宇宙船地球号は何処へ行くのか? 2022年5月5日

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ページ番号1002979  更新日 2023年1月6日

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富山青年会議所の環境教育委員会で活動をしていたころに、米国の建築家バックミンスター・フラーが提唱したといわれる「宇宙船地球号=Spaceship Earth」という言葉に出会った。地球は宇宙船、乗組員は人類、まさに地球と人類は運命共同体であり、地球を破壊しては元も子もないということであろう。

人類の活動が宇宙船地球号に与えるダメージにはどんなものがあるのだろうか。例えば、人口爆発、環境汚染、化石燃料依存による地球温暖化、天然資源の枯渇、核戦争なども大きな脅威であろう。18世紀半ばに起こった産業革命以降、人類は石炭や石油をはじめとする多くの天然資源を地球から搾取し、地球にダメージを与え続けながら経済発展を遂げてきた。その結果、地球が持つ「自然の回復力」はもはや限界に達し、悲鳴を上げ続けているのである。

また、同じ頃に出会った池田香代子(いけだかよこ)氏の著書「世界がもし100人の村だったら」(元は米国の環境科学者ドネラ・メドウズの小文「村の現状報告」1990年)は、自分にとって、世界が直面する問題に、より大きな関心を持つきっかけになった。内容は、人類の現状を人種・教育・食料・宗教・経済・エネルギー・政治などを題材に、その違いに関する比率を、世界の人口を分母100人に置き換えたもので表し、世界の格差や諸問題を提起した短編である。一例を紹介すれば、「都市に住む51人が75%の石油や石炭や天然ガスを使い80%の温室効果ガスを出しています」「子どもは28人です。そのうち4人は働いています。12人は小学校に行っていません2015年子どもは26人になります」(池田氏著書「世界がもし100人の村だったら完結編」から引用)といった具合に、世界の現状を身近にイメージしやすい表現になっている。機会があれば一読いただきたい。

ところで、今年の2月24日にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった。以来、私たちは、毎日のようにテレビや新聞・インターネット等を介して、その惨劇を目の当たりにしている。日本においては、1945年8月に終戦を迎え、多くの若い兵士や民間人が犠牲になり、富山市も大空襲により市街地の99.5%が焦土と化し、被災者約11万人、死者2,700人以上という大被害を受けた。つい77年前のことであり、決して忘れてはならない真実である。

まさに今、世界各国が協調してウクライナ支援とロシアへの圧力による戦争終結に向けた努力をしている。私たち一人一人の力は小さいかもしれないが、「宇宙船地球号の一員」として、今こそ戦地へ心を寄せ、ウクライナへの支援と世界平和に対する取り組みをしようではないか。

写真:地球
宇宙から見た地球

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