「こどもまんなか社会」を創ろう! 2024年8月5日
夏本番、日差しが強く汗ばむような朝である。出勤の道すがら、今日も小学生を交通事故などから守ってくれている、地域の自主防犯パトロール隊や交通指導員、PTAの保護者会の皆さんなどの熱心な活動を目にする。「おはようございます!行ってこられ!」と元気なあいさつが飛び交う朝は実に気持ちいいものだ。自分自身も、自分の子どもたちも、地域の大人たちに見守られて登下校したことを思い出す。この見守り活動は、もちろん寒い雪の日や強い風雨の日も、小学校の授業がある日の朝夕は毎日当たり前のように行われている。登下校の見守りは基本的にはボランティア活動であり、「地域の子どもは地域で守り育てる。」という地域愛で成り立っている。私たち大人は、日常当たり前のように目にするこの活動が、決して当たり前ではなくむしろ本当にありがたい「地域の力」だということを再認識しなければならない。本当に頭が下がる思いである。
ただ一方で、急激に進行する核家族化や地縁の希薄化、コロナ禍の影響なども相まって、子どもたちや子育てをする家庭を取り巻く社会環境は大きく変化している。生きづらさを感じる子どもたちや子育てのしづらさを感じる家庭が増えているのも事実であり、子育てや少子化に関すること、児童虐待やいじめ・ひきこもり、経済格差や貧困などの社会問題が明らかに加速化・顕在化している。これらの問題は決して他人事ではなく、大人である私たち一人一人が、自分事として捉え社会全体で解決すべき緊急事態であることを肝に銘じなくてはならない。
ところで皆さんは、「こどもまんなか社会」という言葉をお聞きになったことがあるだろうか。昨年の4月1日に国において、子どもや家庭を取り巻く社会問題を解決するための対策を推進するべく「こども家庭庁」が設立された。「こどもたちのために何がもっともよいことかを常に考え、こどもたちが健やかで幸せに成長できるような社会を実現する」ことを目標にしているのだ。富山市ではこれに呼応して、昨年6月に「こどもまんなか応援サポーター宣言」を行い、その趣旨に賛同していただける市民や企業・団体の皆さんと協力して「こどもまんなか社会」に向けた様々な施策を総動員し加速している。
元気いっぱい登下校するこの子どもたちが、やがて大人になり子育てをするようになった時、「家族や親戚だけではなく、地域の方々にお世話になって育てていただいたのだ。」という感謝の気持ちが心の底から湧いてくるのだと思う。地域に育てられた大人たちが、今度は地域の子どもたちを見守り、自治振興会や町内会、PTAや消防団、スポーツ協会などの地域活動を担ってくれる。そんな「善の循環」が富山には間違いなく根ざしているし、「こどもまんなか社会」実現への大きな原動力になると確信している。

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