市民に愛される、普段使いのホールを目指して 2023年8月5日

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1013381  更新日 2023年8月3日

印刷大きな文字で印刷

去る7月1日に、待望のオーバード・ホールの「中ホール」がオープンし、記念の杮落(こけらおと)し公演が行われた。歌舞伎俳優で人間国宝の坂東玉三郎(ばんどうたまさぶろう)さんと、佐渡島を拠点に国際的に活動している太鼓芸能集団・鼓童(こどう)さんによる「アマテラス幻想」である。今回の公演のもととなった「アマテラス」は日本神話を題材に構成されており、平成18年に玉三郎さんと鼓童さんが初共演して大好評を博した初演から、18年にわたり進化を遂げながら各地で公演され今日に至っている。「アマテラス幻想」は、富山特別企画として玉三郎さん自身が演出と振り付けを組み直したとお聞きしている。この手の舞台芸術に疎(うと)い自分にとっても、鼓童さんの力強くもリズミカルな和太鼓の響きに繊細で妖艶な玉三郎さんの表現力が見事に調和し、全ての邪気を払うような神々しく感動的な舞台であった。今後もオープニング記念公演として、各界で活躍されているアーティストによるコンサートや演劇、ダンスパフォーマンスや落語など、様々(さまざま)なジャンルの演目を準備してお待ちしているので、ぜひ一度訪れて体感していただきたいと思う。

さて、話は変わるが、開館記念式典での新田八朗知事の祝辞が巷(ちまた)で話題になっている。過日、ある新聞社のコラムにも取り上げられていたが、知事は、富山市に現存するホールをビアジョッキに見立て、2,196席のオーバード・ホール大ホールを大ジョッキ、283席の市民プラザ・アンサンブルホールを小ジョッキ、その中間が中ジョッキ・652席の中ホールであると例えたのである。大ジョッキでは大きすぎるし小ジョッキでは小さい、そんな方々にとってちょうどよいサイズ感の中ジョッキが出来て、演者の選択肢が増えることにより更さらなる芸術・文化活動の発表の機会が増え、県民や市民のウェルビーイングの向上につながるのだ、とのことである。まさに言い得て妙である。

中ホールは、可動式客席となっており、メインステージでの演劇やコンサートをはじめ、センターステージでのファッションショーやスポーツイベント、平土間(ひらどま)使いの展示会など、アイデアによって様々な可能性が広がる。プロを目指す桐朋オーケストラ・アカデミーや市民楽団の演奏、地域で活動するバレエ団や音楽教室、劇団や民謡の会、学校の吹奏楽部や演劇部などの発表など、演じ手にとって使い勝手が良いホールである。また、客席とステージが近いので、観客は演者の表情や息づかいを感じることができる。加えて、練習室や音楽鑑賞室も備えており、普段からの活動拠点として利用もできる。

作った仏に魂を入れるのはこれからである。市民の皆さんの普段使いがあってこそ、寄って良し・観て良し・演じて良しの「マイホール」としての愛着が育まれ、ひいては芸術や文化・芸能を通した市民の「心の豊かさ」や「幸せ」につながってゆくのだと思う。

写真:中ホール開館記念式典
メインロビーで行われた開館記念式典

ご意見をお聞かせください。

このページに問題点はありましたか?(複数回答可)

このページに関するお問い合わせ

企画管理部 広報課
〒930-8510 富山市新桜町7番38号
電話番号:076-443-2012
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。