『ローカルファースト』という価値観 2022年4月5日

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ページ番号1002978  更新日 2023年1月6日

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春の陽気に誘われて家の周辺を散歩してみる。雪解けの農道法(のり)面にフキノトウが顔をのぞかせている。朝焼けの立山連峰の残雪がまぶしい。3月初旬には、水田やため池などで越冬していた白鳥の北帰行が見られ、SNSや報道を通じてホタルイカ水揚げの便りが届いた。新しい命が芽吹き、生物が活発に活動する、そんなコトやモノの一つ一つに幸せを感じ、ワクワクする季節である。つい数週間前までは道路除雪の心配をしていたのに、もう少ししたら松川べりの桜の花が満開になるのだから、これもまた「富山の四季」の幸せなのである。

話は変わるが、過日、一般財団法人ローカルファースト財団が主催するシンポジウム「行政と民間が連携して地域を育てていくために」に参加させていただいた。財団の資料によると、「ローカルファースト」とは、ライフスタイルの提唱、選択の基準、そして豊かさの本質を問う言葉でもあり、地域の企業が自分たちの住む「まち」の未来を考える時、いかに地域を理解しているか、まちの人、物、場所、文化などに愛情を持っているか、人々のニーズに寄り添い続けられるか、皆が真に豊かに暮らしている情景をきちんと想像できているかが大切で、それらを導き出す価値観だということである。同財団は、ローカルファーストという理念のもと「持続可能な未来を拓き、健康で明るく豊かな社会をつくること」を目的に事業や研究・啓発活動をされている。表現こそ多少の違いがあるが、自分が目標にしている「幸せ日本一とやま」の創造に近い価値観を持った活動だと感じた。

富山には、豊かな自然と文化、独自の祭りや風土があり、各々の地域には自治会活動や町内会活動、PTA活動や体育協会の活動などが人々の繋(つな)がりを紡ぎ、消防団や地域見守り隊の活動が地域の安全や安心をつくっている。これらの環境が残っていることこそが富山の宝物であり、その幸せを未来へ繋げていくことが極めて大切だと最近つくづく思うのである。

地域の主人公は、そこで暮らす人であり企業である。人にはどんな些細(ささい)なことであれ地域の一員として「地域活動に参加」することが大切である。企業には、事業を通しての社会貢献以外にも、雇用の創出や社員の暮らしの向上、地域の一員として如何(いか)に「まちづくりに貢献」するかが求められている。行政には、主役である「地域で暮らす人や企業」をサポートし、彼らが如何に活(い)き活(い)きと輝いて活動できるかを考え、寄り添い、共に歩いていけるかが求められている。今こそ「ローカルファースト」な価値観や生き方が大切だと思う。

写真:シンポジウムの様子
学生や社会人が未来を共創し地域課題を解決

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