北の大地~北海道への憧れ 2024年1月5日

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ページ番号1014353  更新日 2024年2月1日

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市内中心部のビルの谷間から雄々しい立山連峰を望むことができる10月末の晴れた日、一番町の交差点にさしかかると立体駐車場への入庫待ちの長い車列があった。デパートの恒例イベント、「秋の大北海道展」が開催中だとのことである。

北海道の食の魅力は何といっても、ウニ・イクラなどの海産物、アスパラガス・トウモロコシなどの野菜類、メロンやスイカなどの果物であるが、最近は「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などに代表される道産米も人気がある。また、ひとたび街に出れば、ラーメンや寿司、海鮮丼、ジンギスカンなどのご当地グルメが軒を連ね、胃袋が休まる暇がない。あくまでも個人的な嗜好(しこう)だが、締めのラーメンはすすきのにある塩生姜ラーメンがお薦(すす)めだ。

さらに、農水産物の加工品のお土産も実に多彩で、空港などの売店では、気を付けないと大きなお土産袋を抱えて帰路に就くか、もしくは段ボール箱での地方発送を余儀なくされることもある。北海道には実に豊富な食の魅力があり、舌が肥えている富山県民でさえ「北海道の味」に魅了されている方が実に多いのである。

また、北海道には世界自然遺産の知床(しれとこ)に代表される大自然に加え、登別(のぼりべつ)・洞爺湖(とうやこ)などの温泉地、函館(はこだて)や小樽運河(おたるうんが)など観光スポットには事欠かない。かつて訪れたニセコのスキー場では最高のパウダースノーが楽しめ、夏にはゴルフやツーリング、キャンプ、河川や湖などでのアクティビティも楽しめる。まさに北の大地は魅力満載である。

さて、北海道と富山の繋(つな)がりは歴史的にみても大変意義深いものがある。岩瀬の国指定重要文化財「森家」や国の登録有形文化財「馬場家」に代表される北前船廻船問屋が、江戸時代中期から明治30年代頃に、日本海経由で大阪から北海道まで商品を売買しながら航海していた。東岩瀬からは主に米が積まれ、北海道からは肥料用のニシンや昆布が運び込まれており、富山県が日本有数の昆布の消費地となった所以(ゆえん)である。

また、記録のある明治15年から昭和10年にかけて、約4万8千戸・25万人が富山県から北海道へ移住した。中でも、十勝(とかち)地方北部に位置する河東郡上士幌町(かとうぐんかみしほろちょう)の開拓の祖は、現富山市婦中町速星(明治40年当時の富山県婦負郡速星村)出身の安村治高丸(やすむらじこうまる)であったことを、東京から上士幌町へ移住した友人から聴かされた。一度ご当地を訪れたいという想いは募(つの)るばかりだが、残念ながらまだ果たせていない。

静寂(せいじゃく)が広がる秋の夜長である。今宵(こよい)は、安村治高丸が壮大な夢と熱い情熱をもって開拓にあたった「北の大地」に思いを馳せながら、わが青春の歌「大空と大地の中で」を肴(さかな)に北海道産ウイスキーを美味(おい)しくいただくのである。

写真:北海道上士幌町のバルーンフェスティバル
北海道上士幌町のバルーンフェスティバル(提供:上士幌町)

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