視察報告(2)イタリア・アスティにて 2026年8月5日

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ページ番号1019238  更新日 2026年8月5日

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 午前中にヴェネチア市内での視察を終え、次なる視察地であるピエモンテ州アスティにある外国人のためのイタリア料理学校「イチフ」へと向かった。ヴェネチア・サンタルチア駅発の特急電車は2時間30分ほどかけてミラノセントラル駅へ到着し、その後は車に2時間ほど揺られて宿泊ホテルのあるピエモンテ州ネイヴェに入った。ネイヴェは、なだらかな丘陵地一帯にぶどう畑が広がり、パステル色の中世の街並みがその風景に溶け込んだ、ワインの産地としても知られる人口3,300人ほどの実に美しい村である。ホテルに到着した時は薄っすらと霧がかかり少し肌寒かった。しかし、先着隊の富山市物産振興会の方々が、港町ジェノヴァでのアンチョビ(カタクチイワシの塩漬け)作り体験などのホットな話題で出迎えてくれた。富山にも黒づくりや塩辛、干物をはじめとする豊富な魚介類の加工食品があるが、このアンチョビ作りの体験談は、新しい特産品を生み出す上で大いに参考になった。

 さて、翌朝ホテルを車で出発し緑が眩(まぶ)しい丘陵地を1時間ほど走ると、かねてから視察したいと思っていたイタリア料理学校「イチフ」に到着した。小高い丘の上に建つ石造りの古城を使用した校舎、教室やワインセラー、チーズ製造室などは実に趣きがある。一方で、併設した新校舎には近代的な講義室や調理実習室、ピザ・パン実習室、テイスティング室や、料理に関する蔵書・資料なども充実しており、素晴らしい学びの環境が整備されていた。

 また、同校のサッソーネ理事長や野澤教授とも貴重な懇談の機会を持つことができた。ピエモンテ州政府認可の職業訓練学校である同校は、プロのイタリアン料理人として必要な調理技術、イタリアの食文化、ワインや食材に関する知識の修得のみならず、外国人料理人を通して本場のイタリア料理を世界に広げている。加えて、ここで学んだプロの料理人が世界中で活躍することにより、彼らが使用するイタリアの農産品を世界中に輸出している点においてもイタリア経済に大きく貢献しており、まさに強(したた)かな国家戦略といえるのである。さらには、イタリア料理と食材を世界中に展開することでイタリアファンを増やし、外国人観光客をイタリアに引きつけていることを認識することができた。

 本市では、調理師を養成する専門学校や寿司学校などが、全国から生徒を集めてプロの調理人を育成している。加えて本市は、水と緑に代表される大自然に恵まれ、海の幸の宝庫・富山湾を有しており、世界に誇れる農産物・海産物・地酒などの食材がそろっている。これら「富山が持っている価値」を最大限活用することこそ、県外・国外から人々を引きつける魅力的で持続可能な活力ある富山市を創っていくのだと思う。そのためにもイタリアの農産品輸出戦略・観光戦略に学び、イチフなどとの交流を深め、富山市物産振興会や富山の食や観光に関わる民間企業・団体・飲食店の皆さんとも協力し、「富山の豊かな食文化」の国際展開につなげていきたいものである。(つづく)

イチフにて、 富山市物産振興会の皆さんと
イチフにて、富山市物産振興会の皆さんと
サッソーネ理事長と。
サッソーネ理事長と

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