設の案内表示(について)、わかりにくい、どこへ行けば何があるのかよくわからないという声もありますので、こういったものの多言語表記、パンフレットやマップ、ホームページなども含めて多言語対応できるようにしっかりと整えていきたいと思います。
また、来訪される方の満足度につながる方策が非常に大事ですので、いろいろな業界団体や飲食店、ホテル、観光関係の業を営んでいらっしゃる方、タクシーなども含めて、そういった方々の意見も参考にしながら、一緒になってお迎えする準備を検討してまいりたいと考えています。
さらに、国内外からいらっしゃった方の満足度が上がるよう、快適に旅行していただいて、将来的にリピーターとして富山ファンになっていただくということが大事だと思いますので、まちの美観や安全対策も含めて、これまで以上に受け入れ体制の強化を進めたいと思っています。
昨日もワンチーム富山連携推進本部会議が開催されましたが、富山県は富山市を含む15市町村ですが、県内をしっかり回遊できるように、富山県内でお泊まりいただいて、それぞれの市町村でおいしいものを食べたり、散歩したり、名物スポットを巡ったり、アクティビティを楽しんだりできるように、ワンチーム富山として富山県内全域で取り組んでまいりたいと思っています。
また、北陸3県では、石川県も金沢市以外にも良いところがたくさんありますし、福井県にもたくさんあります。北陸3県の協力や、お隣の飛騨市、新潟県、長野県にはアルペンルートもありますし、そういったところにも目を向けていただけるような連携も模索していけたらと思います。
今、東京(方面)から来られる方は、まずは長野で乗り降りされて、次に金沢で乗り降りされる、圧倒的にそのような(移動)パターンですので、そういった方々が分散されて、(その他の)日本の地方の良いところに目を向けていただければ幸いです。
千載一遇のチャンスですので、その効果がしっかり持続されていくよう今回のことをきっかけに、本市の魅力の発信を強めていく、あるいは先ほどから何度も言いましたように観光客誘致の体制を進めていく、多言語対応なども含めて外国からいらっしゃる方々への対応もしっかりと進めていくということだと思います。
こういったことが、北陸全体の回遊性を高めて、ひいては能登をはじめとする被災地、富山県内では本市も被災しましたが、(被害の大きかった)氷見をはじめとした被災地への応援につながっていくと感じていますので、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
【記者】
ニューヨーク・タイムズの選定を受けて、「すしのまちとやま」(のPR)についても連携していくとすごく良い機会になるのではないかと思いますが、寿司のPRという面では、今回どのようなチャンスと捉えていますか。
【市長】
世界的に寿司の認知度は非常に上がっていますので、(富山市の)「すしのまちとやま」、県が実施している事業「寿司と言えば、富山」ともうまく連携して、良いお店やお寿司を紹介していけたら良いと思います。
加えて、ますの寿しもあります。富山の特産で県内全域にありますが、(店舗ごとに)味が違いますので、こういったものの紹介(もしていきたいと思います。)。
(また、)富山は、カウンターがあって職人さんが一貫一貫握ってくれる寿司ももちろん素晴らしいですが、回転寿司や我々が普段から家族連れで行くようなお寿司屋さんでもおいしいものをたくさん出してくれます。日本の素晴らしい文化ですので、そういったこともお寿司と絡めて、発信していきたいと(思います。)。
そして、お寿司に付きものなのはやはり地酒ですので、地酒なども絡めて(PRしていきたいと思います。)。最近は富山県の輸出産品の中で日本酒は伸びていますので、この機会に本場のお寿司を楽しみながら、地酒を楽しんでいただくというような取組も進めていきたいと思っています。
【記者】
ニューヨーク・タイムズの件で伺います。
今回、(富山市を)選定してくださった(クレイグ・)モドさんと懇談したり、こちらにいらっしゃってお話をする機会はありますか。
【市長】
まだ報道で知る限りしか(情報が)ないので、できればぜひお会いして、いろいろなお話をしながら、富山市の活性化に関するヒントをいただければと思っています。
【記者】
3月に北陸新幹線が開業して10年、敦賀延伸から1年という節目を迎えます。この10年を振り返って、新幹線の開業が富山市にもたらした経済効果やにぎわい創出についてどのように考えていらっしゃるか受け止めをお聞かせください。
また、この先の5年、10年、20年を見据えたとき、この新幹線を活かして富山市はどのようなまちづくりをしていきたいか、考えをお聞かせください。
