定例記者会見 令和6年7月19日

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ページ番号1015839  更新日 2024年8月2日

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  • 日時 令和6年7月19日(金曜日)13時10分から13時45分まで
  • 場所 市庁舎東館大会議室

発表項目

  1. 令和7年度富山市の重点事業について(企画管理部企画調整課)
  2. 「富山市スマートシティ推進プロジェクト創出事業」の実施について(企画管理部スマートシティ推進課)
  3. 「指定産科医療機関での産後ケア事業」の開始について(こども家庭部こども健康課)

写真:定例記者会見 令和6年7月19日

記者会見の内容

発表項目

令和7年度富山市の重点事業について

【市長】
このたび、令和7年度予算編成に向けて、富山市の重点事業に関する国及び県への要望をとりまとめましたので、ご報告します。
本日の発表に先立ちまして、先日、市議会とも連携して、知事と県議会へ直接要望してまいりました。
今回は全体で48件あります。新規事業が6件、継続事業が42件です。本日は、新規事業の6件についてご説明します。

まず一つ目は、こどもまんなか社会の推進についてです。
国では、「こどもまんなか社会」の実現を掲げ、次元の異なる少子化対策として、集中的な取組を実施することとされています。本市においても、昨年6月に行った「こどもまんなか応援サポーター宣言」を踏まえ、「子育て日本一とやま」の実現を目指し、切れ目ない子育て支援策の実施や、社会全体で子育てを支える機運の醸成などに取り組んでいるところです。このため、こどもまんなか社会の実現に向け、こども・子育て政策の促進と、基礎自治体ならではの本市独自の施策に対する財政支援を国にお願いするものです。

二つ目は、「富山市・高岡市・射水市による消防艇の共同運航」に伴う消防艇の整備への財政支援についてです。
富山市、高岡市、射水市の3市は、国際拠点港湾に指定された伏木富山港を有していますが、現在、富山市と高岡市がそれぞれ保有する消防艇は老朽化が著しく進んでいます。このため、本年2月に、富山市、高岡市、射水市の3市は、消防庁が進める「消防の広域化及び連携・協力の推進」による消防力の強化に呼応し、新たに消防艇を共同で整備、運航することに合意しました。共同運航に向けては、令和7年度から2か年で消防艇を整備することとしていることから、令和7年度末とされる緊急防災・減災事業債の事業期間の延長を国にお願いするものです。
また、国から財政支援のある消防の広域化や連携・協力に資する市町村の取組に対する県の補助金制度の創設など、共同運航に伴う消防艇の整備への財政支援を県にお願いするものです。

三つ目は、令和6年能登半島地震からの早期復旧・復興に向けた支援についてです。
本年1月に発生した能登半島地震により、本市においても道路、港湾、農地などの公共インフラに大きな被害が発生したほか、液状化による甚大な住宅被害など、複合的な被害を受けています。本市では、「富山市復旧・復興ロードマップ」により、復旧・復興の全体像を見える化し、全市一丸となり、取組を進めているところです。このため、被災地域の早期復旧・復興に向け、漁港施設や農地、農業用施設の復旧及び、公共施設と宅地との一体的な液状化対策に対する技術的・財政的支援を国にお願いするものです。

四つ目は、都市浸水対策の推進に係る財政支援についてです。
都市化の進展や気候変動の影響等により、近年、大規模な浸水被害が多発しており、これまで以上に高まる水害リスクへの対策強化が急務となっています。こうした中、令和4年度から策定を進めている「新・富山市浸水対策基本計画」では、気候変動を踏まえた計画降雨の見直しと、その降雨を前提とした施設整備によるハード対策を位置付けることとしています。
また、流域治水の考え方を踏まえた、国や県をはじめ、多様な主体との連携による施策や内水ハザードマップの作成など、ハード・ソフトの両面から対策の強化を図ることとしています。
このため、「新・富山市浸水対策基本計画」に基づく雨水幹線及び貯留池の整備や、内水ハザードマップの作成など、都市浸水対策の推進のため、さらなる財政支援を国にお願いするものです。

五つ目は、神通大橋・八幡橋など、重要橋梁の更新事業の推進についてです。
本市では、高度経済成長期に整備され、老朽化に伴う、更新時期を迎える橋梁が今後、集中的に増加する見込みです。とりわけ、神通大橋や八幡橋は、主要路線に位置し、市民の日常生活や都市の発展を支える重要橋梁です。いずれも50年以上前に架けられた橋梁であり、劣化損傷が著しい状況にあります。現在、更新に向けて計画的に事業を進めているところですが、膨大な事業費や長期にわたる事業期間が想定されることから、更新事業を適正に進められるよう、事業費の確保や充実について国にお願いするものです。

