令和6年能登半島地震備忘録~明日のために(2)~ 2024年3月5日

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1014755  更新日 2024年3月5日

印刷大きな文字で印刷

元日に発生した能登半島地震(最大震度7・マグニチュード7.6)は、阪神・淡路大震災(1995年・最大震度7・M7.3)や熊本地震(2016年・最大震度7・M7.3)を上回る、私たちがかつて経験したことのない大地震であった。富山市においては、観測史上初となる最大震度5強を記録し、人身被害や液状化現象の発生による建物や道路・橋梁(きょうりょう)の破損、斜面の崩落、農業施設、漁業施設などにも大きな被害が発生した。そして、自分の心の何処(どこ)かにあった「立山が守ってくれているから富山は大丈夫」という根拠のない安心感は一瞬にして吹き飛んだのである。

気象庁のデータによれば、富山県の地震発生回数は、2014年から昨年までの過去10年間において全国47都道府県で最少だった。一方で、本県に大きな被害をもたらした大地震を長いスパンで振り返ると、天正地震(1586年)や飛越地震(1858年)、平成19年能登半島地震(2007年)などがある。全国的には、阪神・淡路大震災(1995年)、新潟県中越沖地震(2007年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、北海道胆振(いぶり)東部地震(2018年)などは記憶に新しいところである。

最近よく言われることだが、まさに「天災は忘れた頃にやって来る(寺田寅彦)」ならぬ「天災は忘れる前にやってくる」のである。それ故に私たちは「必ずやってくる地震や風水害などの自然災害から大切な命や地域を守るため、今すぐに可能な限りの備えをしなければならない。」ということである。

そのためには、自分の身の回りで起こりうる自然災害リスクを知った上で、災害リスクに対して正しく備える必要があるのだ。

以前、自然災害への備えという観点から「自助・共助・公助のまちづくり」というエッセイを2022年10月5日号に掲載した。ここからは、大地震発生時に大切になる「自助・共助・公助」の役割について、皆さんと一緒に考えてみたい。

その前提として、二つの共通認識を持ちたい。一つに、「時間的経過」として、大規模水害は予兆があり発災前の情報と準備時間があるが、大地震は一般的に予兆がなく突然発災する(故に事前の備えが必須)。二つに、「取るべき対応」として、大規模水害は予兆をとらえて予警報の発信や避難誘導などの被災回避行動が可能だが、大地震は一般的に予兆が捉えられず事前の回避行動がとれないということである。

何(いず)れにせよ、大地震の際には、「公助=国や地方公共団体が取り組むこと」はもとより、まず「自助=一人一人が自ら取り組むこと」と、「共助=地域や身近にいる人同士が一緒に取り組むこと」が非常に重要になることを肝に銘じたい。(つづく)

写真:呉羽丘陵越しの立山連峰
呉羽丘陵越しの立山連峰

ご意見をお聞かせください。

このページに問題点はありましたか?(複数回答可)

このページに関するお問い合わせ

企画管理部 広報課
〒930-8510 富山市新桜町7番38号
電話番号:076-443-2012
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。