フットパスと呉羽丘陵の新たな夜明け 2023年12月5日

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ページ番号1014201  更新日 2023年12月6日

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呉羽丘陵の呉羽山公園と城山(じょうやま)公園は、県道富山高岡線(旧国道8号)により88年間の長きにわたり分断されてきた。しかし、去る10月26日に両公園をつなぐ「呉羽丘陵フットパス連絡橋」が完成し、分断箇所が繋(つな)がったことは、歴史的にみても今後の富山市の活性化の観点からも大きな意味がある。今後は、呉羽山側の旧富山観光ホテル跡地の公園整備や城山側の通路整備に着手し、完了は2026年度になる予定であるが、歴史ある約15キロにわたる尾根道を「フットパス」という新しい形で完成させる決意を新たにしている。

さて、「フットパス」という言葉に馴染(なじ)みがない方もおられると思うが、日本では約20年前から使われている。イギリスを発祥とする「フットパス」は、森林や田園地帯、古い街並みや遺跡など、地域の自然や歴史・文化に親しみながら、歩くこと(Foot)を楽しむための散歩道(Path)のことである。

呉羽丘陵は、富山県のほぼ中央に位置し富山市中心部に近く、東に富山市街地や立山連峰、西に二上山や新湊大橋、南に牛岳や八尾の山並み、北に富山湾が一望できる風光明媚(めいび)な里山である。エドヒガンやヤマザクラ、カスミザクラをはじめとする樹木や富山を代表する草花が自生し、四季折々の豊かな自然を身近に感じることができる。西側斜面の眼下には、明治30年頃から栽培されている広々とした梨畑が4月末には一斉に花をつけ、朝露に光る白い絨毯(じゅうたん)のような光景は実に美しいものである。加えて呉羽丘陵には、悠久(ゆうきゅう)の歴史ロマン溢(あふ)れる北代縄文広場(復元)、百塚住吉遺跡、古沢塚山古墳、番神山(ばんじんやま)横穴墓群、白鳥(しらとり)城址などの貴重な遺跡や史跡、民俗民芸村や富山ガラス工房、ファミリーパークなどの見どころが満載なのである。

また、呉羽山観光協会やNPO法人きんたろう俱楽部、呉羽丘陵月いちウォーク実行委員会など、呉羽丘陵の歴史や文化の伝承、森林環境の整備、フットパスを活用した心身の健康づくりを行っている団体が呉羽丘陵で活発に活動していることは、本当に素晴らしく嬉(うれ)しいことである。

それらの名勝・名所や市内外から訪れる人々を結ぶ「呉羽丘陵フットパス」を存分に活用しその価値を高めていくこと、その価値を未来へ繋げていくことこそが今を生きる私たちに課せられた大きな使命だと考えるのである。そのためにも、先(ま)ずは呉羽丘陵の様々(さまざま)な魅力を自ら歩いて体感することから始めたいと思うのである。

※呉羽丘陵フットパス連絡橋は、12月~3月の冬季期間、安全のため閉鎖しています。

写真:フットパス連絡橋から見える立山連峰
フットパス連絡橋から見える立山連峰

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