六つ目は、クマによる人身被害防止対策の推進についてです。
全国的に市街地へのクマの出没による人身被害などが大きな問題となっておりますが、昨年は本市においても住宅地などへの出没件数が急増し、7件9名の人身被害が発生しました。本市では、これまでも住民に自己防衛方法や誘因物となる柿の木等の除去に関する普及啓発に努めるとともに、警察や猟友会等、関係機関との連携を強化し、クマ出没時の正確な状況把握や住民への迅速な注意喚起に取り組んできました。
しかしながら、今年に入ってからも、市内で約30件の目撃情報があり、うち1件は人身被害が発生しています。加えて、昨年よりも早い時期から出没しているという状況です。クマによる人身被害の防止は喫緊の課題であり、本年4月にクマが指定管理鳥獣に追加されたことから、抜本的に人身被害防止対策を強化してまいりたいと考えています。このため、本市が実施予定のAIカメラと防災行政無線の活用による人身被害防止対策への財政支援などについて、国及び県にお願いするものです。

以上が、令和7年度富山市重点事業のうち、新規事業の6件になります。
今後、国会議員や市選出県議会議員の先生方、並びに国の省庁等の関係機関に対し、市議会とも連携して強力に要望活動を展開してまいりたいと考えています。

「富山市スマートシティ推進プロジェクト創出事業」の実施について

【市長】
この事業は、今年度新規事業として実施するもので、様々な社会課題解決に効果があると見込まれるものの、まだ世の中には十分認知されていない製品やサービスに対し、市が支援することで、その有効性検証を後押しし、新たなスマートシティ関連サービスの創出につなげるものです。
この実証事業に係る経費の2分の1を対象に、500万円を限度とする補助を行います。
このたび、3件の事業を採択し、早ければ今月中から実証事業を開始します。

採択事業の一つ目は、NiX(ニックス) JAPAN(ジャパン)株式会社提案のTOYAMAロードパートナー実証事業です。
収集・運搬事業者が持つ道路清掃車等に車載カメラを取り付け、撮影した映像から路面の損傷状況をAIで解析し、道路管理業務への効果を検証するものです。道路巡視の強化によって、市民の皆様の安全、安心の向上につながることを期待しています。

二つ目は、株式会社via-at(ヴィアート)提案の地域スポット活用デジタルクーポンプラットフォーム事業です。
店舗や施設にICタグを設置し、利用者がスマートフォンをタッチするだけで、施設の入退館管理から料金決済までを可能にするシステムです。
例えば会議室の貸出において、入口でのタッチで入室の把握ができ、利用後、出口でのタッチで決済、退出の把握ができるという使い方ができるというものです。遊休資産の活用や、サービス提供の省力化につながるものと期待しています。

三つ目は、LOOVIC(ルービック)株式会社提案の近ミライ移動支援サービス事業です。
GPSの緯度経度情報に音声データを組み合わせ、誰でもツアーガイドになれる音声によるナビアプリを提供するものです。例えば、ファミリーパークのような施設での音声ガイドや、お孫さんが吹き込んだ声と一緒に散歩ができ、その度に何度も聞くことができるなど、高齢者の外出機会の創出につながるような事業展開についても期待しています。

これら三つの事業について、2月末までの実証を予定しており、この事業により、市民目線の困りごと・地域の課題を解決するスマートシティ事業創出の活性化につなげていきたいと考えています。

「指定産科医療機関での産後ケア事業」の開始について

【市長】
本市では、安心して子育てができる支援体制の整備を目的として、産後の母子に対して心身のケアや育児のサポートを行う産後ケア事業を実施しています。その取組の1つとして、産後1年以内の母子を対象に、市内の指定産科医療機関において宿泊型のショートステイ、通所型のデイケアが利用できる指定産科医療機関での産後ケア事業を、7月22日から開始します。

本市では、平成29年度から、まちなか総合ケアセンター内の産後ケア応援室において、産後4か月までの母子を対象に産後ケア事業を実施していますが、このたび、より身近な地域の医療機関で産後1年までの母子が利用できるよう事業を拡充したものです。

利用方法については、まず、市の子育て支援ウェブサイト「育さぽとやま」や、富山市母子健康手帳アプリ、事業リーフレット等に掲載の二次元コードから、事前にオンラインで利用申請をしていただきます。利用申請後、市から利用証明が届きましたら、希望の医療機関等に予約し、ケアを受けていただきます。