【市長】
北陸新幹線が開業していよいよ10年、敦賀まで(延伸して)1年になります。首都圏からの移動人口、観光客やビジネス客を含めて移動されてくる方々が爆発的に増えたと考えています。
ビジネス客ももちろん増えているのですが、それだけではなく、週末に目がけて金沢や富山、特に富山市で宿泊を伴って食事やレジャーを楽しんで帰られるといった方々が非常に増えています。首都圏から2時間ほどで来ることができるというところも踏まえて、今後も持続的に効果が続いていくのではないかと考えています。
これを今後どのようにつなげていきたいかということですが、やはり首都圏、特に東京への一極集中というのはなかなか変わらないので、東京というのはそれだけ魅力的な都市ですし、日本の中の核ですので、それはそれで栄えてほしいというのが本心です。やはり核がないと、地方も光らないと思います。(それを踏まえて、)東京にない良いものが富山にはたくさんあります。それも2時間で来ることができます。例えば、先ほど言ったとおり、週末を富山で楽しむということもありますし、月に何度も富山行くのであれば(富山に)マンションを持とうとか、アパートを借りよう、一軒家を借りようといった話になりますよね。そのように、2拠点居住をされていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいますが、これからも増える傾向にあるのではないかと思っています。そういったところにもスポットを当てていきたいと思います。
少し角度が違いますが、現在、富山市は空き家対策が非常に大きな課題の一つになっています。現在、7,000件以上の空き家があります。これをどう利活用していくかというのは大きな課題ですので、政策的にはそういうところをつなげていくことも含めて、富山に滞在して富山で過ごす時間を増やしていただく、2拠点居住する、ひいては富山に住んでもいいんじゃないかと(思っていただく)、移住していただく方も増やしていきたいと思います。
産業やビジネスについては、新幹線があることで今後も盛んになっていくと思っています。
【記者】
ニューヨーク・タイムズの件に関連して伺います。
先ほど、今後取り組みたいことをお答えいただきましたが、この後の春節やゴールデンウィークといった大型の休みに大きな人の動きがあると思います。直近のそういった人の動きに向けて、早急に取り組みたいことや受け入れ体制など何か考えていることはありますか。
【市長】
そこには間に合わないと思いますが、とにかく今、富山市や富山県にあるもの、お店やタクシー、観光案内などを1度チェックして、中国や台湾からのお客さんは従来からある程度いらっしゃいますので、すぐにできること、例えば表記の見直しや関係者への相談などは、できるだけ短期間でやっていきたいと思います。本格的なことは予算に係わってくることもあるので、3月(補正)やその次の補正などで、できるだけ早期に政策的に実施していかなければしっかりとした受け入れ体制にはならないだろうと考えています。
【記者】
「こどもまんなか」に関する質問の答えに、男女の出会いというところを応援していかなければいけないというお話がありました。以前、担当課に尋ねたところ、現状、富山市としては婚活や結婚支援のようなことはされていないとお聞きしました。男女の出会いというのは、市として具体的にどのような支援をやりたいのか、どのような支援が必要と考えているのか、お聞かせください。
【市長】
これまで、一緒にボランティアをして、そのあとに交流会をするといったことや、グループを作って一緒に読書会をするといったことを実施していましたが、県の婚活サイトが非常に好評ですので、本市もそこに協力していますが、市独自のものとしては少し下火だったのではないかと思っています。令和5年は旧婦中町エリアで、一緒に集まって交流したりするイベントなどをしながら、おせっかいさんのような活動について、予算を計上して、そういった男女の交流イベントを支援しました。
どれがという決め手は別として、そういったものを一生懸命、地道にやっていくしかないのではないかと思っています。来年度の予算は骨格予算ですので、いずれかの補正でそのようなアクションを伴うような事業が入ってくるかもしれないですし、出会いの場の創出は本当に大事だと思っていますので、今後しっかりと取り組んでまいりたいと思っています。
※発言内容を一部整理して掲載しています。・・・富山市広報課
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