ペットは大切な家族 2022年9月5日

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ページ番号1002983  更新日 2023年1月6日

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11年前の冬、昨夜から30センチを超える積雪があり底冷えのする朝だった。雪かきをしようと外に出ると、玄関の軒下に1匹の毛並みの良い白黒の猫がうずくまっていた。よく見ると口の周りが白くなんとも愛嬌のある顔だ。田河水泡先生の代表作「のらくろ」の主人公は犬であるが、そのような顔立ちである。どこかの飼い猫だろうか、小刻みに震えながらか細い声で人懐っこくまとわりついてくる。ほどなく飼い主のもとへ帰るだろうと思い、頭をポンポンと撫でてから雪かきを始めた。その様子をじっと眺めていた猫は、雪かきが終わってもまったく帰る気配はなく、その晩帰宅した時にはちゃっかり我が家に上がり込んでいた。飼い主が見つかるまでの居候と思っていたが、「のら」と名付けたその猫は今や我が家の大切な一員である。

同年の夏、我が家にとって初めての室内犬であるミニチュアダックスフンドがやってきた。名前は「ラブ」、子犬の頃は、ちょっと目を離すとごみ箱をひっくり返したり、食卓の上のお惣菜を食べ散らかしたりと、かなりのやんちゃぶりであった。叱られると何ともバツの悪い顔をして、すごすごと自分のハウスへ入って行く。今はすっかり落ち着いているが、人懐っこい性格で人の顔色もよく見ている。この2匹はすぐに仲良くなり、寒い日などは何時も寄り添って寝ている。

ちなみに、最近この2匹にフレンチブルドッグが仲間入りした。真っ白な毛並みだが名前は何故か「クロ」である。天真爛漫で活発、障子戸の枠や椅子の脚をかじっては家人を困らせている。成犬になれば落ち着くと知人から教わったので、しばらくは我慢である。この新入りともすぐに打ち解けた2匹の先輩たちであるが、度が過ぎたわんぱくぶりには少々引き気味でもある。

想えば自分が物心ついたころから、我が家は犬猫を飼っていた。自分の動物好きもこの家庭環境の影響である。他界した父が晩年認知症を発症してからは、よく「ラブ」が傍らにいて話し相手になっていた。犬は主人の気持ちをよく理解すると言われるが、なるほどその通りだと思う。

さて、飼い主にとってペットは、子どもの時に出会い自分よりも早く亡くなることが多い。ペットと多くの時間を共有し心を通わせるほど、別れは辛く悲しいものである。彼らは、命の大切さをその身をもって教えてくれている。最近は、ペットの飼育放棄が社会問題化しているが、いかなる理由があろうと決してあってはならない身勝手な行為である。ペットは言うまでもなく大切な命を持つ家族の一員なのだから。

写真:犬と猫
人懐っこい「ラブ」犬の「クロ」、引き気味の猫の「のら」

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