げんかつぎ、する派?しない派? 2025年6月5日
城址大通りのケヤキと松川べりの桜は、緑が萌えるようだ。春先の全日本チンドンコンクールは、桜も満開となり多くの人で賑わった。ビルの谷間から見る残雪の立山連峰はため息が出るほど美しく、つい足を止めて見入ってしまう。村の鎮守の春祭りでは、五穀豊穣(ごこくほうじょう)・家内安全を願う獅子舞と祭囃子(まつりばやし)が町内を練り歩き、程なく田植えが真っ盛りになる。実に富山らしい、自然の息吹や人々の躍動を感じることができる、そんな希望に満ちた季節である。
さて、春の陽気に誘われて犬と散歩に出かけると、いつも通る農道でこの辺りの主(ぬし)であろう立派な青大将(あおだいしょう)に出会った。今年は巳(へび)年であり、こいつは春から縁起が良い。蛇は、古(いにしえ)より豊穣神(ほうじょうしん)・天候神(てんこうしん)として信仰され、巳年は新しいことが始まる、変化・復活と再生・躍進・実を結ぶ年とのことである。また、蛇は水や金運の女神である弁財天の使者であるとも言われ、金運を上げるための「げんかつぎ」として、脱皮した蛇の皮を財布に入れる、あるいは、蛇の皮の財布を使用する人もいるようだ。
「げんかつぎ」を辞書で調べると、「験担(げんかつ)ぎ=験を担ぐは、ある物事に対して、以前に良い結果が出た行為を繰り返すことで、これから行うことが良い結果になるように祈願する意味を込めて行う行為」であり、もとは「縁起(えんぎ)を担(かつ)ぐ」が江戸時代に流行した逆さ言葉によって「起縁(えんぎ)→ぎえん→げん」となったのが由来だそうである。
あらためて考えてみると、自分はかなり「げんをかつぐ」タイプである。勝負の前は、とんかつ(勝つ)を食べることが多い。もちろん、昨年、カターレ富山のJ2復帰戦もとんかつ定食を食べて応援に臨んだ。ラッキーカラーはブルーと信じ込み、青い小物もよく身に着けている。シャツやネクタイ、靴下、ハンカチなどである。執務室では、青いマスコットバットで一日30回の素振りをする。自宅玄関の出入りは、右足からと決めているのも若いころからの「げんかつぎ」である。トップアスリートにも「げんかつぎ」をしている選手は多く、大谷翔平(おおたにしょうへい)選手は愛犬デコピンがデザインされた青いスパイクを愛用し、クリスティアーノ・ロナウド選手は必ず最後に入場し右足からピッチに入るなど、一流選手のこだわりを観察するのも面白い。
ところで、あなたは「げんかつぎ」をする派だろうか、それともしない派だろうか。過度に意識して「げんかつぎ」に頼り過ぎるのは決して良いこととは思わないが、生活にリズムをつくる、あるいは事に当たって平常心を保つための「おまじない」程度に考えて、生活に「げんかつぎ」を取り入れてみるのもまた一興(いっきょう)だと思うのである。

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