利用形態は、一つに1泊2日のショートステイ、二つに4時間のデイケア、三つに6時間のデイケアの3種類から必要に応じて選択でき、それぞれ費用の一部を個人負担していただきます。主な支援内容として、産後の母親の生活面や心理面のケア、子育てに関する相談や指導が受けられます。
現時点では、市内3か所の産科医療機関で受付開始となりますが、医療機関によって提供できるサービス内容が異なりますので、内容を確認の上、ご予約をお願いします。

産後のお母さんがご自身の状態に応じて、必要な時期にこの事業をご利用いただき、産後ケアを通して子育てを行うご家庭のサポートにつなげたいと考えております。

 

質疑応答

【記者】
6月末、富山市でクマによる今年初の人身被害が発生しました。そこで、改めて今後の市のクマ対策についてお聞きします。
環境省が4月にツキノワグマを指定管理鳥獣に追加しました。今後、国から詳細が降りてくるところだと思いますが、それによって、今後の市のクマ対策事業にどのような変化が生じてくるのか、見通しを教えてください。
ハンターのなり手不足・高齢化も全国的な課題となっていますが、富山市のハンター数の現状をどう捉えていますか。また、ハンターを増やすための取組などありましたら、ご教示ください。

【市長】
昨年、本市においてクマが大量出没し、今年に入ってからも人身被害が発生しています。本市におけるクマによる人身被害の防止は喫緊の課題と捉えています。財政支援や県・市一体となった対策の推進を要望事項として先程説明させていただきましたが、本市の新規重点事業としたところです。

ご質問にありましたとおり、国においては、昨年、全国的にクマによる人身被害が過去最悪になったことを踏まえ、本年4月にクマを指定管理鳥獣に追加されたところであり、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金が、クマの捕獲をはじめ、モニタリング等の調査や出没防止対策など、総合的なクマ対策に対して活用が可能となると伺っています。

このことにより、これまで本市が推進してきた地域での果樹伐採等の環境整備活動への支援事業等の拡充や、先程も触れましたがAIカメラと防災行政無線の活用を図るような新規事業の創設につながるとともに、人の生活圏との棲み分けを図るゾーニング管理など、国・県と一体となった集中的かつ広域的な事業として展開することが大事であると考えていることから、本市としましては、今後国から具体的な支援策の内容が示されると思いますので、その状況を注視しながら、関係機関と連携強化を図っていきたいと考えています。

二つ目の(質問の)捕獲を担うハンターの現状についてですが、クマ等の捕獲を担うハンター、本市では鳥獣被害対策実施隊となります。その任に当たっていただいているのが猟友会の会員の皆さんです。現在、136名で構成され、5年前と比較すると10名増加しています。
現在のところ、本市の有害鳥獣捕獲活動等において、人手不足による支障は生じていないと伺っていますが、隊員の平均年齢は64.6歳と、高齢化が進んでいる状況です。
このため、本市では、有害鳥獣対策の担い手のすそ野を広げるため、狩猟の意義や捕獲の必要性を伝える「狩猟入門ガイド」を毎年開催しているほか、狩猟免許取得に係る経費の一部を支援する事業を実施しています。今後もこの取組を継続することで、鳥獣被害対策実施隊の育成と有害鳥獣の捕獲強化につなげてまいりたいと考えています。

なお、過日、富山市猟友会の皆さんの総会に参加させていただき、直接意見交換をしましたが、やはり駆除の対象がクマとなると経験が非常にものをいう、初めてだとすごく危ない、どうしていいかわからないほどパニックになるということで、ベテランの方と若い方、新しい方がセットになって、ベテランの方の技術や経験をしっかり現場で伝えていきたいと、猟友会の方、駆除隊員の方がおっしゃっていました。そのような様々な年代の方が、駆除隊として、協力して技術や心構えを伝承していくことも非常に大事であると感じています。

