プロスポーツとまちづくり 2025年1月5日
サッカーJリーグのカターレ富山が、見事11年ぶりにJ2復帰を果たした。その道のりは実に長く険しいものであった。12月の寒空の下、J2昇格をかけたプレーオフ決勝は、大勢の熱狂的なサポーターを擁する松本山雅FCを迎え撃ち異様な熱気に包まれていた。前半に2点を先制されたカターレは圧倒的に不利な状況であったが、後半35分に1点を返すと、終了間際のアディショナルタイムに同点の2点目をもぎ取り、まさに執念で引き分けに持ち込んだ。 この結果は、選手はもとより監督やコーチ・スタッフ、経営陣、サポーター、支援企業らが一丸となり、長いシーズンを通して最後まで決して諦めずに戦った賜物(たまもの)でもあった。試合終了の笛が鳴り響くと、戦いが終わったピッチは大歓声に包まれた。待ちに待った瞬間である。笑顔でハイタッチや握手をする者、抱き合って喜びを分かち合う者、嬉(うれ)し涙を流す者、皆が全身で喜びを表していた。自分自身も、その場で味わった大きな感動と興奮は一生忘れることはないだろう。
一方、プロバスケットボールB 2 リーグの富山グラウジーズも、今シーズン、闘志を全面に出した熱い戦いを展開し県民を熱く盛り上げてくれている。B1リーグ中地区で戦った昨シーズンは、怪我(けが)人が続出した影響で大変不本意な最下位という成績で終わり、残念ながらB2 リーグに降格した。プロスポーツは、勝利という結果が求められる大変厳しい世界である。唯一勝ち続けることで多くのファンを獲得し、地域や人々を元気にし、企業から支持され、更なるチームの飛躍につながると言っても過言ではないだろう。富山グラウジーズは、2026年秋に日本プロバスケットボールの最高峰リーグである新B1「B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)」に参入する。ここに至るまでのチーム、支援企業、いかなる時も熱い声援を送り続けてくれるブースターをはじめ、多くの関係者の並々ならぬ努力に心から敬意を表し感謝を申し上げたい。
ところで、富山県には、富山グラウジーズ、カターレ富山、富山GRNサンダーバーズ(野球)、KUROBEアクアフェアリーズ富山(女子バレーボール)、アランマーレ富山(女子ハンドボール)、富山ドリームス(男子ハンドボール)などのプロ・トップリーグで活躍するスポーツチームがある。その活動は多くの地元企業や熱いファンによって支えられており、このことは100万県民の規模の地方都市としては大変稀(まれ)なことであり、ありがたいことでもある。
さて、地方都市においては人口減少が避けられない中、プロスポーツの存在は、市民のシビックプライドの醸成、元気や健康づくり、青少年の夢や希望を育むほか、交流人口や関係人口の増大により経済効果やまちの賑わいを創出するなど、富山市のような基礎自治体にとっては、将来を見据えた「持続可能なまちづくり」の観点からも大切な財産である。これからもオール富山で地元プロスポーツを応援し、共に成長して行きたいものである。

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