地域や人を繋(つな)ぐ祭り 2023年9月5日

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ページ番号1013535  更新日 2023年9月5日

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コロナの影響で中止されていたお祭りが、ようやく3~4年ぶりに開催されていることは大変喜ばしいことである。富山市には、その成り立ちや歴史こそ異なるが実に様々(さまざま)なお祭りがある。自分の町内では、村の鎮守(ちんじゅ)の春祭りに青年会が五穀豊穣(ほうじょう)と家内安全を願って獅子舞を奉納する。その獅子が一日中町内を練り歩き、とりわけ新築や新婚のお宅などは、獅子舞を招いて家内安全や子孫繁栄を願うのである。子どもの頃は、幼馴染(おさななじ)みと夜が更けるまで獅子の後を追いかけたものである。

ところで、祭りには、自分の年齢やその時の状況などにより実に様々な思い出があると思う。友人や家族との思い出、笛や太鼓の音色、街の賑(にぎ)わい、露天商、風の香り、温度や湿度のような空気感などである。歳を重ねるにつれて同じ祭りでも感じ方は違ってくるが、どんな祭りにおいても子どもの頃の思い出は特別である。かつて父の実家が市街地にあったことから、子どもの頃は「山王まつり」が楽しみだった。露天商が立ち並び沢山(たくさん)の人出で賑わう活気ある雰囲気にワクワクした。中学生の頃には自転車でおわら風の盆にも出かけたが、おわらの風情はそっちのけで友達と遊び惚(ほう)けたものだ。高校生の時に初めて観た「岩瀬曳山車(ひきやま)祭」の曳き合いは衝撃的で、山車同士がぶつかり合う鈍く低い音、若者たちの意気込みと熱気に驚いたものである。今年初めて訪れたのが150年以上の歴史を持つ「水橋橋まつり」である。白岩川河口近辺の情緒に加え花火や演出まで、住民や商工会・地元企業が協力して祭りを盛り上げているところが実に素晴らしい。

さて、先日お隣の町内会の納涼祭が4年ぶりに開催された。山裾の集落では夜風に清涼感も感じられる。地元建設会社の所有するトラックの荷台がメインステージ、広場にござを敷いた会場は手作り感いっぱいである。ステージ上はのど自慢カラオケ大会や若者のバンド演奏で大いに盛り上がる。町内会役員や女性部・青年部による模擬店は、生ビールに焼き鳥・焼きそば・たこ焼き・富山の郷土料理「あんばやし」など、相当の気合の入れようである。お年寄りから子どもまで多くの住民が参加し、この納涼祭に合わせて帰省する地元出身者や学生さんもおり、近況報告や思い出話に花が咲きみんなの笑顔が溢(あふ)れている。何とも温かい人と地域の繋がりが感じられる納涼祭である。

歴史や規模は様々だが、人々を繋ぎ地域に活気をもたらす「祭り」は、故郷への愛情を育む富山の宝である。富山の祭りが世代を超えて引き継がれ、未来へと続くことを切に願うものである。

写真:祭りの思い出
祭りの思い出

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