【記者】
産後ケア事業に関して確認します。
これは今まで実施してきた産後ケア応援室を医療機関でも実施した上で、さらに対象を広げたというイメージでよろしいですか。

【市長】
現在(産後ケア事業を)実施している産後ケア応援室は、まちなか総合ケアセンター内にあります。この応援室は、部屋の造りなど施設の構造上、生後5か月以上の乳児への対応や、上のきょうだいと一緒に見て欲しいという方が多いのですが、そのような対応ができないということがあります。できれば対応して欲しいという利用者の声を多く聞きます。富山市の施設では4か月までしか見られないという制約があり、特に若い子育て中のお母さんからのリクエストで、(産後)1年ぐらいはいろいろな相談ができたり、サポートしていただければ非常に助かるということもありました。(また、)民間の産科医と意見交換をしている中で、「産科医療機関において(産後)1年まで拡充した事業を(実施)できますよ」、という前向きな意見もいくつかいただき、今回の事業に至ったわけです。
指定産科医療機関というのは市が指定した産科医療機関ですが、うれしいことに3つの医療機関に手を挙げていただき、そこでは(産後)1年間、産後ケアが(利用)できるということです。加えて、(今回指定された医療機関で出産された場合、)自分が出産した産科医を選ぶことができます。妊娠期から継続してお世話になっている先生の下で、産後1年いろいろな相談ができるというのは安心感につながりますので、そのような面では、民間の方々に感謝申し上げたいと(思います。)。非常に積極的な姿勢でこの事業に手を挙げていただきましたので、感謝しています。
また、現在、富山市(民)限定のサービスになっていますが、このような事業は隣の自治体で(サービスに)差があることはどうなのかといつも思っているので、できれば県などにもお手伝いいただきながら、広域的に、富山県全体で実施するといったことに今後発展していけばすごく良いと考えています。

【記者】
指定医療機関3か所はどこの医療機関ですか。

【市長】
かんすいこうえんレディースクリニック、なかしま産婦人科、吉本レディースクリニックの3医療機関です。

【記者】
スマートシティ推進プロジェクト創出事業について伺います。
来年2月までの実証事業に対して富山市として支援を行うということですが、その後についてはどのように考えていらっしゃいますか。

【市長】
実証事業がうまくいけば、富山市でまず実装していただくことが先だと思いますが、サービスそのものは(企業の)商品ですので、全国的に横展開していただいても良いです。実証がうまくいけば、富山市で実装していただいて、その後、自社のノウハウを横に事業展開していただければ良いと思っています。
やはりスマートシティ推進プラットフォームを立ち上げて感じるのは、アイデアやノウハウ、技術があっても、資金源がない、お金がないということが、特にスタートアップ企業の一番困りごとと言いますか、企業が困っていることなんですね。そこに対して富山市として資金面でもサポートしようということで、今回(実証事業に係る経費の)2分の1、上限500万円(を補助する)という事業につながっているということだと思います。
また、住民の皆さんとのやりとりの中で、こんなことに困っている(と言われることの)大部分は、移動手段、買い物、医療機関といったものです。加えて安全安心です。そのあたりも踏まえて、実装できそうなものをある程度選択するということは大事だと思います。展開的には、富山市で実装できれば、その企業のノウハウで全国展開してもらっても、富山市としては、それはそれでうれしいことになると(思いますし)、企業としても育っていただければと思います。

【記者】
富山市で実証事業を支援し本格的に製品になった際には、例えば富山市には低価格で入るなど、何かメリットがあったりするのでしょうか。

【市長】
それは民間企業との話合いになると思います。富山市内で横展開するときは廉価で横展開していただくなど、これからの交渉になるかと思います。

【記者】
北陸新幹線(延伸に伴う)小浜ルートの建設費が当初の見込みよりも大幅に高くなるという報道が出ています。あくまで報道ではありますが、藤井市長は現在、北陸新幹線関係都市連絡協議会の会長という立場であり、そのような立場から、建設費の増額、(資材費)高騰についてどのように見ていますか。また、改めて今、小浜ルートだけではなく米原ルートといった意見も一部で出てきていますが、そのあたりも含めてどのようにお考えですか。

【市長】
前提として、現在決定されている小浜ルート、これは大前提だと思います。ですから、北陸新幹線関係都市連絡協議会の長としては、そのルートで一刻も早く大阪まで開通するように要望していくというのが基本姿勢であると思います。その上で、資材高騰や報道で言われている様々な困難な状況があります。例えば、住民の理解が得られるのか、自治体の負担が著しく大きくなるのではないかといった懸念もありますので、そのような不安材料については、今後注視していく必要があるのではないかと思っています。北陸新幹線関係都市連絡協議会の中でも、いろいろな議論がこれから出てくると考えていますので、皆さんといろいろな議論をしてみたいと思っています。

【記者】
(北陸新幹線延伸に関して、)いわゆる費用対効果が、今の(報道にあったとおり)増額のままであれば、(投資に対して)1を下回るということも言われています。そのように効果も薄くなってしまうといったところに関しての受け止めはありますか。

【市長】
協議会の趣旨というのは、早く小浜ルートで京都を通って大阪までつなぐ、ということが大前提としての目標としてありますので、そのことについてしっかりと要望していくことが第一義です。その上で、今ほどおっしゃった、コストが甚だしく高くなる、効率が甚だしく悪くなる、完成時期が甚だしく延びてしまうといった問題も今後出てくるかと思いますので、そのようなこともしっかりと研究して議論していきたいと思っています。

 

※発言内容を一部整理して掲載しています。・・・富山市広報課

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