漢字って面白い! 2023年11月5日

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ページ番号1014052  更新日 2023年11月5日

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新聞に目をやると「今年も秋刀魚(さんま)が不漁」であるとの記事が目に留まる。原因は、海水温の上昇や海洋環境・餌環境などの環境変化だとのことである。焼きたての秋刀魚に大根おろしを添えて醤油(しょうゆ)でいただく、ご飯にもビールにもよく合い、秋はこれが最高の贅沢(ぜいたく)なのだが、旬の秋刀魚になかなかお目にかかれないとは寂しい限りである。

そういえば、我が家には魚の名前の漢字を書き連ねた湯飲みがある。魚へんに春夏秋冬で鰆(さわら)、魚夏(わかし)、鰍(かじか)、鮗(このしろ)、馴染(なじ)みのあるところで鯖(さば)、鯵(あじ)、鮪(まぐろ)、鯉(こい)、鮎(あゆ)、鰻(うなぎ)、鮭(さけ)、鯛(たい)、鱒(ます)…などであるが、魚の姿や漢字の意味を想像するだけでも結構楽しいものである。

さて、小学生の頃に習ったが、漢字には象形文字や指事文字、会意文字、形声文字などの成り立ちがあり、改めてそれらの意味を調べると漢字の奥深さに感心させられる。例えば、象形文字の「日」は太陽で「月」は三日月の形を表している。指事文字は「上」「下」など、会意文字は日+月=「明」、形声文字は意味を表す部分と発音を表す部分でできており日+青=「晴」といった具合に、簡単な漢字にも立派な意味がある。

話は変わるが、先日あるコンクールに入賞した子どもたちへの表彰式があった。最近のお子さんの名前は、読みが難しいので気を付けなければならない。失礼のないように事前にチェックするのだが、担当者も気を利かせてくれて、賞状には必ずと言ってよいくらい「ひらがな」の付箋(ふせん)が貼ってある。大変ありがたいことである。因(ちな)みに、ある生命保険会社調べの2022年命名ランキングでは、男の子の1位は蒼(あおい、そう、あお、そら)と凪(なぎ、なぎさ)、3位は蓮(れん)、女の子では、1位は陽葵(ひまり、はるき、ひなた…)、2位は凛(りん)、3位は詩(うた)だそうである。活躍しているスポーツ選手や歴史上の人物などが名前の由来だという方も多いようだが、親は子どもの将来を願いながら、トレンドや字画数なども考えて真剣に文字を選び、思いを込めて命名するのである。

漢字の歴史は長く、約3300年前に中国で生まれ、日本に伝わってから今日まで約1600年の歴史があると言われている。漢字の語源は人々の生活の中にあり、今日まで連綿と伝えられて来た。漢字を理解し正しく使うことは、日本人の精神性や歴史・文化を継承していくことに他ならない。最近は難しい漢字を使わず敢(あ)えてひらがなで表記する事例が散見されるが、若者の漢字離れが進む中、このような風潮に些(いささ)か疑問を感じている。デジタル化が進展し、漢字を書くことが少なくなりつつある。私たちは、もっと漢字を大切にしなければならないと思うのである。

写真:魚の名前を書き連ねた湯呑みとサンマ
秋の味覚、小ぶりでも味は最高!

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