米国紀行その1 2025年7月5日
去る5月4日から12日まで、実に22年ぶりにアメリカ合衆国を訪れた。今回は、富山市長として、市の重要施策を推進するための「3つのミッション」を持っての渡米であった。
思い起こせば前回は、2003年、日本青年会議所富山ブロック協議会の青少年育成事業「少年の翼」で、80名の県内中学生と約20名のボランティアスタッフによるオレゴン州ポートランドでのホームステイ体験事業の団長としての渡米であった。目的や訪問地は違えども、活気に満ち溢れた米国の印象は当時のままであった。
ただ、当時と明らかに違ったのは、重量級の米国車に加えて電気自動車やハイブリッド車など、環境に配慮した車(日本車やドイツ車、米国テスラ社製)が多く走っていたのと、500mlのペットボトルの水が約300円、ラーメン1杯が約3,500円、世界的ハンバーガーチェーンの朝メニューが約1,200円、飲食店店員の時給が約2,500円以上、大卒者の初任給が年棒900万円以上など、円安の影響もあるとは言え生活物価や賃金がずいぶん上がったという点である。今のところ米国景気は底堅く推移しているが、いわゆるトランプ関税が企業や消費者の活動を抑制し、インフレを加速する懸念を心配する声が多く聞かれた。ちなみに、お土産店のTシャツや帽子などの大統領グッズの多くが中国製だったのには苦笑するしかなかった。
さて、前述した「3つのミッション」に話を戻すが、1つ目は、ワシントンD.C.にある世界銀行本部で開催された「土地会議2025」に参加し、持続可能な土地利用と都市管理計画の事例として、本市のコンパクトシティ政策やスマートシティ政策を発表することによる国際貢献と本市の知名度アップ。2つ目は、ニューヨーク州コーニングにある世界最大かつ最も重要なガラスコレクションと歴史的資料を収蔵するコーニング・ガラス美術館を訪問し、同美術館と市ガラス美術館の「文化プロジェクトに関する相互協力協定(令和3年4月締結)」に基づいた市ガラス美術館での企画展への協力依頼や、研修派遣による学芸員のスキルアップ、世界最高峰かつ先進的な取り組みを学ぶことにより、市ガラス美術館・富山ガラス造形研究所・富山ガラス工房の3施設連携による「ガラスの街とやま」の将来を展望。3つ目は、ニューヨーク州マンハッタンで開催された、日本に関するイベントでは現地で最大とされる「ジャパンパレード&ストリートフェア2025」に、越中八尾おわら保存会や市観光協会、ワシントン富山県人会・ニューヨーク富山県人会とともに参加し、おわら風の盆をはじめとする伝統文化や食、大自然など、本市が誇る魅力を直接海外にPRすること。
「百聞(ひゃくぶん)は一見(いっけん)に如(し)かず」という諺(ことわざ)があるが、米国の現状や世界の潮流(ちょうりゅう)を、現地へ行って自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の肌で感じ、世界の方々と交流することの大切さを改めて再認識させられた実り多き渡米であった。次回からは、現地での珍道中やエピソードを交えて紹介させていただきたい。(続く)

ご意見をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
企画管理部 広報課
〒930-8510 富山市新桜町7番38号
電話番号:076-443-2012
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。