水の都・ヴェネチア ~ヴェネチアングラスに学ぶ 2026年7月5日
去る5月8日から16日にかけて、イタリア共和国のヴェネチア、ピエモンテ州アスティ、ミラノおよびスペイン王国のサン・セバスティアンを訪問した。
ヴェネチアは、イタリア北部のヴェネト州の州都で、アドリア海のラグーンに浮かぶ118の島々からなり、石造りの美しい街並みと大小さまざまな運河が縦横無尽に走る実に風光明媚(ふうこうめいび)な「水の都」である。ヴェネチア本島内には車・バイク・自転車が入れず、主な交通手段はヴァポレットと呼ばれる水上バスかゴンドラ(船)もしくは徒歩である。少し慣れればヴァポレットは実に便利な公共交通であるが、ヴェネチアではとにかくよく歩くのである。普段は、せいぜい1日10,000歩が関の山だが、この日は久しぶりに約23,000歩も歩いた。
さて、ヴェネチア視察の大きな目的は、1,000年近い歴史を持つヴェネチアン・グラスの現状を視察し、本市が推進する「ガラスの街づくり」の今後の施策に活かすことである。そのため初日5月9日午後に、ヴェネチアン・グラスの収集・展示・研究・作家の支援などを行っている施設、レ・スタンツェ・デル・ヴェトロを訪問した。この施設の運営責任者であるデビット・ランドー氏との打ち合わせでは、同施設が所蔵する貴重な美術品の本市ガラス美術館での企画展示、ガラス作家の育成、ガラスの街づくりに資する施策などについて協力体制を依頼し、同氏からは快諾を得ることができ大きな収穫となった。
その後、「GO FOR KOGEI IN VENICE(ゴー フォア コーゲイ イン ヴェニス)」を視察した。日本の伝統工芸技術に裏打ちされた斬新なアート作品の数々が現地で高評価を得ていたことは、これまで富山市を含む北陸3県でも開催されていた「GO FOR KOGEI」の開催を支援してきた本市としても大変喜ばしく、日本の伝統工芸の価値を改めて実感させられたのである。
加えて、美術・建築・映画・音楽・演劇など多岐にわたる分野の国際的芸術祭である「ヴェネチア・ビエンナーレ」を視察し、街全体が美術館であるかのような高揚感を肌で感じ、世界中の人々を魅了する美術・芸術や文化・歴史の力を確信することができた。
翌10日午前にはムラーノ島に渡り、1861年に開館し古代から現代までのガラス工芸品を収蔵・展示しているムラーノ・ガラス美術館を視察するとともに、リノ・タリアピエトラ・グラススタジオを訪ね、本市でも作品制作と企画展を開催いただいた世界的なガラス作家であるリノ・タリアピエトラ氏と面談することができた。ガラス作家としての生き様や作品の数々は、ヴェネチアのみならず世界中の若きガラス作家たちに良い影響を与え続けている。アトリエに展示された若き日から今日までの作品の数々は、同氏の生き様や情熱を表現した実に素晴らしいものであった。また、人懐こい笑顔や情熱的な口調、ガラス作品と向き合う誠実な態度は、誰しもを魅了する人間的魅力に溢れていた。富山市への再来訪と作品収集のお願いに対して、「もちろんOKだよ。」と優しく答えていただいた笑顔が実に印象的であった。(つづく)
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